表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移したら、地球を所有してました  作者: りどみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
49/54

地球Side刑事

 北海道、鮮魚市場の防犯カメラ。

 田中愛子は店内をゆっくりと見て回り、カニやホタテ、鮭など海産物を次々と買い物カートへ入れていく。

 その量は、やはり異常に多い。上下のカゴに溢れんばかり。


 会計を終えると、田中愛子は袋詰めした複数の袋をカートに乗せ人気のない物陰へ。

 その先は、石垣島で見た映像と同じだった。


 白い光と共に姿は跡形もなく消え、数十秒後再び白い光と共に現れ追加の買い物をする。

 同じ現象は福岡県でも確認された。

 駅構内の土産店で豚骨ラーメンの箱を次々と購入。


 山梨県では高級果物専門店。シャインマスカット、桃、巨峰、さくらんぼ。贈答用として並ぶ高級フルーツが、次々と台車へ積み上げられていく。


 会議室には重苦しい空気が流れていた。

 解析担当は最後の映像を映し出した。


「これが、通信記録で確認できた最後の映像です」


 大型モニターに映し出されたのは、山梨県郊外の業務スーパー。そこで焼肉のタレをケース単位で次々とカートへ積み込んでいく田中愛子。

 上下二段のカゴは、焼肉のタレで埋め尽くされていた。


「……巨人とバーベキューでもするんですかね」

 













 大型モニターには、田中愛子を正面から捉えた映像が停止したまま映し出されている。やがて黒崎が静かに口を開いた。


「今回、はっきりしたことが幾つかあるな」


 会議室中の視線が黒崎へ集まる。


「田中愛子は、自らの意思でこの何らかの能力を使用しているという事だ」


 誰も口を挟まない。


「消える場所も、戻るタイミングも一定だ。迷いも戸惑いもない。意図的に能力を使っている人間の動きだ」


 張り詰めた空気が流れる。


「次に、購入した物品を置く拠点が存在するであろう点だ。住んでいたアパートは既に解約されている。唯一の血縁者である叔母とも関係は良好とは言えず、連絡している形跡もない」


 黒崎は資料を机へ置いた。


「我々警察が把握していない活動拠点があるんだろう」

 

 黒崎はリモコンを操作し、各地の防犯カメラ映像を並べて表示した。


「最も気がかりなのは田中愛子が、防犯カメラを気にしていないということだ」


 会議室に静かな緊張が走る。


「いずれの場所でも、防犯カメラが設置されている店舗を利用している」


 映像には、店内を歩き回り、商品を選び、レジで会計を済ませる田中愛子の姿が映っている。


「防犯カメラがある事は分かっているはずだ。だが帽子やマスクで顔を隠そうともしていない。カメラの位置を確認する素振りもない。映像に映ることを避ける行動が、一切見られない」


 黒崎は腕を組んだ。


「自分は捕まらないと考えている……?」


 誰かが小さく呟く。

 黒崎は静かに頷いた。


「その可能性は高い。防犯カメラに映ったところで、我々が現場へ到着する前に、姿を消せばいいだけだ」


 誰かが小さく息をのんだ。

 黒崎は机の上に置かれた資料へ視線を落とした。











 もしくは……本人にとって、既にどうでもいいことなのかもしれない。





応援ありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ