二千五百二十八夜、じいじの高校生生活 1193 三年生 148 二学期から 130
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、高校生の頃のことだけれど……。
──だから、強力な指導体制のもとにある国や、国民全員が一つの方向へと進まなければならないような国では、じいじは真っ先に粛正されてしまうような種類の人物なのだろうかな……とも思えるのだ……。
しかしその一方では、自分の意欲に対して強い拘りがないということもある……。
そのために、とんでもなく要領よく、いろいろな流れに乗っていかれるような、そんな人間なのかもしれないとも思う部分もあるのかな……。
だからじいじは……ひたすら目立つことなく、うまく流れに乗って生きていくことができるような……。
要領が良過ぎるような種類の人間なのかもしれない……とも思うところもあるのだけれどなあ……。
……それはともかくとして……。
……結局じいじは、その日のうちに切り出し刀で……デザイン用のカッターナイフのような刃の形をしたもの……手を入れるおおかたの部分を終わらせてしまっていた……。
そして、丸刀……大小の二種類があるのだけれど、刃の形の横断面が半円形になっているもの……で版画の原版の三分の一くらいまで彫り進んでしまっていた……。
版画の原版を彫るのに、じいじはもう少し手間も時間もかかると思っていた……。
しかし、じいじが思っていたよりもかなり早く作業がすすんでいくことになりそうだった……。
もう一日もあれば、余裕で彫りが終わりそうなのかもしれない……。
なので、このまま一気に作業を進めてしまおうかなあと、じいじは考えていた……。そして、それがすみ次第には、Bさんに版画の原版を渡してしまえるのではないだろうかなあとも考えていた……。
ここで一日二日余計に時間を掛けて、いくら丁寧に原版を仕上げようとしたところで、版画の刷りあがりにはさほど差ができるわけではない……。
それに、版画は刷り上がった結果が重要であって、原版にさほど価値があるわけではないだろうとも思うのだ……。
それに、刷り上がった結果についてだけで言えば、かえって勢いがあるということは、結構刷り上がった際には見栄えがするような気もする……。
じいじ自身の考えでは、いろいろともったいぶって、Bさんにありがたがってもらいたいとは思ってもいなかったのだしね……。
だから、いたずらに時間を掛けて丁寧に仕上げること自体には、たいして価値があるわけではないのだろうと思える……。
そんなことなどを含めて考えると、さっさと仕上げてしまって、さっさとBさんに原版を渡してしまったほうが面倒がなさそうだった……。
それに、できるだけ早くに彼女たちの要請から手を切ってしまったほうが、じいじにとっては煩わしいこともなくて、早く気が楽になるだろうかなあと考えた……。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




