第9話 「お刺身盛り合わせ」「焼き鳥」「ビール」
十二日目・十三日目
アナタは、『メンバーの前で土下座をした』ことがありますか?
◆現実世界「居酒屋」――
「かんぱ~い!」
たもつと、同僚のワルオとタカオは、職場の飲み会に参加していた。
「はぁ~……、この間の『絶食』で、いい感じに健康になったんだけどなぁ……。
レッドたち、怒るかなー?」
いつもなら、飲み会で真っ先に盛り上がるたもつが、なぜかおとなしい。
ワルオとタカオは、訝し気にたもつを見る
「どうしたんだ、たもつ?」
「いつものたもつくんらしくありませんね」
「最近健康志向になってきて、結構節制とかもしてたんだけど……」
「あのたもつくんが?」
「ホントかよ? どうせまた金が無くなって、『ふりかけご飯』になっただけだろ?」
「失礼だな! ちゃんと毎日戦って……」
言ってたもつはハッとして、口を手で抑える
「戦って? 誰と?」
「いや、その、じ、自分と、そう自分と戦ってるんだよ、毎日」
「ふ~ん、あのたもつがねぇ~」
何とかごまかせて、ホッとするたもつ。
「まっ、『飲みにケーション』も立派な仕事だよ、今日は飲もうぜ」
「お、おおう」
店員がお酒と料理を運んでくる
「『お刺身盛り合わせ』と『焼き鳥』、そしてビールおかわりお持ちしましたー」
そして30分後――
「おいおい、どうしたワルオ、タカオ、飲みが足りねぇぞ! ひっく!」
「たもつ、やっと調子が戻ってきたな!」
「それでこそたもつくんです!」
「よ~し、このまま二次会だーーっ!」
飲み会は大いに盛り上がり、たもつはタクシーで帰宅、そのまま就寝した。
○そして夢の中・体内――
「すいませんでしたー」
たもつは、人生で初めての『土下座』を、メンバーの前で披露した
「つ、つい調子に乗っちゃって……」
辛味レッドが、たもつの前に来て話す
「頭を上げてくれたもつくん、私たちは怒っていないよ」
「えっ」
たもつが顔を上げると、メンバー達はやれやれといった感じで、怒ってはいないようだ……
「でも、相当暴飲暴食しちゃったけど」
「確かに暴飲暴食はよろしくない。 でもそれ以上に、たもつくんの『ストレス値』が高めだったのが気になっていた」
「『ストレス値』?」
「ああ、前回の『絶食』で、たもつくんは自分では気づかないほど『ストレス』を感じていたんだ。
『ストレス』が高くなると、いろんな障害や病気に繋がる」
「いろんな障害や病気に……?」
「だから今回の『飲み会』は、いい感じで息抜きになり、『ストレス値』も下がった。 ま、結果オーライだな」
「そうか、俺、そんなにストレス高かったのか」
苦味ブルーもたもつの前に来て話す
「確かに暴飲暴食で、健康状態は少し悪化しましたが、他の日で節制などして取り戻せばいいのです。ようは『バランス』が大事ってことですね」
「ここでも、やっぱり『バランス』が大事なんだな」
「ギョオオウ……」
メンバーの前に、食材モンスターが現れた
名前: マグロソーサラー×2体
レベル:18 HP:90 素早さ:25
名前: アーマーシュリンプ×3体
レベル:19 HP:40 素早さ:15
名前: アーマークラブ×3体
レベル:20 HP:40 素早さ:12
名前: イクラヘクトアイズ×3体
レベル:20 HP:30 素早さ:13
名前: ホタテウォーリア
レベル:13 HP:45 素早さ:20
名前: だいこん役者×3体
レベル:7 HP:5 素早さ:7
名前: しょう油マーメイド
レベル:16 HP:71 素早さ:12
名前: わさび仙人
レベル:8 HP:5 素早さ:10
名前: チキンホーク×10体
レベル:18 HP:40 素早さ:18
名前: リキュールビースト×2
レベル:30 HP:200 素早さ:55
「うおっ、さすがに凄い数……」
「全ては倒せないかもしれないが、できるだけ数を減らそう、みんな行くぞ!」
「おう!」
全員で食材モンスターと戦う!
◆そして次の日・現実世界――
たもつは、起きてすぐある場所へ……そこは『サイクリングショップ』。
ピカピカで真っ白な自転車と、ヘルメットを購入。
そのまま職場へ向かって漕ぎだす
チリン、チリ~ン
「よ~し、昨日の『暴飲暴食』分を取り返すぞ~」
40分後――
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……
さ、さすがにこの距離は、キツい……こんなに長く自転車を漕いだのは初めてかもしれない」
たもつは息も絶え絶え、職場に入る
「おはよう、お? たもつどうしたんだ、そのヘルメット?」
「今日から自転車で通勤することにしたんだ」
「えっ、お前の家からここまで、結構な距離じゃねぇか?」
「ああ、40分もかかったよ、キツかった。でも健康のためだ、俺頑張るよ」
タカオが、ワルオのそばに来て、
「ワルオくんも、そろそろ本気で考えないと、ヤバいんじゃないですか?」
プニプニプニ……
「タカオ、オレのお腹のぜい肉をつまむんじゃないっ!」
○その日の夜――
たもつは就寝して、夢の中へ――
「みんなお待たせ」
「たもつくん、いったいどうしたんだ? 少し悪くなっていた健康状態が、今日は改善されているぞ」
「実は、片道40分かけて、自転車通勤に切り替えたんだ。
家を出る前に『プロテイン』も飲んだし、これで『暴飲暴食』もチャラだな」
旨味グリーンが、感心しながら話しかける
「やりますねたもつくん、30分以上の自転車通勤は『有酸素運動』、筋トレには最適です。
しかも『プロテイン』はたんぱく質そのもの、これは中ボスの『たんぱく鳥』の出現が近いかもしれません」
「マジで? やったね」
たもつとメンバーが、和気あいあいと話していると、突然突風が吹き荒れる!
「うわっ」
見上げるとそこには、紫色のスーツを着た女性のヒーローが立っている
「だ、誰だ!?」
「お前たちに悪玉キングさまの居場所を突き止めさせるわけにはいかない……
私は悪玉キングさまの幹部の一人、『毒味クイーン』」
「ど、『毒味クイーン』!?」
◇今回の献立
「刺身盛り合わせと焼き鳥とビール」(総カロリー: 約1446)
マグロソーサラー(90)×2
アーマーシュリンプ(40)×3
アーマークラブ(40)×3
イクラヘクトアイズ(30)×3
ホタテウォーリア(45)
だいこん役者(5)×3
しょう油マーメイド(71)
わさび仙人(5)
チキンホーク(40)×10
リキュールビースト(200)×2
◇今回の健康カルテ
体重: 64キロ→65キロ
BMI: 21・9→22・2
血圧: 140/85
中性脂肪: 203→205
LDL: 167
HDL: 34
尿酸値: 7・7→7・8
γ-GTP: 185→195
血糖値: 135
ストレスレベル: やや高め→標準




