二千五百七夜、ばあばの社会人生活 113 ばあば就職する 113 印刷会社 86
今日は、ばあばの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、ばあばがまだ若かった頃のお話をしようかねえ。
ばあばが就職をした頃のことだけれど……。
──Iさんは、目の前の広場の駐車場に停めてあった軽自動車で、隣町にある自宅へと帰るらしい……。
ただ、このまま真っ直ぐに帰ると、道沿いには買い物ができるようなお店がないらしいということだ……。
だから、買い物を済ませたいのならば、少し遠回りをして、買い物ができるお店に寄ってから帰宅するということになるらしい……。
ばあばにはそんな用事もないので、直近のバス停からバスに乗って、家へと帰ることになる……。
「……今日はお疲れさまでした……。
これからしばらくの間は、今日のような勉強が続くとは思うのだけれどね……。
でもね……写植というお仕事自体は、慣れてしまえばそんなに難しいものではないので……。
焦らずにじっくりとやっていけば大丈夫だと思うわよ……。
……それに、すぐそばには私がいるんだからね……。
機械やお仕事のことで何か分からないことがあったとしたら……遠慮なんかはいらないので、なんでも聞いてくれればいいからね……。
今までは、私が一人で新聞や会報なんかをやっていたので、その分、多少は無理をすることがあったのだけれど……。
これからは、私たち二人で協力をしていって、それでお互いに無理がない程度にお仕事ができるようになるといいわねえ……。
それじゃあ……また明日ね……。」
ばあばは、Iさんと別れた後、バス停でバスの到着時刻を調べようと思っていた。
それで、近くのバス停へ向かって歩いて行った。
そういえば……ばあばがOさんと一緒にこの会社へ面接に来た時には、帰りに社長さんに車で家まで送ってもらってしまっていた……。
それで……というわけではないのだけれど、ばあばは、帰りのバスの時間などは全くわからない状態のままだった。
──ここから近くのどこかで、バスの時刻表が手に入れば、便利で安心なのだけれどなあ……。
ばあばには、そんな場所の心当たりがなかった……。
なので、ばあばは、バッグの中を探して、メモができるような紙切れを引っ張り出した……。
──これは……小さなノートかメモ用の手帳がいるかもしれないわねえ……。
ばあばは、バス停の時刻表から必要と思われる時間帯の発着時刻を、いくつか書き出していった……。
──ああ……やっぱり……通勤時間帯には割とバスが走っているけれど、それを過ぎてしまうと一時間に一本あるか無いかくらいになってしまうんだ……。
それと……ここから、私の家の方面へ行くのには……最終のバスは、二十時二十五分になるのか……。
ばあばは、バス停に一人で立って、ぶつぶつと独り言をつぶやきながら、時刻表を写していた……。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




