二千四百九十七夜、ばあばの社会人生活 108 ばあば就職する 108 印刷会社 81
今日は、ばあばの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、ばあばがまだ若かった頃のお話をしようかねえ。
ばあばが就職をした頃のことだけれど……。
──事実、時期的なこともあるのだろうとは思うのだけれど、関係各所の受注状況などの影響から、事務所にお留守番が必要になる場合が、過去にはあったそうだしね……。
会社を休みにしたくないばかりに、交流行事を二班に分ける……というほどの従業員数があるわけでもないようだから……。
それに、女性の場合には、避けられないような事情が起きてしまうような場合があるのだから、強制参加というわけにはいかないことだってあるよねえ……。
でも、たとえそうなったとしても、その人が電話番くらいはできるだろうから、用件をメモして担当者の机の上においておくくらいはしておけるだろうからね……。
でも、なんとなく……すっきりとしない部分があるのだけれど……。
しかし、交流行事も勤務のうちだということを考えれば、しかたがないことなのだろうかなあ……とは思う……。
……午後からは午前中の続きとして、Kさんの話をひたすら聞くのが勉強ということになった……。
Kさんの話の全部が全部、写植の仕事を進めていくうえで必須となるような知識だろうかというと、かなり疑問だった……。
会社社長の家族構成だとか、親戚関係のどこの誰がこの会社の営業にいる……だとか……。ばあばにとってみればどうでもいいことも、Kさんの話の中には大いに含まれていた……。
そういったことについて興味がある人にとっては面白そうな話題なのかもしれない……。
しかし、そういった内輪話が扱われているということは、会社の中での訳が分からないグループや、とんでもない勢力に、知らないうちに組み込まれてしまっている……というような危険性もあるのかもしれない……。
ばあばは、そういったパワーゲームには全く興味がないので、ただひたすらに迷惑なだけだった……。
だからといっても、あからさまに嫌な顔や表情を浮かべるわけにはいかないし……。
Kさんのこの話は、いつになったら終わるのだろうかと考えながら、ばあばは黙って聞いているしかなかった……。
それでも……Kさんの話は、本人が満足したのか、九十分くらいで終わったようだった……。
その話のおかげなのか、ばあばはこの会社の内部事情にはかなり詳しくなってしまったように感じるのだけれど……。
でも、これで本当によかったのだろうかなあ……って、ばあばは密かに思うのだけれど……。
その後は、写植に次のお仕事が回されてきたこともあって、KさんもIさんも忙しくなってしまった。
そうなると、ばあばの勉強のことなどで大切な仕事の時間が取られてしまうのは、筋が違ってくるのだろうと思う……。
なので……ばあばは、ばあばの担当する機械用の文字盤の配列表を、Kさんから与えられた……。
ばあばは、Kさんの仕事の切りが付くまでは、それを使って自主トレーニングをしている……ということになった……。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




