二千五百九夜、ばあばの社会人生活 114 ばあば就職する 114 印刷会社 87
今日は、ばあばの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、ばあばがまだ若かった頃のお話をしようかねえ。
ばあばが就職をした頃のことだけれど……。
──ばあばは、バス停の時刻表から必要と思われる時間帯の発着時刻を、いくつか書き出していった……。
──ああ……やっぱり……通勤時間帯には割とバスが走っているけれど、それを過ぎてしまうと一時間に一本あるか無いかくらいになってしまうんだ……。
それと……ここから、私の家の方面へ行くのには……最終のバスは、二十時二十五分になるのか……。
ばあばは、バス停に一人で立って、ぶつぶつと独り言をつぶやきながら、時刻表を写していた……。
ばあばがバス停でしばらく待っていると、私鉄の終着駅発で、ばあばの住んでいる町行きのバスがやってきた……。
この町には、県立高校がある……。そのためもあるのだろうか……十七時の時間帯には、バスが二本運行されているようだった。
ばあばがこれから乗ろうとしているのは、十七時台に二本あるバスのうち、十七時二十五分発のものになるようだ……。
今日は余裕でその時刻発のバスに乗ることができるようだ。けれど、ボーとしていると乗り遅れてしまうことになってしまうかもしれない。
そうなると、次のバス……十七時五十五分発のバスになってしまうということになる……。
定時で仕事が終われるときには、ちょっと急いで着替えたりしたほうがよさそうだった……。
バスの時刻表の写しを整理しているとバスは左に進路を変えることになる……。
そしてここからは、道なりにドンドン走っていけば、ばあばが暮らしている町に入っていく……。
……進路を変えたバスが町の中をしばらく走ると、割と大きなト型の交差点に到着をする。
ここが、朝と晩の二回、県立高校生たちが乗り降りをするバス停がある場所だった。
朝の通勤時間帯にはかなり混みあってしまうのだけれど、さすがにこの時間帯にはそれほど混むことが無いようだった。
帰宅部の生徒たちは、もうすでに帰ってしまっているのだろう……。今の時間帯は、部活動や各クラブ活動を終えて、下校時間前に帰宅をしようとしている、慌ただしい時なのかもしれない……。
甲高い声をあげながら話に夢中になっている女子たちのグループがいたり……。
なんだか……黙り込んだままで、目立たないように手をつないでいるカップルがいたりする……。
もちろん、着替える間もなくバスに乗ってきているのか、ジャージの体操服の上に、形だけセーラー服とスカートを着けているような、私は服装などを気にしていません……と、自己主張をしているような女子たちもいるようだ……。
ばあばは、運転席のすぐ後ろのシートが空いていたので、そこに座り込んだまま身じろぎもせずに、窓の外を眺めていた……。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




