制裁の時
「さて、そろそろ売り時か」
カネナリカンパニー。
ベルファスクの一等地のビルで、新聞を読んで商機を伺うカネナリ社長。
記事には戦争が優勢に進んでいるという内容と、食料の備蓄は十分にあると記されている。
社長の机にある電話を使い、部下に指示を下す。
「そろそろ手じまいだ、今の備蓄品をすべて売り払え」
「承知いたしました」
数時間後、営業担当のブデ部長が自慢の高級車を走らせる。
目的地は大陸西部にあるカクヨウ県。
大陸を分けるテンカン山とトーセイ海峡を越えた先にある豪雨災害の被災地であり、ランデル国の領土ではあるが、歴史上の背景から独自の文化を持つ。
「さて、いくらになりますかね」
災害で食料が不足している被災地の県庁へ赴く。
四時間後、交渉を終えたブデは契約書を片手に上機嫌で県庁のエントランスを出る。
契約書には相場の何倍もの値段で買い取る旨が書かれた文書と県令の印。
来た時と同じ高級車に乗り、豪雨の被災地の道路を走る。
窓からは豪雨で流された田畑や家を失った人々の姿が見える。
「いいですねぇ、金の匂いがプンプンしますよ」
建築や土地ころがし…被災地を利用した次々とビジネスのプランがブデの頭に浮かんでくる。
翌日、宿泊した一流ホテルを出たブデは本社へと戻る。
「お喜びください、無事に契約を取ってきましたよ」
契約書を喜々として広げ、報告するブデ。
「よくやった、ボーナスをはずんでやろう」
「ありがとうございます」
ボーナスに喜ぶブデ。
直後、協力会社の社長であるゴーマンが社長室に訪れる。
「どうやら、上手く行ったようですね」
「これはこれはゴーマン様、御足労ありがとうございます」
立ち上がり、買取を担当したゴーマンにへつらうように頭を下げるカネナリ。
「さて、ここでも何です、予約した一流のレストランで次のプランを話し合いましょうか」
「それはそれは、ぜひとも」
ゴーマンを先頭にエントランスへと降りて出発するゆく一行。
その間隙を縫う形で、ギオを先頭にラグーンの構成員が本社へと突入する。
「な、何ですかあなた達は!?」
困惑する社員たちを牽制するべく、ケスタは天井に向かって拳銃を発砲する。
「全員動くな!」
戦慄する社員たちを銃を突き付けて部屋に軟禁すると、構成員たちは社内の書類をかき集めていく。




