二千四百八十五夜、ばあばの社会人生活 102 ばあば就職する 102 印刷会社 75
今日は、ばあばの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、ばあばがまだ若かった頃のお話をしようかねえ。
ばあばが就職をした頃のことだけれど……。
「──だから、あーさんが良い返事をしながら、Kさんの言うことに逆らわないようにしていさえすれば、機嫌がよくなると思うのよ……。
下手に口答えなんかをすると、途端に機嫌が悪くなるので、そこは適当にあしらっていてもらえればいいと思うからね……。
和文タイプのJさんを含めても、ここには四人しかいないのだから、もっとのびのびとお仕事ができたらいいのに……とは思うのだけれどねえ……。
でも、考え方は人それぞれだからね……。
私たちは、一応写植の責任者を任されている、Kさんの考えに合わせておかなくてはいけないだろうからね……。
面倒くさいといわれればその通りなのだけれどもね……。
でも、世の中やこの会社の考え方がそうなっているということなのだから、仕方がないことなのだろうからね……。
……そんな世の中や、この会社に対して、不満に思ったり、いろいろ間違っていると思ってみたり……。
そして、それらのことについて自分が考えているようなことを指摘をしてみたり……。
……それだけではなくて、自分の周りのすべてに対して反抗をしてみたり……。
……そんなことをしたりするよりも、日々を楽しく暮らしていかれるようにしていたほうが、心穏やかに暮らしていられるような気が、私はするしねえ……。
私のいま一番大切に思っているのは、私自身と、私の家族などの身の回りにいる人たちだからね……。
そうして……私は、穏やかに暮らしていきたい……と、思っているのよ……。
でも……それでも我慢がならないのだ……と思うのならば、その人自身が大きな力や、無視ができないような立場や能力を持つ……ということのほかにできることはないような気がするのよねえ……。
それが、私が考えつく一番穏やかな、自分を生かしていく道なのだと思っているのよ……。
もちろん、私自身や身の回りの人たちの生活を壊すことがないような道の中では……ということになるのかなあ……。
……ははは……なんだか、いらないことをたくさん話してしまったような気がするわねえ……。
ごめんなさいね……聞き苦しかったかもしれないわねえ……。
……まあ……社会生活に不満があるのなら、自分自身が ” 能力 ” という " 力 " を身につけるしかないのかもしれないわね……っていうね……つまんないお話だったというわけね……。」
ばあばは、これはIさん自身が日頃から感じていることなのかもしれないなあって気がした……。
ばあば自身は、正直言って、そこまで考えたことがなかった……。
人生や、社会とか……仕事とか……そういったことに対して、ばあばが大きな期待をしていない……ということがあるからなのかもしれないけれどねえ……。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




