第29話 「胃袋・暗黒たんぱく鳥」
アナタは『鳥にしがみついた』ことがありますか?
ガチャ、ギイィィ
たもつとメンバーは、『胃袋』の扉を開ける
『胃袋』……
食物を蓄え、消化する器官
口から入った食物を胃液と混ぜ合わせ、消化しやすいドロドロの状態にして腸へ送る
「『胃袋』、以前から何度も来てるけど、こんなに広かったっけ?」
胃袋は、今までの戦いでも何度か訪れたことがある
広い空間に、下には『胃液の湖』が広がっている
「たもつくん、以前はあまり触れませんでしたが、この『胃液』は、食物を消化するための消化液。
非常に強い酸性を持ち、食物を細かく分解するとともに、侵入した細菌やウイルスを殺菌する役割もあります」
またもやグリーンの説明
「そんなに強力なんだ」
「はい。
なので、ストレスや食べ過ぎで『胃酸過多』になって胸やけを起こしたり、
食べてすぐ横になると、胃酸が食道へ逆流し、『逆流性食道炎』になったりします」
「あちゃ~、ゴメン、俺ご飯食べたらすぐ横になっちゃってたかも。
その後よく胸やけになってたのは、そのせいか……」
バサッバサッバサッ
「クエーーーーッ!」
まるで『胃袋』中に響き渡るような叫び声に、全員空中を見る
「あれは、『たんぱく鳥』か!?」
「目が真っ赤で、紫色のオーラが立ち昇っている……間違いなく『毒気』に当てられているな」
名前: 暗黒たんぱく鳥
レベル: 256
HP: 115000
MP: 97000
力: 66000
賢さ: 80000
体力: 46000
素早さ: 74000
「『暗黒たんぱく鳥』か……」
「警戒してなのか、まったく降りてくる気配がない。
以前の記憶もしっかり残っているようだな」
バサッバサッバサッ
「クエックエックエーーッ!」
暗黒たんぱく鳥は、その巨大な翼を大きく広げた
ババババババーーッ
「『フェザーバレット』だ!」
「オイラに任せて、『大盾』!」
ドシンッ
カカカカカッ
無数の羽根の弾丸を、『大盾』で防ぐ
「今度はこちらの番です、『ストロー』+『フォーク』、『ライフル』!」
ブルーはハイブリッドウェポンの『ライフル』を作り、構える
「くらえ、『ビターライフルショット』!」
レッドも大太刀を作り、構える
「見よう見まね、『かまいたち』!」
バシューーンッ
ライフルの弾丸と、『かまいたち』の真空の刃が、暗黒たんぱく鳥に向かって飛んでいく
ガインッ
「なにっ!?」
二人の攻撃は、暗黒たんぱく鳥の前に張ってある、紫色の壁に阻まれた
「あれは、毒味クイーンの『トキシックウォール』!?」
「なんだって!?」
「クエーッケケケ!」
暗黒たんぱく鳥が、まるでメンバーとたもつをあざ笑うかのように、奇声を上げる
「毒味クイーンのやつ、なんてものを暗黒たんぱく鳥につけやがったんだ……」
「ずっと空中にいて、あんな壁まで張られたら、こちらの攻撃はほとんど通用しないですよ」
ヒイィィン……
「マズい、『超音波』がくるぞ!」
「『おはしソード』+『ストロー』、『メガホン』!」
ブルーはハイブリッドウェポンの『メガホン』を作った
「キャアアアァァァーーーーッ!」
「わあああーーーーーーっ!」
耳をつんざくほどの轟音が響く
「『超音波』は、メガホンで相殺しました」
「ナイスだ、ブルー」
バサッバサッバサッ
「クエーーーーッ!」
「くそっ、余裕だな」
「このままではジリ貧ですね」
その時、ずっと考え事をしていたたもつが、口を開く
「要はさ、暗黒たんぱく鳥を捕まえて、胃液の中に落とせば、あの壁も無くなるかな?」
「それはそうだが、でも一体どうやって?」
「俺に考えがある、『スプーン』と『フォーク』を貸して」
メンバーは、たもつに『スプーン』と『フォーク』を渡す
「俺がなんとかするから、みんなはちょっとの間、暗黒たんぱく鳥の注意を引いておいて」
「注意を引いておく?」
そう言って、たもつは『胃液の湖』の淵を走り出す
「注意を引く、か。 一体どうやれば……」
「なにか『変』なことをして、注目を集めればいいんじゃない?」
「『変』なこと!?」
ピンクの説明に、レッドは戸惑うばかり
「ではまずはワタクシが。 『グルタミンスプラッシュ』!」
グリーンはまるで『水芸』のように、自分の手の平や頭の上から、旨味成分を吹きださせた
「ほ~らほ~ら、どうですか~?」
チーーン……
暗黒たんぱく鳥の頭には、『はてな』の文字が浮かんでいる……
自信を無くしたグリーンがしゃがみ込み、それを他のメンバーが慰めている
「グリーンの仇は、ボクが討つよ! ハイブリッドウェポン、『天弓』!」
ブルーが『天弓』を作り、構える
矢の先には、イエローが、頭にリンゴを乗せて立っている
バシューーンッ
バスッ
矢は見事リンゴに命中!
「やった! どう、どう?」
チーーン……
暗黒たんぱく鳥は、飛びながら鼻をほじっている
「どうせボクなんて……」
自信を無くしたブルーがしゃがみ込み、それをまた他のメンバーが慰めている
「やはりここは、リーダーである私の出番のようだな。 実は私の特技は『カラオケ』なのだ」
レッドが、『メガホン』を持って、歌いだす
「真っ赤な~♪ 炎の~♪ 心で~♪ ……」
全部歌い切り、暗黒たんぱく鳥を見る
チーーン……
暗黒たんぱく鳥は、飛びながら尻尾や翼を毛づくろいしている
自信を無くしたレッドを、また他のメンバーが慰める
その時、湖の淵を走りながら、暗黒たんぱく鳥の後ろに回り込んだたもつが、『ナイフ』と『フォーク』を合わせる
「ハイブリッドウェポン、『ロッド』!」
たもつは、長い棒のような『ロッド』を構える
「伸びろ、『ロッド』!」
ビヨ~~ン
たもつが叫ぶと、『ロッド』は5メートルぐらいの長さまで伸びる
「俺は、学校の成績はすべて平均の『3』だった……モチロン体育も『3』。
でも、『棒高跳び』だけは得意で、自信があるんだ!」
ダダダダーー、ガシッ
たもつは、『ロッド』を胃酸の湖に突っ込んで、棒高跳びのように空中を飛ぶ
「いっけーーーーっ!」
ガシィッ
完全に油断していた暗黒たんぱく鳥の首に、しがみつくたもつ
「キュアアァァーーッ!?」
バサッバサッバサッ
「たもつくん、いつの間に!?」
突然のことでパニックになり、暴れる暗黒たんぱく鳥
「これでもくらえ、超至近距離『ごちそう波』!」
たもつは、暗黒たんぱく鳥にしがみついたまま、『ごちそう波』を撃つ
ズガアァッ
「キュウゥゥーー……」
頭に攻撃を食らった暗黒たんぱく鳥は、脳震盪を起こし、そのまま胃酸の湖へ落ちる
ザバァッ
ジュウゥゥ……
落ちる寸前に、たもつはまた『ロッド』を使って、棒高跳びのようにこちら側の湖の淵へ
「よっと、大成功!」
親指を立てるたもつ
「ギョオルルル……」
胃酸の湖に落ちて、ボロボロになった暗黒たんぱく鳥が、ゆっくりとこちらに向かって歩いてくる
トキシックウォールも消え、すでに満身創痍……
ヒイィィン……
「この挙動は……『プロテインブレス』が来る! みんなのエネルギーを私に、合体技、『デリシャス・スーパーノヴァ』!」
バオオォォーーーーッ
ズバアァァーーーーッ!
『プロテインブレス』が、『デリシャス・スーパーノヴァ』に飲み込まれていく
ドガガガガガーーーーッ!
「ギャフゥゥ……」
『デリシャス・スーパーノヴァ』の直撃を受け、暗黒たんぱく鳥の体は、霧散していく……
その場には、『動脈のカギ』が
「やった、5本目ゲット、残り半分だ」
『動脈のカギ』を掲げるたもつを見ながら、メンバーたちは
「カギは手に入ったけど、何か大切なものを失ったような気がする……」
「?」
◇今回の健康カルテ
体重: 64キロ
BMI: 21・9
血圧: 128/82
中性脂肪: 205
LDL: 162
HDL: 31→30
尿酸値: 7・3
γ-GTP: 178
血糖値: 120
ストレスレベル: 普通




