二千五百三十夜、じいじの高校生生活 1194 三年生 149 二学期から 131
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、高校生の頃のことだけれど……。
──じいじ自身の考えでは、いろいろともったいぶって、Bさんにありがたがってもらいたいとは思ってもいなかったのだしね……。
だから、いたずらに時間を掛けて丁寧に仕上げること自体には、たいして価値があるわけではないのだろうと思える……。
そんなことなどを含めて考えると、さっさと仕上げてしまって、さっさとBさんに原版を渡してしまったほうが面倒がなさそうだった……。
それに、できるだけ早くに彼女たちの要請から手を切ってしまったほうが、じいじにとっては煩わしいこともなくて、早く気が楽になるだろうかなあと考えた……。
そして、二日後の授業間休みの時にじいじは、Bさんに版画の原版を渡してしまうことができた。
「……まだ、最初に表紙絵をお願いしてから、たいして時間が経ってはいないのだけれど……こんなに早くできるものなの……。」
「……たまたま時間に余裕があったからね……。
それに、自動車学校へ行くための費用をアルバイトで稼ぐのに、ぐずぐずしていると日程が被っちゃうことになるからさ……。
表紙絵については、さっさと終わらせておいた方が、お互いにあとの対処が楽になるだろうからね……。
……そんなことで……あとは好きにしてもらったらいいからさ……。」
じいじは、教室の外に呼び出してもらったBさんに、依頼があった卒業文集の表紙絵に使う版画の原版を渡してから、さっさと退散してきた……。
版画の原版を渡してしまったので、じいじはほっとしていた……。
その後の版画の扱いに関しては、Bさんたちの好きにしたらいいだろう……。
どんな紙に印刷をしようが……。
どんな刷り色にしようが……。
彼女たちが満足できるようにすればいい……。
じいじは、彼女たちと交流があるわけではないので、それ以上深入りする考えもなかった……。
それに、どこそこを直してほしい……などと、後から言われたとしても、版画の場合には対処が難しい……。
だから……結局は、その要請には断ることになるだろうと、じいじは思う……。
表紙絵が、白地の紙に黒などのインクでの印刷だけでは寂しすぎる……。
そういうことであれば、水彩絵の具でも油絵具でも使って、さっと彩色すれば済むことだから……。
それは彼女たちが判断して手間をかければどうにでもなるだろう……。
──ああ……済んだ、済んだ……。早く終わってよかったよ……。
じいじはもうすでに、H君たちと一緒にするアルバイトのことを考えていた……。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




