二千四百六十九夜、ばあばの社会人生活 94 ばあば就職する 94 印刷会社 67
今日は、ばあばの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、ばあばがまだ若かった頃のお話をしようかねえ。
ばあばが就職をした頃のことだけれど……。
──最後にばあばは、ドラムについている印画紙の止め金具を外して、印画紙を取り外した。
そして、小さな印画紙をつまみ持ったままで、Iさんに声を掛ける……。
「……現像をする準備ができましたが、印画紙を現像液に浸けてもいいですか……。」
「……はい、じゃあ……印画紙全体が均等に現像液の中に浸かるように、思い切って一気に浸けてしまってくださいね……。
怖がっていたりして、現像液の中に印画紙を一気に浸けることができないと、現像がまだら模様になってしまうかもしれませんから……。
そうなるとその印画紙のお仕事はすべてやり直し……ということになってしまいます……。
そうなってしまうのが、ここでは一番よくないので……。現像の際の印画紙の取り扱いは、恐る恐る取り扱うということは、最もダメな取り扱いですからね……。
それだけを気を付けて……では、一気にいきましょうか……。」
ばあばは、現像液が入っている現像バットの中に、印画紙を裏返しのまま……液面に印画紙の感光した面を直接ひたす形に、さっと浸けた……。
そしてすぐに、現像バットに付属している、現像専用の竹ピンセットの先についている、ゴムカバーの部分で印画紙全体が現像液の中に浸かってしまうように、真ん中あたりから端に向かって、上から押さえ込んでいく……。
印画紙のすべてが現像液の中に浸かったのを確認してから、今度は印画紙の端を竹ピンセットでつまんで、表が見えるようにひっくり返した……。
ばあばは、この手順にあまり自信がなかった……。なので、Iさんの顔をちらちらと見ながらの作業だった……。
……けれど、幸いなことに、ばあばの手順は間違ってはいなかったのだろうか……Iさんからは何も言われなかった……。
「……では、印画紙が現像液の中に全体が沈んでいるようにしながら、現像濃度管理のテスト印字の部分が現像されて浮き上がってくるのを見逃さないようにしていましょう……。
……見ているとわかるように、①から順番に浮き上がってきます……。
……⑤が見えるようになって、⑥が見えるか見えないかくらいにぼんやりとしてきたら、現像が終了です。
印画紙を現像バットからさっと引き上げて、停止液の中へ現像と同じように浸けてください……。」
ばあばは、印画紙を現像専用の竹ピンセットでつまんで、そのまますぐに印画紙を停止液の中に浸け込んだ……。
【注】実際の現像濃度管理用のテスト印字は、■の中に白抜きの数字が入っています。1から10に向かって順番に、露光が少なくなるように作られています。誤解のないようにしてくださいね……。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




