第3話 「チェーン店の牛丼(並)」
四日目・五日目
アナタは、『禁煙を試みたこと』がありますか?
◆たもつは仕事中、昨日の夢の中でのことを思い出していた……
○戦闘終了後、辛味レッドが、甘味ピンクに話しかける
「ピンク、マスクにヒビが入っている、醍醐味くんに修理してもらうといい」
「え、ホント?」
甘味ピンクはマスクをとる。
すると、その素顔は、たもつ好みの美少女だった!
「はぁ~~……」
たもつが呆けていると、ピンクがそれに気づく。
「あら~? たもつくん、ひょっとしてアタシに惚れちゃった?
でも残念、アタシ、『イケメン好き』なのよね~」
我に返ったたもつ、すぐさま反論。
「べ、別に惚れてなんかいないし……
それに男はな、顔じゃない、『心意気』だ!」
「ふ~ん、『心意気』、ねぇ~
まるでイケメンじゃない人の言い訳みたい」
「うるさいなー、ほっといてくれよ」
◆現実のたもつ
「くそ~、ピンクの奴、ちょっと可愛いからっていい気になって……」
たもつの後ろから、「タカオ」と「ワルオ」が近づく。
「たもつ、会社の近くに新しい『牛丼のチェーン店』ができたんだって。帰り食べに行こうぜ」
「あ、ああ」
三人は仕事帰りに、新しくできた「牛丼のチェーン店」に寄っていった。
「いらっしゃいませ~」
「ご注文は?」
たもつは、メニューを見ながら頭の中で考える。
(いつもの俺なら、「チーズ牛丼大盛、汁だく、温玉のせ」だけど……ピンクの奴に、俺の『心意気』を見せてやる)
「牛丼並盛、漬物つきで」
「えっ」
「どうしたんだお前、いつもは大盛、汁だくなのに」
「ま、まあちょっと思うとこがあって、ナハハ」
三人は牛丼を食べ終わる、すると「ワルオ」が、
「たもつ、一服して来ようぜ」
「お、おう」
二人は喫煙室へ。
実はたもつは、常用的にタバコを吸っていた。
昔何度も禁煙に挑戦したが、そのたびに失敗し、今ではもう諦めていた。
「ふ~、やっぱり食後の一服はやめられないな~」
「オレなんて、寝起きに一服しないと、目が開かねぇもん」
「それわかる~」
三人とも帰宅し、たもつも家で就寝する。
○夢の中ーー
たもつが目を開けると、『胃袋』の中だけど、いつもと様子が違う……?
「みんな、どうしたんだ!?」
デリシャスファイブのメンバー全員が、状態異常にかかり倒れている。
辛味レッドと旨味グリーンが、苦しそうにたもつに語りかける。
「たもつくん、タバコを、吸ったな……」
「おかげでワタクシたちは、『毒』の状態異常に……」
「えっ、タバコを吸うと、メンバー全員、『毒』状態になるの!?」
目の前には、擬人化したモンスターが。
名前: ビーフタウロス×3体
レベル: 21
HP: 100
MP: 40
力: 90
賢さ: 35
体力: 75
素早さ: 35
名前: コメットマン×3体
レベル: 18
HP: 100
MP: 90
力: 40
賢さ: 100
体力: 40
素早さ: 30
名前: 玉ねぎ子爵×4体
レベル: 10
HP: 10
MP: 5
力: 3
賢さ: 7
体力: 7
素早さ: 9
「うう、これを俺一人で倒すのは、キツすぎる……」
「逃げろ、たもつくん」
「で、でも……」
「ンモーーッ!」
ビーフタウロスの攻撃!
「ヤバいっ!」
ドカーーンッ
「キャーーッ!」
「ピ、ピンクッ!?」
たもつをかばい、ピンクがやられてしまう。
「大丈夫か、ピンク!」
「アタシは大丈夫、たもつくん、逃げて……」
「こんな状況で逃げられるかよ! ここで『心意気』を見せなくて、どうするんだ!」
たもつは覚悟を決めて、戦闘態勢に。
「これ以上俺の仲間を傷つけさせてたまるか! お前の相手は俺だ! かかってこい!」
「ンモォォーーーーッ!」
ビーフタウロスの棍棒が、たもつに振り下ろされる!
「……ッ!」
シャキーーンッ!
一瞬だった。
ビーフタウロスの持っていた大斧が、まるでキャベツの千切りのようにバラバラに……
たもつが横を見ると、そこには真っ黒なスーツを着た、イケメンのヒーローが。
「ン、ンモォ……」
明らかに、ビーフタウロスがビビっているのがわかる。
「お前たちは目障りだ、消えろ」
パパパパパパーーーーッ
言ったかと思うと、その黒い男は、巨大な漆黒の『鎌』で、ビーフタウロスとコメットマンたちをすべて切り刻んだ!
「す、凄い……」
たもつは、ただただあっけにとられる。
「この程度の敵に遅れをとるとは、情けない……」
「キミはいったい?」
「オレの名は『雑味ブラック』……周りからは『死神』と呼ばれている」
「し、死神……?」
そう言うとブラックは、もの凄いスピードで消え去っていった。
「た、助かった、のか?」
その後、連絡を受けた薬味ちゃんがかけつけ、メンバー全員を回復。
横になりながら、薬味ちゃんの回復を受ける甘味ピンク、そこにたもつが。
「ゴメン、俺のせいで……」
甘味ピンクは、小さなため息を一つついて、
「男は『心意気』なんでしょ? だったら証明してみせて。 期待しているわよ」
たもつは、ピンクに覚悟を決めた顔をみせる。
◆次の日――
起きてすぐたもつは、ある場所へ向かう
近くの『呼吸器科病院』へ入り、たもつが向かった先には『禁煙外来』の文字が。
「次の方どうぞ」
看護師さんに呼ばれ、たもつは診察室へ。
「禁煙ですね? 今はだいたい一日何本程度……」
たもつは涙目で先生に訴える。
「お願いします、俺を禁煙させて下さい……彼女の笑顔が見たいんです!」
「はあ?」
◇今回の献立
「チェーン店の牛丼(並)」(総カロリー: 約700)
ビーフタウロス(100)×3
コメットマン(100)×3
タレ(30)×2
玉ねぎ子爵(10)×4
◇今回の健康カルテ
体重: 67キロ→66キロ
BMI: 22・9→22・6
血圧: 145/95
中性脂肪: 205
LDL: 175
HDL: 35
尿酸値: 7・8
γ-GTP: 185
血糖値: 135
ストレスレベル: 標準→やや高め




