第19話 「実家の肉じゃが」「つみれの味噌汁」
二十四日目・二十五日目
アナタは、『母親の愛情』を感じたことがありますか?
◆現実世界・どこかの駅の構内
プシューー
たもつが、大きなバックを抱えて、電車のドアから降りてきた
「ただいま」
「たもつ、おかえり」
たもつは、久しぶりに実家に帰郷していた
「ホントにあんたは、『帰ってこい』と言わないと全然帰ってこないんだから」
「ゴメンゴメン、いろいろあってさ、先延ばしになっちゃってた」
自家用車に乗り、実家の家に帰宅
「いや~、やっぱり実家は落ち着くねぇ~」
居間のテーブルには、父ちゃんと母ちゃんが座っている
「『脳梗塞』で倒れたと聞いたぞ、大丈夫なのか?」
「そうよ、あんまり心配させないで」
「大丈夫、友達に電話したら、すぐに救急車を呼んでくれたから」
「後遺症はないんだな?」
「うん」
「そうか、ならいい」
たもつの父ちゃんは、普段から口数は少ない方だが、本当に心配してくれていたのは、声の感じでわかる
「はい晩御飯よ、疲れているんだから、いっぱい食べなさい」
たもつの母ちゃんが、奥の台所からたくさんの料理を運んできた
「お、母ちゃんの『肉じゃが』と『つみれのお味噌汁』か、久しぶりだ~」
手を合わせ、3人同時に
「いただきま~す」
たもつは、すぐ目の前の『肉じゃが』を食べる
「うん、これこれ、うんまい!」
「ちゃんと20回、よく噛んで食べるのよ」
「はは、母ちゃんのそのセリフも、久々だなぁ」
「ところで最近はどうなの? 彼女とかできた? 結婚は?」
たもつは、口の中のモノを吹きだしそうになる
「は、早いなぁ、まだ全然だよ……」
「アンタももういい歳なんだから、いい加減に……」
「今はそういう時代じゃないんだよ、そのうち、ゆっくりね」
「いつもそんなことばっかり……私たちも歳なんだから、早く孫を見せて頂戴」
「わかったよ、頑張る、頑張るから」
実家に帰ると、いつもこの話になるのだった
たもつは、久しぶりに自分の部屋へ
「うわっ、俺の部屋、そのままじゃん?」
推しのアイドルのポスター、当時のヒーローのフィギュア、昔流行ったトレーディングカード……
たもつが引っ越す前の、そのままの状態
「たもつが、いつ帰ってきてもいいように、掃除はしてるからね」
母ちゃんが部屋に布団を敷いてくれた
「お風呂も沸いているから、先に入っちゃいなさい」
「うん」
たもつはお風呂に浸かりながら、
「いや~、なんでもやってくれるから凄い楽だ」
始めて一人暮らしをした時のことを思い出す――
食事に洗濯、掃除に買い物、あまりに大変で、本気で実家に戻ろうと思ったこともあった
「このままここにずっといたら、俺は『ダメ人間』になっちゃうな、きっと」
お風呂を上がり、両親と思い出話をしているうちに、もう夜中に
「そろそろ寝ましょうか」
「うん、おやすみ~」
たもつは、自分の部屋の布団の中へ
ZZZzz……
〇夢の中――
気が付くと、メンバーが目の前に
「たもつくん、実家に帰郷したんだな?」
「うん、久しぶりに実家のご飯を食べて、お腹パンパンだよ」
後ろの方から、今日のご飯の食材モンスターが現れた
名前: いも男爵×2
レベル: HP:70 素早さ:
名前: ビーフタウロス
レベル:21 HP:100 素早さ:35
名前: 玉ねぎ子爵
レベル:10 HP:10 素早さ:9
名前: ニンジン三姉妹
レベル:10 HP:11 素早さ:8
名前: しらたき方爵
レベル:2 HP:2 素早さ:4
名前: 調味料トリオ
レベル:20 HP:60 素早さ:20
名前: いわしマジシャン
レベル:17 HP:90 素早さ:20
名前: みそスライム
レベル:10 HP:40 素早さ:7
名前: ネギ坊主
レベル:5 HP:5 素早さ:5
名前: ごぼう辺境伯
レベル:8 HP:12 素早さ:8
名前: だいこん役者
レベル:8 HP:3 素早さ:3
名前: スーピーマン
レベル:6 HP:6 素早さ:6
名前: コメットマン×2体
レベル:18 HP:100 素早さ:30
「さすがはたもつくんのお母さま、素晴らしい料理です……バランス、栄養、見た目、どれをとっても完璧です」
ブルーが感動している
食材モンスターを見て、たもつが気づく
「あれ? なんで『ピーマン』の食材モンスターが? 『肉じゃが』と『つみれ汁』に、ピーマンなんか入らないのに」
「たもつくんのお母さまが、『ピーマン嫌い』のたもつくんのため、たもつくんが気づかないくらいに細かく刻んで、つみれの中に忍ばせていたのだろう。
おそらく子供のころからずっと、そうやっていたのだろうな」
レッドの推測に、たもつも脱帽
「そうだったのか、気づかなかった……」
たもつとメンバーは、食材モンスターたちを消化していく
その時――
ピカァーーッ!
食材モンスターたちの後ろの方で、眩い光が放たれている
「こ、これは……」
そこには、『女神』のような姿をした女性が立っていた
その後ろには、神々しい後光がさしている……
「なにこの人? これも食材のモンスターなの?」
「おお、久しぶりに会った、数年ぶりだ」
メンバーたちは感動している
「彼女は、たもつくんの体の健康を考えて作られた料理にだけ現れる、最強の調味料、その名も……『隠し味・愛情』だ!」
「か、『隠し味・愛情』!?」
『隠し味・愛情』が、ゆっくりとその両手を広げると、眩い光が辺りを包み込む……
パアァァ……
「なんだこの光、あったかい……」
パラパラっパラ~!
パラパラっパラ~!
パラパラっパラ~!
パラパラっパラ~!
パラパラっパラ~!
メンバー全員のレベルが上がった
「体中に力が漲ってくる、私たちに、物凄い『バフ』がかかっているのがわかる」
「もの凄い『バフ』?」
たもつがメンバーのステータスを見ると、確かに全員の全能力が底上げされている
「凄い、これが『隠し味・愛情』の力……」
「この『バフ』は、数日は持つはずだ。
『たんぱく鳥』と戦う前に、この強化は願ったり叶ったりだ、いけるぞ、たもつくん!」
「うん!」
メンバーみんなの頼もしい姿を見て、たもつもわくわくしてきた
「よーし、次の『たんぱく鳥』戦に向けて、気合入れるぞーー!」
「えいえい、おーーーーっ!」
◇今回の献立
「肉じゃが」(総カロリー: 約323)
いも男爵(70)×2
ビーフタウロス(100)
玉ねぎ子爵(10)
ニンジン三姉妹(11)
しらたき方爵(2)
調味料トリオ(60)
「つみれ汁」(総カロリー: 約156)
いわしマジシャン(90)
みそスライム(70)
ネギ坊主(5)
ごぼう辺境伯(12)
だいこん役者(3)
スーピーマン(6)
「白米」(総カロリー: 約200)
◇今回の健康カルテ
体重: 64キロ→63キロ
BMI: 21・9→21・5
血圧: 140/90→130/82
中性脂肪: 200→194
LDL: 165→162
HDL: 32→31
尿酸値: 7・7→7・4
γ-GTP: 185→178
血糖値: 121→123
ストレスレベル: 普通→良好




