二千四百八十四夜、じいじの高校生生活 1171 三年生 126 二学期から 108
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、高校生の頃のことだけれど……。
「──……すいません……。
こちらのクラスのBさんから頼まれた、卒業文集の表紙絵の下絵を描いてきたのですが……。
その確認をしてもらいたいので……Bさんを呼んでもらえませんか……。
僕は、ケーと言います……。」
教室内は、忙しかったのか、じいじはそれほど注目はされなかった……。
じいじがほっとした気持ちで、廊下でしばらく待っている。
すると、家政科の隣のクラスからパタパタとスリッパの音を立てながら、Bさんがやってきた……。
「……びっくりしたわよ……。
表紙を頼んでから……昨日の今日のことだったから……。
……それで、もう下絵ができたって聞いたんだけれど……。」
「……ああ……ごめん……忙しかったんだろうね……。
僕は、Bさんがこっちのクラスだと思っていたので……。
いきなり、あっちのクラスから出て来たので驚いたよ……。」
「……ああ、それね……。わたしたち家政科の二クラスで、合同模擬店をしていたのだけれどね……。
忙しくなってきたらしいので、そっちのお手伝いをしていたからね……。
……それで、下絵って、どんなものになったの……。」
「……ああ……ごめん……。
……これなんだけれど……。
あなたがさっと見た感想と、これならば表紙絵にしても反対意見は少なそうだなあと思えるようなものを、教えてほしいんだけれど……。
それで……修正するのであればどんなところをすればいいのかを、ざっとでいいので指摘してもらえたらうれしいんだけれど……。
それから……これはある人から指摘されたことなんだけれどね……。
こっちのスケッチも思い出としては良いのじゃないかって意見なんだけれど……どうなのかなあって思っているんだよね……。
その辺のところを教えてもらえたら、これよりも多少は良くなるんじゃないかなって思うんだけれどなあ……。」
じいじは、この表紙絵の下書きの話をさっさと終わらせて、この場所を早く離れたかった。
……なんだか、離れたところからのたくさんの視線が向けられているのが気になって仕方がなかった。
「……どうなのかなあ……このスケッチブックを一時借りていって、クラスのみんなの意見を聞いてみたいのだけれど……。」
Bさんにしてみれば、確かにそのほうがいいのに決まっているのだろうとは思う……のだけれど……。
じいじにしてみれば、それは微妙に避けたいことだった。
「……うん、そうしたいとは思うんだけれど……。
ただ……クラスでの話し合いになってしまうと、結構、時間が掛かっちゃうと思うし……。
それに……皆さんからのいろんな要望があったとしても、それに応えられるのかどうかについては、自信がないんだよね……。
僕自身の技術的なところからいっても、無理かもしれないしねえ……。
僕自身は、あんまり話を拡げてもらいたくはないんだよね……。」
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




