二千五百五夜、ばあばの社会人生活 112 ばあば就職する 112 印刷会社 85
今日は、ばあばの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、ばあばがまだ若かった頃のお話をしようかねえ。
ばあばが就職をした頃のことだけれど……。
──その作業は、小筆の中でも一番細い面相筆を使って作業をするらしい……。
だから大丈夫かな?……といっても、三ミリ角の文字の間や周囲に光っている線を塗りつぶすのは、かなり神経を使うだろうし、目にもよくないような気がするのだけれど……。
その負担を彼らに押し付けたり、手間を掛けさせ続けるということは、製版部門の修正係の人に、ばあばは恨まれてしまう……という結果を招いてしまうような気がするのだけれど……。
それに第一、仕事の効率が大きく落ちてしまいそうな気がするのだけれどなあ……。
そうなれば、会社の上層部からも注意をされるだろうし……。その後の状態によっては、反省も努力もないあなたは、明日から来なくてもいいですよ……って、解雇になってしまうかもしれないと思う……。
まだ、良い会社なのか……それほどでもない会社なのか……については判断がつかない……。だからこれからどうしようかということについてもはっきりとは分からない……。
しかし、お母さんから勧められたからだとはいっても、縁があってこの会社との関係ができたわけなのだ。
それに、この会社では、朝は八時の定時から夕方は五時までが勤務時間になっているようだ……。それに、お休みも日曜、祝祭日だということらしい……。
ばあばの友達ともお休みが同じタイミングで取ることができるということは、ばあばだけが取り残されたようなことにならずに済むということなのだ……。
これは正直嬉しいことだなあ……と思う……。
その点は、ばあば自身がこの会社に対して満足できることだと思う……。
学園でできた友達と会うことも、一緒に遊びに行くことも、何の気兼ねもなくできるということだからだ……。
そのほかの気になることなんかは、些細なことなのだろうと思えるくらいには、友達とお休みが一緒なのは、ばあばにとっては嬉しいことだった……。
……その日も、きちんと定時で帰ることができた……。
Iさんと一緒に更衣室へと行って、通勤用にとお母さんがどこかで買ってきた服に着替えてくる……。
そして、Iさんと二人でタイムカードを打って、事務所にいる営業の人たちに挨拶をする……。
そのまま工場への入り口から製本の横を通って、製品の搬出などに使う通用口から、会社の外へと出ていく……。
Iさんは、目の前の広場の駐車場に停めてあった軽自動車で、隣町にある自宅へと帰るらしい……。
ただ、このまま真っ直ぐに帰ると、道沿いには買い物ができるようなお店がないらしいということだ……。
だから、買い物を済ませたいのならば、少し遠回りをして、買い物ができるお店に寄ってから帰宅するということらしい……。
ばあばにはそんな用事もないので、直近のバス停からバスに乗って、家へと帰ることになる……。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




