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異世界転移したら、地球を所有してました。その裏で、地球では大騒動が始まっていた。  作者: りどみ


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13/55

地球Side刑事

 金曜日、午後十時、県警本部の捜査会議室。

 壁一面のモニターには、駅前広場を映した監視カメラの映像が映し出されていた。

 何度見返しても、コマ送りしても結果は同じだ。

 人間がその場から消失していた。


 会議室は重苦しい空気に包まれていた。

「……映像の解析結果は?」

 捜査一課の刑事・黒崎が尋ねる。

「映像の改ざん痕跡はありません。複数方向の防犯カメラでも同じ現象を確認しています」

 鑑識担当が静かに答えた。


 誰も口を開かなかった。

 理解できない。

 しかし、映像は現実を映している。


「被害者の身元は」

 黒崎の問いに、別の刑事が資料をめくる。

「駅周辺の監視カメラをリレー式に追跡しました」

 大型モニターに地図が表示される。


「一つ前の交差点、そのさらに前の商店街、防犯カメラ、コンビニ、ビル入口……と映像を繋いで追跡した結果、勤務先を確認できました」

 画面には、オフィスから出てくる女性の姿。


「会社への問い合わせと住民情報とを照合し、身元を確認」

 資料が配られる。

「氏名、田中愛子。二十五歳、会社員」

 黒崎は資料へ目を落とした。


 顔写真。

 勤務先、自宅。

 携帯番号。

 すべて一致している。


「家族は?」

「両親は幼少期に事故で死亡。兄弟はいません。現在は独身。一人暮らしです」

 黒崎は小さく頷いた。


「携帯電話は」

「消失現場で回収できていません。本人と一緒に消えたものと思われます」

 部屋に再び沈黙が流れる。

 そこへ通信解析担当が口を開いた。


「ただ、一つ収穫があります」

「何だ」

「消失直前まで携帯電話で通話していました」

 黒崎が顔を上げる。

「通信会社へ照会した結果、最後の通話相手を特定しました」

 モニターに電話番号と契約者名が映る。


「通話相手は叔母です。通話時間は約二分。本人が駅へ向かう途中から消失直前まで続いていました」

 別の刑事が腕を組む。

「一一〇番通報者も、『電話をしながら歩いていた女性が突然光って消えた』と証言しています」

 黒崎は資料を閉じた。


「叔母からも事情を聞く」

「すでに捜査員を向かわせています」

「勤務先にも聴取だ。生活状況、人間関係、トラブルの有無を洗え」

「了解」

 会議室が慌ただしく動き始めた。



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