二千五百二夜、じいじの高校生生活 1180 三年生 135 二学期から 117
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、高校生の頃のことだけれど……。
──教室内では、じいじが書き出していたB紙はすでに、壁から取り外されていた。
それらは、くるくるときれいに巻き取られていて、他の展示物と一緒に持ち帰る準備に入っていた。
「……おう、手伝いに来てくれたのか……。
じゃあ、図書室から借りてきていた写真雑誌を、返却をしに行ってもらえるとありがたいのだがなあ……。
それで、ちゃんとお礼を伝えておいてくれよ……。
ほんとうに役に立って感謝をしているってなあ……。」
じいじは、今日になってから三回目の図書室へ、写真雑誌を抱えて歩くことになった……。
「……こんにちは……。
……またここへ来ることになりました……。
今度は、お借りしていた写真雑誌の返却と、展示担当者からのお礼と感謝の気持ちを伝えに来たんですけれどね……。」
事務員さんは、苦笑いを浮かべながら応えた……。
「……あなたもいろんなところへ顔を突っ込んでいて忙しいことよねえ……。
でもまあ……もうすぐこの学校を卒業してしまうのだから、いろいろな所へと顔を突っ込めるのも今のうちだけなのかもしれないわねえ……。
この先あなたがどこに就職をしたいのかを、私は知らないのだけれど……。
まあ……それがどこであれ、生半可な態度では通用しないのかもしれないしねえ……。
しっかりと心の準備を怠らないようにしないとねえ……。
……そうそう、その雑誌については、カウンターの隅に置いておいてくれるかしら……。
今、担当教諭のお姉さんは、席を外しているからね……。
……誰もいない事務所の中には、ちょっと入り辛いからね……。」
事務員さんは、手をひらひらと振りながら肩をすくめていた……。
「……ああ……それなら……この写真雑誌をお借りしていた展示担当者たちからの、お礼と感謝の気持ちを伝えておいてくださいね……。
今、担当者たちは、後片付けで手が離せないので……。
……ここへ来て、本人たちから直接気持ちを伝えるのが筋だろうとは思うのですけれど……。
……またいずれ、機会を見てここへお礼に伺うとは思いますけれどね……。
……とりあえずは、ありがとうございましたと、担当教諭へ伝えておいてくださいね……。
それでは……お願いしますね……。」
事務員さんは、さらに苦笑いを深めながら、今度は手でシッシッと……動物を追い払うようにして、じいじは図書室を追いだされてしまった……。
じいじには、なぜこのタイミングで、事務員さんから、ああもあからさまに追い払われてしまうのかがわからなかった……。
一日に三回も図書室へ来るのが迷惑だったのだろうか……とも思ったのだけれど、たぶん違うのだろうかなと思う……。
事務員さんにとっては、このタイミングで生徒に図書室へと来られるのが、何かの理由があって迷惑だったのだろう……。
けれど、じいじにしても事務員さんの顔が見たいのが理由で、再三にわたって図書室に押しかけていたわけではないのだけれどなあ……。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




