国家安全保障問題担当大統領補佐官ペルーダ
「良かったのですか?割高で取引して?」
道中、後部座席のケスタが右に座るギオに対して取引について尋ねる。
車内のテーブルにはパンとぶどうジュース。
「今は無根拠な噂をどうにかするのが先だ。
それに、悪徳業者に買い叩かれるくらいなら、俺たちが買い上げたほうが遥かにいい」
「左様で」
食事をとりながら、一月の晩夏の高速道路を進む。
海の上に架けられたアスファルトの道路。
追い越し車線を食料などの軍需品を積んだ軍用トラックが次々と通過してゆく。
「…戦争について、妹から何か聞いているか?」
「今のところは何も…」
ケスタの妹である、ペルーダ国家安全保障問題担当大統領補佐官。
兄を通して国家の情報をラグーンに流すことで、裏社会の舵取りを円滑にしている。
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首都ベルファスク、大統領府。
宮殿のような建物の前に、ギオ達が下車する。
表向きは大統領の政治活動を支える大口のスポンサーとして、入場する。
「ボディチェック失礼します」
黒スーツとサングラスの護衛官による身体検査を終え、ペルーダのいる西棟へ進む。
「こちらでお待ちください」
応接室に通されると、五分ほどしてペルーダが書類を抱えてやってくる。
白の竜人。
絹のような毛並みの尻尾が生えており、白いネクタイが照明に輝く。
「非常時で忙しいため、失礼ですが食事をとりながら進めさせていただきます」
大統領の側近に似つかわしくない簡素な食事。
片手で持てる携行食を食べ進めながら、会議を進める。
「現在、戦況自体は順調に進んでいます。
現地の協力者を確保し、現在は首都攻撃ないし終戦交渉の準備を進めております」
「なら、この状況もすぐに終息するのか?」
「それは、わかりません」
ケスタの問いに、表情を曇らせるペルーダ。
「介入当初、海軍航空隊は奇襲を行い、敵艦隊を壊滅させましたが、その中に相手国との友好国の艦隊が含まれていました。
もし、相手国がこちらに宣戦を布告すれば、それこそ国家…いえ、大陸規模の総力戦になるでしょう」
「・・・・・」
静まり返る応接室。
ペルーダがクッキーをかじるポリポリという音だけが静かに響く。




