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第26話 「三焦・アレル邪ポーン」

 アナタは『頭に?が浮かんだ』ことがありますか?


『動脈のカギ』を手に入れたたもつとメンバーは、また城内の広間へ戻る


「次は『三焦の間』の扉を開けてみよう」

「『三焦』……?」

 たもつの頭に、『?』が浮かぶ


 それに気づいた旨味グリーンが、説明してくれた

「『三焦』とは、東洋医学で使われる用語で、『経絡』とも言われます。『水液』や『気』が流れる通路のことを指します」

「『リンパ節』みたいなもの?」

「そうですね、同じものと考えていいと思います。

 これが滞ると、目の疲れや首・肩こり、頭痛などを引き起こします」

「ひえ~」


 ガチャ、ギイィィ


『三焦』――

 広めの空間に、たくさんの『通路の穴』が開いている

 一番奥の丘の上に、小さな翼の生えた『小悪魔』っぽいモンスターが立っていた

「お前、悪玉キングの幹部の一人、『アレルポーン』……」


 以前戦ったアレルポーンだが、目が赤く、紫のオーラが立ち昇っている

「『毒気』に当てられているな……?」


「ゲーゲッゲッゲ、オレさまの新しい名前は『アレル邪ポーンジャポーン』。

 今度こそお前たちに地獄を見せるため、パワーアップしてきたぜぇ」


「パワーアップしたのはお前だけではない、私たちとて同じだ。

 どちらが上か、勝負といくか?」

「ゲーゲッゲッゲ、その必要はない、お前たちがどんなに強くなっていたとしても関係ない、オレさまにはこの新技があるからなぁ!

 オレさまを、前のオレさまと一緒にするなよ!」

 アレル邪ポーンは、異様な構えをみせる


「『アナフィラキシーショック』!」

 ババババババーーッ

 叫ぶや否や、大中小の、物凄い数のアレル邪ポーンの分身が現れた


「な、なんだ? 前の時と比べ物にならないほどの数だ」

「ゲーゲッゲッゲ、10匹や20匹程度倒しても、オレさまは痛くも痒くもないぞ。これが新技『アナフィラキシーショック』だ」

「『アナフィラキシーショック』……現実でも起こるこの症状は、全身性の蕁麻疹や、呼吸困難などを引き起こす恐ろしい病気です」

 グリーンの説明


「この『水液』や『気』が流れる『三焦』から、これだけの数のオレさまの分身を撒けば、全身性のアレルギー反応で、血圧低下や意識消失を引き起こし、最悪の場合死に至るぜぇ」

「なんだって!?」


「さあ、さあ、さあ、どうする、どうする? ゲーゲッゲッゲ!」

 アレル邪ポーンの分身たちが、少しずつ『通路』に向かって歩いていく

「くそっ、一体どうすれば……」


 その時、扉から人影が――


「ひょー、ひょっひょ」

「外連味じいさん!?」

 その人影は、鍛冶屋の『外連味じいさん』だった


「善玉に言われてな、助太刀に来たぞい」

「助太刀って、外連味じいさん戦えるの?」

「こう見えても、昔はブイブイ言わせていたのじゃ、任せておけい」


 アレル邪ポーンが、訝し気に外連味じいさんを睨みつける

「なんだなんだ? 今さらアンタみたいなクソジジィが来たって、どうしようもないんだよ。 ジジィはおとなしく、家に帰って茶でもシバいてろ、ゲーゲッゲッゲ」

「やれやれ、最近の若いもんは、口の利き方も知らんのか……おぬしには少し教育が必要じゃな」


 ピキッ

 アレル邪ポーンの額に、血管が浮かぶ

「余計なお世話だ、このクソジジィ!」

 アレル邪ポーンと、周りの大中小の分身たちが、外連味じいさんに襲い掛かる


「外連味じいさん、危ない!」


「すうぅぅ……」

 外連味じいさんは、大きく息を吸い込む

 お腹が何倍にも膨れ上がったかと思うと――


「喝ーーーーーーっ!!」

 ビリビリビリビリ

 もの凄い爆音が、『三焦』中に響く


 全員耳を塞いでいる、それほどの爆音


 バタッ、バタタッ……

 小さめのアレル邪ポーンの分身体は、みな霧散して消え

 中くらいのアレル邪ポーンは、みな白目をむいて気絶

 大きめのアレル邪ポーンも、体が動かず、もがいている


「な、なんだなんだ、一体何をしたんだ!?」

 アレル邪ポーンの本体が、この状況に戸惑っている


「これが『清廉せいれんなる気合』じゃ。

 清らかなる心と気合で叫ぶことで、邪悪な『気』を退けることができる。

 これでおぬしの分身体を、『通路』から全身に撒くことはできんじゃろ」

「スゲー……」

 外連味じいさんの技に、たもつもメンバーも感心するばかり……


「ひょひょひょ、『フレンドリー』と『無神経』はまるで意味が違う、もうちょっと勉強しないと、痛い目を見るのは自分じゃぞ」


「くそぉ、ならば残ったもので合体だ!」

 アレル邪ポーンの分身体が、本体と合体していく

 ズズズズズズ……


「前に合体したときより、数倍デカいぞ!」


「ゲーゲッゲッゲ、お前みたいな小っちゃいクソジジィ、オレさまの一撃でぺしゃんこにしてやるぜぇ!

 くらえ、『アレル・ギガクロー』!!」

 アレル邪ポーンは、その巨大な爪で、外連味じいさんを攻撃!


 でも、外連味じいさんは一歩も動かない

「残念じゃが、それは無理というもんじゃ、なぜなら……」


「ハイブリッドウェポン、『大盾(お~たて~)』!」

 ズズーンッ!

 イエローの『大盾』が、外連味じいさんを守る

 ガキィン!


「おぬしの本当の相手は、ワシではなく、『デリシャスファイブ』とたもつくんじゃからな」


 外連味じいさんの後ろから、『大太刀』を持ったレッドが飛び出す

「おおおおお! 『七味ブレード』!」

 ズバァッ


「ぐがあああ!」

 斬られ、よろめくアレル邪ポーン


「『イノシンウェーブ』!」

「『ショコラデコレーション』!」

 ガガガガガガーーッ

 グリーンとピンクの魔法攻撃


「ぎゃああああ!」


「『ビターアローショット』!」

「『ごちそう波』!」

 ブルーとたもつの連携

 ドガァッ!


「ぐふっ……」

 さすがのアレル邪ポーンの巨体も、膝をつく


「みんな、今のうちだ」

 全員一つになり、レッドにエネルギーを送る

「はああぁぁ、合体技『デリシャス・スーパーノヴァ』!」

 ズバアァァーーーーッ!

 ドガガガガガーーーーッ!

「ぐぎゃあああ!」

 レッドから発射された巨大なエネルギー波で、アレル邪ポーンはバラバラに

「ち、ちくしょう……」


「やった、『アレル邪ポーン』を倒した」

 アレル邪ポーンがいた場所には、『静脈のカギ』が落ちていた

「ひょっひょっひょ、みんなよくやったの」


「ありがとう外連味じいさん、おかげで助かった。 この先も外連味じいさんがいてくれたら百人力だ」

 その時――

「あたたたーーーーっ!」

「な、なになに、急に!?」

「あたたた……持病の腰痛が……」

「えーーーー」

 外連味じいさんは腰を押さえ、動けなくなってしまった


「え~、まったく、これだからおじいちゃんは……ま、しょうがないか」

「動けるようになったら、ワシは善玉のところに戻っておる、後はおぬしたちで頑張れ」


「わかった、残念だけど任せておいてくれ、行ってきます!」

 たもつとメンバーは、外連味じいさんと別れ、先へ進む――



 その時、善玉キングから外連味じいさんに、念話が入る

「よいのか外連味? 同行しなくて」

「ワシが付いていっても、足手まといになるだけじゃよ」

「よく言う……おぬしが本気になれば、悪玉キングの玉座まで、ほぼ無傷で辿り着けるであろうに」

 外連味じいさんは、フッと微笑むと


「『未来とは、常に若者たちのためにある』……ワシらのような『老人』が、口や手を出すべきでない、そうであろう?」

「……」

 善玉キングは、黙して語らず――



 ◇今回の健康カルテ

  体重: 64キロ

  BMI: 21・9

  血圧: 135/85→128/82

  中性脂肪: 205

  LDL: 162

  HDL: 31

  尿酸値: 7・4→7・3

  γ-GTP: 178

  血糖値: 123

  ストレスレベル: 普通


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