二千四百七十四夜、じいじの高校生生活 1166 三年生 121 二学期から 103
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、高校生の頃のことだけれど……。
──家政科の女子との関係性を作るのには、唯一の機会だったのかもしれない、焼却祭でのフォークダンスにしても、結局じいじは逃げ出してしまっているのだから……。
でも、そういえば……もう一度だけそんな機会があったのかもしれないかなあ……。
いつ頃の機会だったのかはよく憶えてはいないけれど……。
弓道部所属の女子……たぶん家政科の同学年の女子だったのだろうと思うのだけれど……から、珍しいことに、じいじに対してお声が掛かったことがあった……。
彼女からすれば、相当に思い切った行動だったのだろうと思うのだ……。
それについては、行動にも結び付けられなかったじいじが、あれこれと言うことなどない……のだけれど……。
その際の経緯について、じいじはよく憶えてはいない……。
その際に、じいじはどういうふうにお声を掛けてもらったのかもよく憶えてはいない……。
ただ、その時じいじはよく考えもせずに、いいよ……だったか、それとも、しばらくお付き合いをしてみますか……などと、不遜な返事をしたのではないかと思う……。
それからじいじは、それほど間を置かずに、彼女が所属している弓道部の練習場……弓道場まで、彼女の帰宅のお見送りのために、お迎えに行った……。
そして、そのときには彼女の家の近くまで、じいじは送っていった……。
当然ながら、帰宅方向は真逆だったのだけれど……。
でも、彼女の家の大きさや外観などは、遠目だったけれどよく憶えているので、間違いはないだろうと思っている……。
じいじは彼女のことを何一つ知らない……。なので、一緒に彼女の帰り道をたどりながら、あれこれと話をしたのじゃないかと思う……。
でも、誠に申し訳がないのだけれど、その内容については全く憶えてはいない……。
そして、彼女の家の傍辺りまで送って行って、そこで分かれて、じいじは自分の家へと帰ってきたというわけなのだ……。
ただ、彼女との思い出は、その一回限りだった……。
じいじは、特に思うところはなかったけれど……。でも、嫌うようなこともなかった……。
しかし、彼女のほうがじいじに対して、思い違いだとか、勘違いだとかについて、気が付いたところがあったのかもしれないけれどね……。
まあ、じいじとしても、けっこう情けないのかな……とも思うので、追及はそれくらいにしておいてもらえると嬉しいのだけれど……。
でも、彼女のほうがじいじのことを見限ってしまったのだ……というようなことでは、間違ってもないだろうということを、じいじは祈っておきたいかなあ……と、いまは思っているよ……。
だから結局、その彼女とじいじは、ある時……たまたま……すれ違った……ということになるのだろうかなあ……と、じいじは考えようとしているのだけれどね……。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




