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第27話 「膀胱・影シウムナイト」

 アナタは『大声で叫んだ』ことがありますか?

 

 メンバーとたもつは、『膀胱の間』の扉を開ける

 

 ガチャ、ギイィィ

 

『膀胱』……

 三焦と同じように、少し広めの空間、左右の『尿管』から、おしっこが滝のように流れている。

 底は、おしっこが溜まっていて、まるで貯水湖のよう。

 

 ドドドドド……

「ここが『膀胱』か、本当におしっこが滝みたいに流れてきて、底で溜め込んでいるんだね」

「本来なら、匂いが結構あるんだが、たもつくんは夢の力でここにきているから、匂いはあんまり感じないようになっているはずだ」

「確かに、匂いはあんまりしない、でもイメージがね……」

 

 ユラユラユラ……

 おしっこの湖の向こう岸に、見覚えのある人影が見える……

「カルシウムナイト、だな?」

 

「いかにも、だが今はパワーアップして、『影シウムナイト』と名を変えている」

 アレル邪ポーンと同じように、目が赤く、紫のオーラが立ち昇っている

 

「久しいな、レッドとイエロー、二人の名は拙者の魂に刻まれている。 今度は前のようにはいかぬぞ」

「やっぱり覚えていたか、忘れてもよかったのに」

 前は侍のような格好だったが、今回は少し違う……?

 刀も巨大な大太刀ではなく、小太刀が二振り

 見た目も軽装で、まるで……

 

「今回はまるで『忍者』みたいだな」

 たもつが突っ込んだ

 

「さよう、今回は少しおもむきを変えさせてもらった

 おぬしたちを相手にするには、ただ刀を振り回すだけでは勝てぬとわかったのでな」

 チャキ……

 影シウムナイトは、両手に小太刀を構える

 

「おぬしたちに斬られた『骨断丸』を、二本の小太刀に作り直した。

 その名は『肉斬刀』と『骨断刀』……いざ、尋常に勝負!」

 

 ザザザザザーーッ

 影シウムナイトは、素早い動きでメンバーの周りを走り出す

 

「骨手裏剣!」

 バババババーーッ

 鋭く磨かれた『骨』が、手裏剣のように飛んでくる

 

「危ないっ!」

 カカカッ

 骨手裏剣が地面に突き刺さる

 

「『おはしソード』+『フォーク』、『大太刀』!」

 レッドが、ハイブリッドウェポンの『大太刀』を構える

 

「待ってレッド、大太刀だとまた『カルシウム肉斬骨断』でカウンターをくらうかも、ここはオイラに任せて!」

 イエローも、『スプーン』と『ストロー』で『モーニングスター』を作る

「オラオラオラ! これでもくらいやがれーーっ!」

「イエロー、また性格変わってる……」

 

 ブンブンブン、ジャラララーーッ

「フッ、『骨分身』!」

 パパパパパーーッ

 

 影シウムナイトが唱えると、大量の影シウムナイトの分身が現れた

「また『分身』!?」

「これで、拙者本体を特定して攻撃することはできぬでござろう?」

 

 ブンッ

 スカッ

 イエローが攻撃するが、分身体だったらしく、モーニングスターがすり抜けた

「くそっ……」

 

「ならアタシの魔法に任せて、『ショコラデコレーション』!」

 ピンクの魔法攻撃。すると――

 

「『影シウム隠れ蓑の術』!」

 スウゥゥ……

 影シウムナイトの姿が消えてしまった!

「えーー、マジか……」

 

 何もない空間から、声が響く……

「フフフ、これで魔法でも拙者を捉えることができなくなったであろう?

 さあ、あとはこちら側から、一方的に攻撃させてもらうでござる」

 

「これは……本当にマズいぞ」

 メンバーとたもつは、ひと塊になって、影シウムナイトの攻撃に備える

「どこから来るのか、見当もつかない」

 

「フフフ、さあ、腕か? 足か? それとも一思いに首を跳ねるでござるか?」

「フムフム、物理もダメ、魔法もダメ、となると……」

 ブツブツ独り言をしゃべっているのは、苦味ブルーだ。

 

「ブルー、なにか策があるのか?」

「物理、魔法がダメとなると、あとは『音』、ですね」

「お、『音』?」

「はい、『音』には、物を壊す力がありますから……レッド、『おはしソード』を貸して下さい」

 レッドは持っていた『おはしソード』をブルーに渡す

 

「ハイブリッドウェポン、『ストロー』+『おはしソード』……『拡声器(メガホン)』!」

 ブルーは、ハイブリッドウェポンで、巨大な『拡声器(メガホン)』を作った!

「メ、メガホン!?」

 さすがのたもつも、ハイブリッドウェポンで『拡声器』が作れるとは思いもよらなかった

 

「ではたもつくん、お願いします」

「えっ、俺が?」

「はい」

 ブルーは、メガホンをたもつの口元に

 

「すううぅぅ……ワアアアアアァァァァーーーーッ!!」

 ビリビリビリビリ!

 

 もの凄い爆音が、膀胱中に響く

 

「ぎゃああぁ!」

 すると、近くの壁から、影シウムナイトが現れた

 全身の骨にひびが入っている

 

「どうですか? 今のように、『低周波』や『高周波』など、『音』には物質を壊す力があります。

 この空間内なら、どこにいてもこの攻撃を避けることはできません」

「お、おのれ……」

 

 影シウムナイトは、ひびの入った両手で、小太刀を上段に構える

「『カルシウムかまいたち・嵐』!」

 バババババーーッ

 以前よりも大量の真空の刃が、たもつとメンバーに襲い掛かる

 

「マズい、『大盾』が間に合わない!」

「アタシに任せて、『ナイフ』+『フォーク』、『ジャベリン』!」

 ピンクがハイブリッドウェポンで、柄の長い『ジャベリン』を作った

 

 ヒュンヒュンヒュンーーッ

 ガキンガキンガキンッ

 ピンクが『ジャベリン』を目の前で回し、大量の真空の刃を防いでくれた

「ピンク、やるぅ!」

 

「今度はワタクシの番です、新魔法『グルタミンスプラッシュ』!」

 緑色の旨味成分が、まるで噴水のように地面から勢いよく噴き出す

 ドバアァァーーーーッ!

「うおおおーー?」

 

 吹き飛ばされて、落ちてきたところに、レッドが走り込む

 

「『おはしソード』+『ナイフ』、『なぎなた』!」

 レッドはハイブリッドウェポンで、『なぎなた』を作る

「はあああ!」

 レッドはなぎなたを振り回しながら、影シウムナイトに突撃!

 

「『なぎなた旋風斬』!」

 ザザンッ!

 

「ぐふっ……」

 ドサッ

 影シウムナイトは、バラバラになり、その場に倒れる

 

「ぐっ……お、お見事、拙者が本当に魂に名前を刻むのは、レッドとイエローだけではなく、『デリシャスファイブ』全員、だったようで、ござる……」

「それにはもしかして、俺も入っているのかな?」

 たもつが、影シウムナイトを覗き込むように、見ながら聞く

「フッ、モチロンでござる、あれぞまさに『骨身に染みる』というやつでござった……」

 バタッ

 

 シュウゥゥ……

 消えた影シウムナイトのあとに、『静脈のカギ』が落ちていた

「よし、これで3本目、残り7本だ」

 

 たもつは感心しながら、

「みんな凄いよ、ハイブリッドウェポンも、こんなにいろんな使い道があるんだね」

「ああ、だが感心するのはまだ早い、薬味ちゃんや醍醐味くんを助け出さなきゃいけないし、毒味クイーンも残っている、油断せず進もう」

「うん」

 

 

 ◇今回の健康カルテ

  体重: 64キロ

  BMI: 21・9

  血圧: 128/82

  中性脂肪: 205

  LDL: 162

  HDL: 31

  尿酸値: 7・4→7・3

  γ-GTP: 178

  血糖値: 123

  ストレスレベル: 普通


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