二千五百十二夜、じいじの高校生生活 1185 三年生 140 二学期から 122
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、高校生の頃のことだけれど……。
「──……ただいま……。」
じいじは、自転車をじいじたちの部屋の入り口前に造られている倉庫内へ入れて、入り口の戸の掛け金を閉める……。
じいじは、急いで買ってきたカレールウをおばあちゃんに渡した……。
そして、水か溜まっているのだろう風呂桶を確かめてから、風呂釜の焚き付けを始めることにした……。
じいじは、薪の量の点検をしておく……。
風呂釜からは、じいじが座り込んでいるところを挟んで正面の壁際に、昔使っていた木製のリンゴ箱が置かれてある……。
もともとは、もみ殻が箱の中にはいっぱいに詰め込まれていた。そして、そのもみ殻の中にリンゴが埋め込まれていた……。
……昔の陸上輸送は、国鉄の貨物列車が主だった。
トラックでの運送は、貨物駅扱いの荷物を各卸売市場に運ぶことなどの、地域限定での利用がされていたのではないかと思う……。
その頃は、段ボール包装などがなくて、長距離を貨物列車で運ばれる荷物は、その絶え間のない振動にも耐えられるような、木の薄板などでの梱包作業が必須だったような気がする……。
梱包方法が強度的に弱いとなると、輸送途中での荷崩れが起きてしまうことがあった。
そのため、それを防ぐためには、しっかりとした梱包や荷造りが必要だった……。
そのために、多くは木箱などに入れられるような、頑丈な方法がとられていたのだと思う……。
そして、そのために使用されていた木箱は、大きさも丈夫さも使いやすかったためなのか、本来の目的が済んだ後も、何かと様々な容れ物として使われることが多かったようだ……。
じいじのところでは、焚き付けやら薪を一時的に入れておくための容器に使われていたということになる……。
今回、お風呂のお湯が入れるようになるまでに沸ききる前に、風呂焚き用の薪が足りなくなってしまうのでは、周囲の暗さで手元が見えなくて困ったことになりそうだ……。
それに、じいじやおばあちゃんがお風呂を使うようになる頃には必要になるだろう、追い焚き用の薪も準備しておかなければいけないだろうし……。
じいじは、後ろに置かれてある木箱の中に、薪を補充しておくことにした……。
薪は針金でひとまとめに束ねられている形で販売がされている……。それを倉庫の中の壁際に積み重ねて保管がされている……。
じいじが外に出て、倉庫の扉を開けてみる……。
扉を開けて、出入り口を入ったすぐのところには、夏の間にはその姿がなかったドラム缶が、いつの間にか鎮座していた……。
これはたぶん伯父さんが、冬の間灯油を入れておいて、それを小分けにしてストーブなどの暖房用に使うために、ここへと置いたのだろうと思う……。
日頃は存在感が薄い伯父さんなのだけれど、こんな時にはその存在がありがたく感じてしまう……。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




