二千五百二十六夜、じいじの高校生生活 1192 三年生 147 二学期から 129
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、高校生の頃のことだけれど……。
──伯父さんの洗濯物が干してあるところをたまに見かけると、腰の周りに付けるコルセットのような補助具が干してあるのが目立つのだ……。
なので、それで伯父さんの在宅を知ることができる……ということもある……。
しかし、たいていの場合には、じいじは学校へ行くので、ほとんど顔を合わせることがないうちに、伯父さんのお休みが終わってしまう……ということが多かったかもしれない……。
じいじはこの頃、のほほんとしていてまったく気が付くことがなかったのだけれど……。たぶん伯父さんの家族は、今住んでいる町営住宅から出て、新築の自宅を持つという目標をもって、一所懸命に働いていたのだろうと思う……。
この頃、自宅を持つということは、大きな夢というよりも、人生における重要な目標だったのだと思う
のだ……。
じいじは、なぜこの家族は、ぜいたくな暮らしもせずに、これほど懸命に働くのだろうか……と考えていたところがあったかもしれない……。
じいじは、本来の性格としては、まじめな人生が送れるような性格をしているというよりも、怠け者という範疇にいるのではないのか……と思っている。
いろいろな理由をつけては楽をしようとするところなんかは、怠け者の典型なのじゃないかなあ……とも思わなくもない……。
もちろん、一般的に怠け者という性格に対して受け止められているものとは、じいじの場合は少し違うのかもしれないけれど……。
……伯父さんの家族のように、なにがなんでも新築の自宅を持ちたい……というような、強烈な意欲がないということ……。
大学を出て、大企業に勤める……。そして、社会の中でも中流または上流階層と呼ばれるような生活をしたい……。
……というような、一般的には普通だとも思われているような、積極的な意欲に欠けている……。
……ということは、ごく普通の方々と比べてみれば、かなり考え方が偏っているのではないだろうか……。
と、そう考えざるを得ないかなあとも、じいじは思う……。
そういう面で、普通の人生を送ることができていないということで、じいじは怠け者だということなのだろうと思うのだが……。
……特定の宗教を信仰しているわけでもない……。
……新興宗教団体に所属しているというわけでもない……。
さらには、一般的に知られているような特定の思想を信奉しているわけでもない……。
ただただ面倒くさい気持ちが強い……ということで、じいじはいわゆる怠け者なのだろうと思うわけなのだ……。
だから、強力な指導体制のもとにある国や、国民全員が一つの方向へと進まなければならないような国では、じいじは真っ先に粛正されてしまうような種類の人物なのだろうかな……とも思えるのだ……。
しかしその一方では、自分の意欲に対して強い拘りがないということもある……。
そのために、とんでもなく要領よく、いろいろな流れに乗っていかれるような、そんな人間なのかもしれないとも思う部分もあるのかな……。
だからじいじは……ひたすら目立つことなく、うまく流れに乗って生きていくことができるような……。
要領が良過ぎるような種類の人間なのかもしれない……とも思うところもあるのだけれどなあ……。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




