第28話 「小腸・炭水化物滅竜」
アナタは『着地を失敗した』ことがありますか?
ガチャ、ギイィィ
たもつとメンバーは、『小腸の間』の扉を開ける
『小腸』……
『胃袋』から続き、『大腸』へとつながる消化管
本来6メートルの長さがあるが、体内では筋肉の収縮により3メートルほどに
『十二指腸』・『空腸』・『回腸』の三つに区分される
「ここが『小腸』か……」
巨大なトンネルのような空間――
いくつかある開口部から、『膵液』と『胆汁』が分泌され、胃から運ばれた食物を消化・吸収している
ゴゴゴゴゴ……
「うわっ、じ、地震?」
突如小腸全体が揺れ始めた
「これは『蠕動』というものですね。
小腸全体を筋肉で収縮して、食物と分泌物を混ぜたり、大腸へ移動させたりするのです」
グリーンの説明
「へぇ~、でもこんなに揺れたら、踏ん張りがきかなくて、戦えなくなっちゃうなぁ」
「そうですね、蠕動が起こる前に、終わらせてしまうのが理想ですが……」
その時――
ズシン、ズシン、ズシン
「バオオオオオオーーン!」
もの凄い爆音
振り返ると、巨大な体躯、赤い目、漆黒のオーラを放つドラゴンが
「まさか、『炭水化物竜』!?」
「あの感じ……三大栄養素ボスまで『毒気』に当てたのか」
名前: 炭水化物滅竜
レベル: 260
HP: 124000
MP: 85500
力: 70000
賢さ: 67500
体力: 47000
素早さ: 38000
「凄いパワーアップしているよ!?」
「間違いなく、狂暴性も増している」
バサッバサッバサッ
炭水化物滅竜は、麺でできたような翼を羽ばたかせて空を飛ぶ
ギロッ
その丸くて巨大な目が、メンバーとたもつをロックオン
ヒイィィン……
「マズい、『小麦粉のブレス』がくるぞ!」
バアアァァーーーーッ
「ハイブリッドウェポン、『大盾』!」
ドシンッ
「『イノシンウェーブ』!」
イエローとグリーンの防御技!
ガガガガガガッ
「うわぁっ」
「もの凄い衝撃……こんなのあと何回も持たないよ」
「ブツブツブツ……」
炭水化物滅竜が、なにか喋っている……?
「まさか、詠唱を唱えている?」
ヒイィィン……
メンバーとたもつの足元に、魔法陣が!
「これは、炭水化物滅竜の魔法、『ライスシャワー』だ!」
ピカッ
ドドドドドーーッ
空から、巨大な『米つぶ』が、メンバーとたもつ目がけて降ってきた
「『大盾』!」
「『イノシンウェーブ』!」
「ハイブリッドウェポン、『ジャベリン』!」
イエロー、グリーン、ピンクはそれぞれ防御
「『七味ブレード』!」
「『ビターアローショット』!」
「『ごちそう波』!」
レッド、ブルー、たもつは、必殺技で『米つぶ』を迎撃
「くっそ、めちゃくちゃ強くなってる」
「おそらく『小麦粉の結界』もパワーアップしている、ちょっとやそっとの攻撃じゃダメージは与えられそうにない」
バサッバサッバサッ
ズシンッ
炭水化物滅竜が降りてきた
「どうやら、尻尾や爪の物理攻撃で、ボクたちを弱らせてからとどめを刺そうとしていますね」
「どうする……?」
「そうだ!」
グリーンが何かを思いつき、ピンクに耳打ち
「フムフム、わかったわ」
ズシン、ズシン、ズシン
「バオオオオオオーーン!」
炭水化物滅竜が後ろに振り向き、尻尾が飛んでくる、その前に――
「『ナイフ』+『フォーク』、『ジャベリン』!」
ピンクが『ジャベリン』を構える
「これでもくらいなさい! 『ジャベリン』投擲!」
ビュンッ
ピンクが『ジャベリン』を炭水化物滅竜に向けて投げた!
ドスッ
……しかし、当たったのは炭水化物滅竜の大分横のほう
「ピンク、外れちゃったじゃん!?」
「いえ、これでいいんです、『グルタミンスプラッシュ・弱』!」
グリーンは、緑色の旨味成分を、優しい噴水の水のように、メンバーとたもつくんの足元から噴射
「うわわわっ」
メンバーとたもつは、みんな空中へ放り出される
その時――
ゴゴゴゴゴゴゴーーーーッ
「こ、これは!?」
「そうです、ピンクのジャベリンはワザと小腸の壁に刺したのです、この刺激で、『蠕動』を起こさせるために」
グリーンの解説
「バオオオウゥ?」
炭水化物滅竜は立っていられなくなり、その場に倒れる
シュウゥゥ……
「見て下さい、『小麦粉の結界』も消化・吸収されかかっています、攻撃するなら今です!」
「よし、みんな行くぞ!」
メンバーとたもつ、全員空中から、炭水化物滅竜を攻撃
「はあああ、ハイブリットウェポン、『なぎなた』!」
レッドは『なぎなた』を回す
「『なぎなた旋風斬』!」
ズバァッ
「ギャオオウッ」
「ハイブリットウェポン、『天弓』!」
ブルーは天弓を構える
「『ビターアローショット』!」
ドスッ
「ギュアァァッ」
ヒイィィン……
炭水化物滅竜が、『小麦粉のブレス』を放とうとしている
「そうはいきません!」
グリーンとイエローが、『アックス』と『モーニングスター』を構えて、炭水化物滅竜に突撃
ドドガァッ
「ブブゥッ」
『アックス』と『モーニングスター』の同時攻撃で、無理やり炭水化物滅竜の口をふさいだ!
「たもつくん、今です!」
たもつは両手を合わせ、目を閉じ、深く息を吸う
「今まで食べた、すべての食材に感謝を、ありがとう……」
ヒイィィン……
「『ごちそう波』ーーーーっ!!」
ガカァッ
ドガガガガーーーーッ!
「バアアアァァァーー……」
ズ、ズゥン……
炭水化物滅竜は、その場で倒れ、霧散していく
「やったぜ!」
ヒューー、ドテッ
「いってーーっ!」
メンバーはみんなうまく着地したが、たもつだけ失敗
みんなやれやれといった表情
「たもつくん、せっかく決まったのに、最後締まらないな」
「へへっ、でも……」
キランッ
たもつの手には、『動脈のカギ』が
「4本目ゲット、残りは6本だ!」
◇今回の健康カルテ
体重: 64キロ
BMI: 21・9
血圧: 128/82
中性脂肪: 205
LDL: 162
HDL: 31
尿酸値: 7・3
γ-GTP: 178
血糖値: 123→120
ストレスレベル: 普通




