買い叩き
「これが、今用意できる分です」
地方にある小規模な農場。
そこに、件の買い取り業者が取引を進める。
「少ないですねぇ」
不満を漏らすゴーマン社長。
「まあ、いいでしょう。
では金は後日に口座に振り込んでおきますよ」
「あ、あの…」
「なんですかな?私は忙しいんですけどねぇ」
「その、本当なんでしょうか?政府が食料を買い叩こうとしているというのは…」
「本当ですとも、私の情報網を見くびらないで頂きたい」
「し、失礼しました、よ、よろしくお願いします」
無理やり会話を終わらせて買い叩いた農作物を積み込むと、ゴーマンは助手席に乗り込み、そのまま去ってゆく。
「根も葉もない噂を信じるなんて、馬鹿な奴らですねぇ。
馬鹿は馬鹿らしく、せいぜい私たちの財布を温め続けてください。
ヒヒヒ」
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「以上が、調査報告です」
大統領府から帰還して一週間後、本拠地で食事中のギオたちの下にケスタを通して内務省からの調査報告が渡される。
「大小様々あるが、特にたちが悪いのはこれか」
『ゴーマンカンパニー』
『カネナリコーポレーション』
リストの上二つに記された、企業。
運輸と販売を行う企業であり、食料品に限らず娯楽品や部品などの様々な商品を取り扱っている。
「とんでもない企業ですね」
食膳のコーヒーを片手にリストに目を通すハッバ。
「明日、政府はうわさを否定する発表を行う予定だ。
だが、それだけでこの問題が終息するとは思っていない」
「むしろ、政府の陰謀だと考えて拍車をかけることになる可能性もあります」
「なら、直接乗り込んで制裁しますか?」
「ケスタ、人手が足りない部署はあるか?
今月中に充足させる」
「豪雨の被災地の復興に作業員が欲しいですね。
良さそうな土地を安く抑えられましたので」




