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第18話 「帰り道のお総菜パン」

 二十三日目


 アナタは、『変わった』と言われたことがありますか?


 ◆たもつは今日も、朝から仕事に従事

 結構忙しいのに、ワルオがまたいない


「ワルオ、また仕事さぼってタバコ吸いに行っていたな?」

 戻ってきたワルオを睨みつけ、たもつが詰め寄る

「少しくらい別にいいだろ? ずっと吸ってなかったんだから」


「お前が吸っている間、吸っていない俺たちはずっと働いていたんだぞ」

「なんだよ、吸っていたのはオレだけじゃないだろ?

 そんなことばっかり言ってたら、今に誰からも相手にされなくなるぞ」

「うるさいなー、余計なお世話だ」


 たまらず、タカオがフォロー

「まあまあ、二人とも、まだ仕事中ですし……」

「ふん」

「フン!」

 2人はまた、口もきかずに仕事を続けた


 ◆現実・たもつの家――

 帰宅したたもつは、帰り道のスーパーのお総菜コーナーで『ハムチーズパン』を購入し、晩御飯を済ませる

 そのままシャワーに


 シャーー……

「まったくワルオの奴、あのだらしなさには困ったもんだな……」

 その時――


 ズキンッ!


「痛っ……な、なんだ? 頭がガンガンする……」

 たもつは、今まで体験したことがないような頭痛を感じる


「い、痛い……なんだこれ? ま、まさか……」

 ドサッ

 たもつはそのまま倒れそうになる


 倒れながらも、這いずりながら、脱衣所のスマホを探す

 頭は痛いまま、意識が飛びそうになりながらも、スマホを探し当て、電話する

「も、もしもし……あ、頭が……」


 ガクッ

 そのまま意識を失うたもつ


 〇夢の中――

 気が付くと、たもつは夢の中にいた。まだ頭が痛い


 デリシャスファイブのメンバーが駆け寄ってきた

「大丈夫か、たもつくん?」

「あ、頭が痛くて……」


 ゴゴゴゴゴ……

 ずっと地鳴りが響いている

「この身体せかいも何か変だ、深刻な何かが起きている……?」

 レッドの不安は的中する


「たもつくん、デリシャスファイブのメンバー、聞こえるか?」

「善玉キングさま」

身体せかい中のあらゆる場所からアラートが発生しておる、何か異常事態が起こったようじゃ」

「異常事態、ですか?」

「うむ、この症状からして、おそらくは『脳梗塞』の可能性が……」

「の、『脳梗塞』!?」

 メンバー全員、驚きと不安を隠せないでいる


「おそらく、この身体せかいの脳の血管のどこかに『血栓』ができて、それが血流を止めているのじゃろう」

「そんな、脳に血液がいかなければ、体のいろんな場所が麻痺を起こしてしまう」


「それどころか、このまま放置すれば、たもつくんの命が危ない……一刻も早く直さなければ」

「よし、みんなで手分けしてこの身体せかいの脳へ、『血栓』を探すんだ」

「了解」

「薬味ちゃんと醍醐味くんも向かわせる、頼んだぞ!」

 頭痛で動けないたもつをイエローが背負い、メンバーはこの身体せかいの脳へ



 〇脳――

 メンバーと、薬味ちゃん、醍醐味くんは、この身体せかいの脳に到着

 しかし、脳はあまりに大きく、そこを流れる血管は無数に張り巡らされている

「この中から、『血栓』を探すのか……」


「たもつくんの、ひいてはこの身体せかいの存亡にかかわる、みんな絶対に探し出すんだ」

「了解!」

 メンバー総出で、血管の中の『血栓』を探す

「ここも違う……」

「こっちは何もない」

 焦るメンバー、その時――


「デリシャスファイブよ」

「善玉キングさま」

「ワシの『善玉千里眼』で確認した、『血栓』は、お前たちの一つ上の階層、その右側の奥じゃ」

「わかりました」

 メンバー全員で、その場所へ向かう


 血管の中に入り、進んでいくと……

「あった、『血栓』だ」

 血管の中に、巨大な『岩』のような血栓が、血液の流れを阻害している


「よし、『デリシャス・ノヴァ』で破壊する」

「えっ、レッド、大丈夫なの?」

「生きるか死ぬかの瀬戸際だ、そんなことを言っている場合じゃない!」

 善玉キングの念話が入る

「失敗すれば、脳のこの領域は壊死してしまうかもしれん……だが時間がない」


 全員で、デリシャス・ノヴァの体制に

「みんなのエネルギーを、私に!」

 メンバー全員が、レッドにエネルギーを送る

「ぐっ……」

「レッド!」

「大丈夫だ、いくぞ、『デリシャス・ノヴァ』!」


 ズバアァァーーッ!

 ドガガガガガーーッ!

 辛味レッドから発射された五色のエネルギー波が、『血栓』を破壊した!


「やった!」

「レッド、大丈夫?」

「ああ、成長したのはたもつくんだけじゃない、私たちだって成長しているんだ」


 善玉キングからの念話が入る

「みんなよくやった、血流は再開された、たもつくんの体も早めに病院に運ばれたから、大事には至らなかったようじゃ」

「そうですか、よかった」


 たもつも目覚め、立ち上がる

「大丈夫か、たもつくん?」

「うん、みんなありがとう、頭痛も収まったし、峠は越したみたい」


「そうかよかった……たもつくん、直接血栓を破壊したのはデリシャスファイブのメンバーだが、それまでのサポートや応急処置は、現実世界の人たちのおかげじゃ。感謝しておいてくれ」

「うん」



 ◆現実世界・病院

 たもつが目覚めると、そこは病室のベットの上だった

 横にはワルオとタカオが、心配そうな顔で立っていた


「た、たもつ、目が覚めたのか?」

「大丈夫ですかたもつくん、連絡を受けた時はもうビックリしちゃって、すぐ救急車を呼んだって聞いたから……」


「ありがとうワルオ、昼間あんなに口げんかしたのに、助けてくれたんだな」

 たもつが電話したのは、ワルオだった。

「バカやろう、お前の最後の電話がオレなんて、寝覚めが悪いからだよ! ぐすっ……」

 涙をこらえながら話すワルオに、たもつとタカオは少し微笑む


「ワルオ、すまなかったな

 俺はお前にギャーギャー言えるような人間じゃなかった。

 俺も昔はタバコを吸ってて、吸っていない人に散々迷惑をかけてきた側なんだから」

「たもつ……」


「これからは、タバコを吸うのは多めに見るけど、俺もワルオをキチンと叱れるような人間になれるよう、精進するよ」

「たもつ、お前、なんか変わったな」

「そうか?」

「僕もそう思います」



「俺は今まで、いろいろ冒険してきたからな」

「なんだよ、ゲームの話か?」

「たもつくんのやってるゲーム、どんなゲームなんですか?」


 たもつは少し笑うと、

「ちゃんとクリアしたら、いつか2人にも話すよ」



 ◇今回の献立

 「お総菜パン」(総カロリー: 約295)

  ブレッドトレイン(50)×3

  ハムハム・スター(40)

  チーズラット(70)

  バタースライム(30)

  レタス小僧(5)




 ◇今回の健康カルテ

  体重: 64キロ

  BMI: 21.9

  血圧: 130/80→140/90

  中性脂肪: 200

  LDL: 162→165

  HDL: 32

  尿酸値: 7・7

  γ-GTP: 185

  血糖値: 121→123

  ストレスレベル: 良好→普通


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