制裁
「Mr.ギオ。これはどういうことですかな?」
夜のベルファスク。
レストランを出たゴーマンたちは、前に立ちはだかるギオとその部下たちにふてぶてしく問いかける。
周囲にいた人たちは物々しい気配を感じ、慌てて避難する。
「ルールを破った違反者を制裁しに来た」
煙草にオイルライターで火をつけ、淡々と返す。
「何のことですかな?我々の行った取引はすべて合法のはず。
誰が、何を、いくらで取引しようと、それは売り手と買い手の問題です。
部外者が、出しゃばらないでくれますか?」
拳銃を取り出して、威嚇するゴーマン。
その顔には青筋が立っている。
対するギオは、咥えたタバコを携帯灰皿にしまって消火すると、泰然と立つ。
「抜いたからには覚悟を決めろ、銃は脅しの道具じゃねぇ」
直後、一発の銃声が夜の街に響く。
「がっ!」
どこからともなく放たれた一発のライフル弾がゴーマンの腕を撃ち抜く。
同時にゴーマンの拳銃が落ちる。
「確かにアンタの仕事は合法だ。表ではな。
いいことを教えてやる。
この国の裏の世界では俺が法律だ。
アンタがどんな理屈をこねようと、無駄だ」
「クソが…」
ゴーマンの額に突き付けられるギオの拳銃。
「ま、待ってくれ金ならいくらでも払う、いっ命だけは!」
両手を上げながら命乞いをするカネナリとブデも、ギオの部下に拘束される。
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「以上が、報告だ」
来週の朝。
要塞地下で食事をとりながら、一連の顛末を伝える。
「それで、結局どうされたので?」
「生かしてある。
ちょうど人手が欲しかったからな」
ハッバの問いに淡々とギオは答える。
「今頃は、山の向こうで重労働だ。
まあ、運動不足の奴らにはちょうどいい。
ケスタ、次はアンタの報告を聞かせて貰おうか」
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カクヨウ県。
豪雨被災地。
「やれやれ、まさかこうなるとは…」
日光を浴びながら、営業部長だったブデとカネナリは作業着姿でがれきの撤去作業に勤しむ。
大きな体つきにふさわしい怪力で、三人がかりで運べる大岩や土嚢を軽々と運ぶ。
「二人ともお疲れ様です、よかったらこれをどうぞ」
小休憩をとる二人に、一人の女性がおにぎりを差し出す。
枝分かれをした角と青い尻尾の生えた、クリカラと名乗る赤青のオッドアイの女性。
「おう、ありがとな」
受け取ったおにぎりを食べると、再び作業に向かう。
「社長、以前より活き活きしてますね」
「こっちの方が俺にはあってるかもしれん」




