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第5話 「自炊・肉入り野菜炒め」

 八日目・九日目


 アナタは、『自炊に挑戦』したことがありますか?


 ◆キーンコーンカーンコーン

 終礼のチャイムが鳴る。


 同僚とワルオとタカオが、たもつに話しかける

「たもつ、帰り居酒屋よってこうぜ」

「悪い、今日ちょっと寄っていくとこがあるんだ」


 たもつが帰りに寄っていったのは、近くの『スーパー』だった。

(昨日の夢の中で、旨味グリーンに『コンビニ弁当ばかりでは、最高の力は出せない』って言われた……

 外食やお弁当は、総じて味が濃い目で、それに慣れると濃い味しか食べられなくなる。

 しかも好きなメニューばかり頼むから、結局栄養が偏り、健康にはよくない。

 前の戦闘で、食事は『バランスが大事』ってわかったし、今回は自炊に挑戦だ!)


 自宅に帰ると、早速たもつは調理に取り掛かる。

「今は『スマホ』という便利アイテムがあるからな。

 いくら俺でも、これを見ながらなら作れるはずだ」


 たもつはスマホを近くに置き、動画を流す。

「フムフム、まずは野菜類を一口大に切る、か」

 ザクッザクッ!


「玉ねぎ、キャベツ、ピーマンと人参は……まあいらないか、

 熱したフライパンにサラダ油を入れ、切った野菜を炒めるっと」

 ジャー、ジャー……


「そして『豚バラ肉』投入!」

 ジュゥゥ……


「塩とコショウを入れて……」

 バサッバサッ


「しょう油も少々……」

 ドバドバドバ……


「お皿に盛りつけて、ケチャップとマヨネーズ!」

 ドボボボボ……


「さらに追い塩と追いコショウと追いしょう油!」

 バサッバサッ、ドバドバ……


「『肉入り野菜炒め』完成! うん、いい感じ、俺やればできるじゃん!」

 たもつは、完成した『肉入り野菜炒め』と、白米、みそ汁をテーブルに並べる

「いただきまーす」


 パクっ

「う……不味い……」

 その味は、今まで食べたことがない、ひどい味付けだった

「おかしいな、動画の通りに作ったんだけど」

 たもつはとりあえず我慢して全部食べ、そのまま就寝した……


 ○夢の中――

 デリシャスファイブのメンバーが、全員倒れている

「えー、また?」


 辛味レッドが、震える手を差し伸べて、震える声でたもつに話す

「たもつくん、今回はさらに酷い……全員『麻痺』の状態異常にかかった」

「ま、『麻痺』? 一体何で?」


 旨味グリーンも、震える声で話す

「ち、『調味料』です……

 調味料の使い過ぎで、味覚が麻痺すると、ワタクシたちも麻痺してしまうのです」

「『調味料』の使い過ぎ? ……あっ」

 たもつには思い当たる節があった、確かに、少し入れ過ぎたかもしれない……


「みんなゴメン、自炊したんだけど、『目分量』ってのがよくわからなくて……」

「それより、たもつくん、ここは危険だ……早く、避難を……」


 たもつが振り返ると、そこには擬人化したモンスターたちが。


 名前: ポォークキング×2体

  レベル:20 HP:100 素早さ:15


 名前: コメットマン×3体

  レベル:18 HP:100 素早さ:30


 名前: キャベツ小僧×3体

  レベル:10 HP:11 素早さ:8


 名前: 玉ねぎ子爵×3体

  レベル:10 HP:10 素早さ:9


 名前: マヨネーズリザード

  レベル:15 HP:84 素早さ:10


 名前: ミニトマトン×3体

  レベル:8 HP:3 素早さ:3


 名前: しょう油マーメイド

  レベル:16 HP:71 素早さ:12


 名前: みそスライム

  レベル:10 HP:40 素早さ:7



「うおっ!? この数を、メンバー抜きで……?」

 周りを見渡すが、『ブラック』がいる気配はない。

(このままメンバーを置き去りにするわけにはいかない)


 ズシン、ズシン……

 ポォークキングが近づいてくる。


 覚悟を決めて、装備を構えるたもつ。

「ポォークキングは動きが遅い、攻撃を避けて、後ろに回り込めば……」

 その時――


 ブワァァーーッ!

 マヨネーズリザードのブレス攻撃!

 たもつはダメージこそないものの、マヨネーズまみれになり、動きが遅くなった。

「しまった!」


 動きが制限されたたもつに、ポォークキングの棍棒が振り下ろされる!

「くっ……」


 ボヨ~ンっ

 たもつの目の前に、巨大な影が。

「だ、醍醐味くん!?」

「大丈夫たい? たもつどん」


 醍醐味くんと薬味ちゃんが、助けに来てくれた!

 醍醐味くんは体が何倍も大きくなっており、ポォークキングの攻撃を受けても、跳ね返している。


「醍醐味くんは、体を大きくして、攻撃を吸収することができるんです」

 薬味ちゃんが、メンバーを回復しながら教えてくれた。


「よし、今回は非常事態だ、レベルの低い敵だけを『消化』して、あとは防戦に回ろう」

 多少回復した辛味レッドが提案

「了解!」


 全員、無理はせず、倒せる敵だけ倒す作戦に。

「みんなゴメン、俺の自炊料理のせいで……」

「気にすることはありません、今回で、調味料の使い過ぎには注意というのがわかったのですから」

 旨味グリーンがフォロー。


(やっぱり『ブラック』は味方じゃないのかもしれない。

 俺たちのピンチに現れなかった……でも俺たちには、薬味ちゃんと醍醐味くんがいる、大丈夫だ)



 ◆次の日――

 たもつは実家に電話をした。

 プルル、プルル、ガチャ

「あ、母ちゃん? 俺だよ、たもつだよ、久しぶり。 ああ、元気でやってるよ」


 たもつは、母親や父親が元気なのを確認すると、

「ちょっと聞きたいんだけどさ、調味料をあんまり使わない調理方法を教えて。

 えっ、そうだよ、少しは自炊しようと思って……『気持ち悪っ』って言うなよ!」


 たもつは、電話の会話をメモする

「ふむふむ、砂糖の代わりにみりんを、塩の代わりに出汁を使う、か……」


 次こそは、と張り切るたもつだった。



 ◇今回の献立

 「自炊・肉入り野菜炒め」(総カロリー: 約767)

  ポォークキング(80)×2

  コメットマン(100)×3

  キャベツ小僧(11)×3

  玉ねぎ子爵(10)×3

  マヨネーズリザード(84)

  ミニトマトン(3)×3

  しょう油マーメイド(71)

  みそスライム(40)


 ◇今回の健康カルテ

  体重: 66キロ

  BMI: 22・6

  血圧: 145/95→150/100

  中性脂肪: 205

  LDL: 170

  HDL: 35

  尿酸値: 7・8

  γ-GTP: 185

  血糖値: 135

  ストレスレベル: やや高め→標準


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