二千五百四十一夜、ばあばの社会人生活 130 ばあば就職する 130 印刷会社 103
今日は、ばあばの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、ばあばがまだ若かった頃のお話をしようかねえ。
ばあばが就職をした頃のことだけれど……。
──ばあばは、自分で努力をせずに、でも……楽がしたい人間……なのかなあ……とも思う……。
ちょっと……都合が良過ぎるのかもしれないのだけれどねえ……。
そうして、今日の日もそろそろ……と、流れていくみたいだよ……。
……イッスンノハバ ナベブタシンニュウワ ハコガマエ……。
……Kさんは、会社がお昼休みに入る前あたりに版下のお手伝いから解放されたらしく、写植の部屋に帰ってきた。
「……は~~~疲れた……。
昨夜も遅くまで残業だったうえに、今日も版下の貼りこみや商品写真の位置決めなんかを手伝ったおかげで、神経がすり減ってしまったような気がするよ……。
俺は、これから一休みした後に、気分直しで外へお昼を食べに出るので……。
あーさんの勉強は昼休み後から始めようかなあ……。
……わるいけれど、そうしてくれないか……。」
Kさんは……ばあばには、なんとなくそんなふうに見えるのだけれど……艶のない顔色で話した後で、写植の機械の椅子に座り込んで放心しているようだった……。
ばあばがちらっと見た時にKさんは、椅子の背にもたれたまま目をつぶっているようだった……。
……そして、お昼休みを知らせるベルが鳴り始めると、Kさんは、疲れたような表情だったのは変わらないのだけれど、ゆっくりと立ち上がって通用口から会社の外へと出ていった……。
「……かなり疲れが溜まっているみたいねえ……。
でもねえ……あの人の場合は、自業自得という部分もあるみたいよ……。
会社が終わった後には、友達などからの誘いがあるからといっては、マージャンを遅くまでやっているらしいからね……。
また、それがないときには、家へ帰る途中にあるらしいパ○○コ屋へ寄っているって聞いたことがあるわねえ……。
たまには、大勝ちしたと言っては自慢話をするくらいだから、そういうことが好きな人なんだろうねえ……彼は……。
だから、会社がお休みになっても、似たようなことにのめり込んでいるのかもしれないから……。
休日には、体を休めるというよりも、そういったことに熱を上げているほうが休んだ気になれると、彼は本気で思っているみたいだからね……。
……私はそういうことには興味がないので、詳しくは聞いたことがないのだけれど……。
なんだか……考え方が普通じゃないわよねえ……。」
その日ばあばは……Iさんと一緒にお昼のお弁当を休憩室で食べているときに、あまり聞きたくはないような話を聞かされてしまった……。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




