「……」
お疲れ様会の翌日。私は再び地球へ来ていた。
目的は、焼肉のタレのレシピを調べるためだ。本屋へ向かい、料理本を何冊か手に取った。
「んーー」
ページをめくる。
焼肉のタレといっても、色々あるもんだ。醤油、砂糖、みりん、にんにく、その他。
そこへ果物を加えるものもあれば、野菜を使うものもある。材料だけでなく、分量や火の入れ方まで違っている。
「醤油にみりんか……」
そこら辺をどうするかなんだよな。調味料に関する本をいくつか買い込んでいく。
所持金は、もうあまり残ってないが構わない。
向こうで生活する分には困っていないし、町の人達と美味しいものを食べれて満足したし。
本屋を出てそのままコンビニへ向かう。スマホの充電が切れたので、簡易的な充電器を買う為だ。
一番近いコンビニに入り、スマホ用品の棚へ 向かおうとし――ふと、入口近くに並んだ新聞が目に入った。
「ん?」
足を止める。
一面に、大きな写真が載っていた。巨大な円形の穴。その上に広がる、白い光。
【巨大発光現象】
【大量の土砂が一瞬で消失】
【政府、緊急記者会見】
「……」
私は新聞を手に取り、記事を追う。身に覚えがありすぎる魔法陣。
新聞には、専門家のコメントが載っている。
【既存の科学では説明困難】
【新たな起源現象の可能性】
「…………」
警察や自衛隊が現場を封鎖。上空の飛行を制限。
さらにページをめくったところで、別の記事が目に入った。
【女性失踪事件 謎の発光現象との関連を捜査】
「あ」
記事の横には、防犯カメラの映像から切り出された写真が載っていた。目元は黒い線で隠されているが、それは間違いなく私だった。
記事を読み進めていくと、警察だけでなく政府も、この女性失踪事件と各地で確認されている発光現象との関連を調べているらしい。
どうやら、私が使った魔法陣は、とんでもない騒ぎを引き起こしてしまったようだ。
小さく息を吐き、新聞から顔を上げる。
……いずれは、ちゃんと説明しないとな。
正直どう説明すればいいのかも、そもそも信じてもらえるかも分からないが。
それでも――自分が原因な以上、これからも知らないふりをするわけにはいかない気がした。
私は新聞を片手に、充電器と共にレジへ向かう。
まだ、どうすればいいのかは分からない。
ただ、地球で起きていることを知ってしまった今。もう、完全に無関係ではいられないのだと気付いた。
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