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二千四百七十八夜、じいじの高校生生活 1168 三年生 123 二学期から 105

今日は、じいじの番です。

 眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?

「…………。」

 そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。


 まだ、高校生の頃のことだけれど……。

 ──現金げんきんあつか職場しょくばなので、きびしい場面ばめん多々(たた)あるのだろうとは思う……。

 しかし、この町には大きな工場がそれほどない……。

 だから、公営競技こうえいきょうぎという、この公益事業こうえきじぎょうが、この町の重要じゅうよう収入源しゅうにゅうげんになっているということらしい。

 そんなことから、なお一層いっそう公正こうせいさと、売り上げ成績せいせき向上こうじょうもとめられている……ということもあるのだろうとは思うのだけれど……どうなのだろうか……。

 ……そういえば、十一月の後半こうはんと十二月にはいってからの日曜日にかる開催日かいさいび……。それと、お正月しょうがつやすみに掛かる開催日には、じいじは、アルバイトに行くことになっていた……。

 その先がこの競○場(きょうていじょう)大駐車場だいちゅうしゃじょうだったかなあ……。

 海のすぐそばなので、鈴○(すずか)おろしがじかき付けて、めちゃめちゃさむい……ということだったのだけれど、大丈夫だいじょうぶなのだろうか……。

 寒さの中にいると、なんだか後ろ向きなことばかりが頭の中に浮かんでくるような気がする……。

 今から考えても、どうなることでもないのだろうけれど……。ここは、ストーブのそばで体をあたためたらもっと前向まえむきな考え方ができるようになるのかもしれない……。……寒いのがいけないのだ……。

 ……翌日よくじつは、一般いっぱんの人たちに対する公開こうかいが、昨日きのう以上に大々的に行われることになっていた……。

 しかし、実際には、行列ぎょうれつができるほどにたくさんの人たちが、学校へとおとずれてくれるわけではない……。

 たくさんの見学者けんがくしゃあつまるのは、一般いっぱん教室よりも、窯業ようぎょう科の作品展示やら、販売はんばい会、体験たいけん教室などに一般入場者が集まるのが例年れいねんのことだった……。

 じいじも、ひとあたり自分たちの展示てんじなどを昨日きのうのうちに見てしまっていたので、正直しょうじき言って、今日することがあまりない……。

 それで、昨夜さくやチャカチャカとき上げた下絵したえをもって、図書としょ室の事務員じむいんさんのところへと、批評ひひょうを受けに行くことくらいしか思いつかなかった……。

「……こんにちは~~~……。

 昨日きのう今日きょうのことだけれど、一応いちおう下絵したえいてきましたよ……。

 まあ……言いたいことはいろいろとあるのでしょうとは思うのですけれど……。

 僕自身のやる気がなくなってしまったり、たとえうすっぺらな自信じしんであっても……すっかりそれをうしなってしまわない程度ていどに、批評ひひょうをしてもらえたらありがたいのですけれど……。」

 じいじは、おしりの方へかくしていたスケッチブックを、事務員じむいんさんの前に差し出した……。

「……なんとも早かったわねえ……。

 ……どれどれ……早速さっそく、私が見てあげましょうかねえ……。」

 そう言いながら、じいじからスケッチブックを受け取った事務員さんは、風景ふうけいスケッチなんかがいてあった最初さいしょの方から、ながはじめていた……。

 ──ああ……そこからかよ……。

 なんだか……よほどひまなんだなあ……。

 じいじは、くちには出さなかったけれど、心の中で考えていた……。


 おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。

良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。

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