二千五百四十六夜、じいじの高校生生活 1202 三年生 157 二学期から 139
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、高校生の頃のことだけれど……。
──……じいじはふと気が付く……。
周囲の風の冷たさで気が付かなかったのだけれど、よくよく見てみれば強い風に乗って、陽の光の中にキラキラとしたものが混じっているのが見えるような気がした……。
周囲には電線がないために風を切る音は聞こえてはこないけれど……。
しかし、普通にあるような風の息継ぎなどが感じられないのだ……。
冷たい風は、のべつまくなしに強く吹き付けている……。
そのために、体感温度はその分余計にでも低く感じるようなことになっているようだ……。
じいじは、ほんのしばらくの間でさえもじっとしてはいられなかった。
おじさんの説明の時間を含めても三時間くらいの間だったのだけれど……。じいじにとっては、ながいながい永遠にも感じられるような午前中が終わった……。
「……寒かったなあ~~~。……もう、おれは足の先の感覚がなくなってきてたよ~~~。
車が来てそれを誘導しているときは、まだ気が紛れていたのだけれどさあ……。
突っ立っているときは地獄の寒さだったよな~~~。
……それでも、結構車が入ってくるので何とか耐えることができていたけれどさあ……。
今日一日こんな調子が続いていくのでは、午後からの四時間余りの誘導作業はどんなことになっちゃうんだろうかな~~~……。
……なんか……俺達ってさあ……第一日目からこんな調子なんだけれど……。
……俺達ってさあ……運が悪いのかもしれないよなあ……。
……こんな日が毎日毎日続くようならさあ……俺……最後までこのバイト……続けられないかもしれないよ~~~。」
この感想には、じいじも同感だった……。
……じいじたちは、今はストーブの火が燃えている休憩室を兼ねている事務所に帰ってきている……。
だから、つかの間の夏のような室温の中にいる……。
……なので、凍ってしまっていたようになっていた口の周りの筋肉が解け始めていて、何とかまともに話すことができていた……。
じいじが、この事務所に帰ってきたときに、H君から最初に言われたことがある……。
「……おい、おまえ……鼻からつららが垂れているぞ……。」
じいじが慌てて鼻を触ってみると、鼻柱の真ん中あたりに(左右の鼻の穴の間にある柱のようになっている部分のこと……。)七、八ミリの長さのつららが生えていた……。
でも……固く凍っているわけではなかったようだ……。
たぶんそれは、寒さの中で鼻水が垂れてきていて、それがそのままそこで乾いてしまったのか、徐々に生長をしていったのだろうと思う……。
「……え?……うわ!……なんだこれ~~~……。
……最悪だよ~~~。」
「……ああ、まあ……みんな、似たようなものだからな……。……気にすることはないぞ……。」
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




