第17話 「海の家の特製海鮮丼」
二十ニ日目
アナタは、『動画を見て寄り道』したことがありますか?
「この体は今、『骨折』を治すために体中の『カルシウム』を活性化させている……それはつまり、拙者もパワーアップするということでござる」
「何だって!?」
「今までの戦いが、『骨折り損のくたびれ儲け』にならぬよう、せいぜい気合を入れるでござるよ、フフ」
「そんな、俺が骨折したせいで、メンバーがピンチになるなんて……」
カルシウムナイトが、『骨断丸』を構えながら近づいてくる
「あいつの攻撃はすべて『刀』によるもの、つまり『近距離攻撃』のみ、ならば私たちは『遠距離』で攻撃しよう」
「了解」
レッドの提案に、全員が頷く
「フッ、そうはいかんでござる」
それを聞いていたカルシウムナイトが、刀をいったん『鞘』に収める
「奥義、『カルシウムかまいたち』!」
バシューーンッ
カルシウムナイトの刀から、真空の刃が飛び出す
「なに!? 遠距離攻撃?」
咄嗟にイエローが、防御する
「スプーンシールド!」
ガキィン
「うわぁっ!」
スプーンシールドはあっさり弾かれ、イエローも吹き飛ばされた
「イエロー、大丈夫か?」
「それしきの盾で、拙者の奥義を躱しきれるわけがござらん、観念いたせ」
その時、後ろに回り込んだレッドが技を繰り出す
「今だ、大太刀、『七味ブレード』!
「奥義、『カルシウム肉斬骨断』!」
シュン、ザシュッ!
「ぐはっ!」
「レッド!?」
またもややられるレッド
「この奥義『カルシウム肉斬骨断』は、自らの肉を斬らせて、相手の骨を断つカウンター技。
だが、拙者の体は骨だけなので、相手の攻撃は骨の隙間を通り抜け、拙者の方が一方的に攻撃できる技でござる」
「なんて理不尽な技だ……」
メンバーは、ジリジリと後退……
「さあ、どうするでござるか? これ以上の『粉骨砕身』はあまりお勧めせぬでござるよ」
「くっ」
たもつが、メンバーに質問
「カルシウムの弱点って、なんだろう?」
「カルシウムの弱点……? 弱点かどうかはわからないが、カルシウムを体に吸収するには、『マグネシウム』が必要だと聞いたことがある」
「『マグネシウム』か……」
たもつは少し考える
「よし、ちょっと行ってみる、みんな時間を稼いでおいて。
俺よ、『目覚めよ、目覚めよ』……」
◆現実・宿の布団の中――
「はっ」
たもつは宿で目覚める
宿の窓の外はうっすら明るい、丁度日の出、6時くらい
「『マグネシウム』か、ひょっとして、海の家なら……」
たもつは急いで海岸の海の家へ
海の家はまだ仕込みの真っ最中だった
「朝早くからゴメンおっちゃん、海藻や豆腐、納豆で、『マグネシウムたっぷりの海鮮丼』って作れない?」
「ん~、ここは海の家だからな、材料はあるからそのままどんぶりご飯にのっけて、ドレッシングかけるだけでいいなら」
「それお願い!」
「あいよ」
海の家店主は、アツアツご飯をどんぶりによそい、上に『わかめ』、『昆布』、『ひじき』、『納豆』、『豆腐』をのせ、そこにドレッシングをかける」
「へい、『特製マグネシウムたっぷり海鮮丼』、おまちっ!」
「いただきまーす! うん、うまい!」
『特製マグネシウムたっぷり海鮮丼』をたいらげ、たもつは宿に戻る
「よし、あとは動画を見て寝るだけ……あっ、いつも見てる『チワワの面白動画集』が更新されてる!」
たもつは、つい『チワワの面白動画集』を見て、ほっこりしてしまう。
〇夢の中――
「奥義、『カルシウムかまいたち』!」
バシューーンッ
「うわぁっ!」
「みんな頑張れ、すぐにたもつくんが来てくれる」
◆現実・宿の布団の中――
「あっ、推しのアイドルがブログを更新してる!」
たもつは、推しのアイドルのブログを見てニヤニヤしている
〇夢の中――
「そこだ! 奥義『カルシウム肉斬骨断』!」
「ぐはっ!」
「レッド!」
「だ、大丈夫だ……きっと、たもつくんが……」
◆現実・宿の布団の中――
「はっ」
たもつはやっと気づく
「やべっ、早く寝なきゃ……」
ZZZzz……
たもつは『屋根の上の雨音』と『校長先生のお話集』の動画を見て就寝
※たもつ、入眠までの時間、8分56秒03、最遅記録更新。
〇夢の中――
「みんな、遅くなってごめん、つい他の動画見ちゃって……エヘ」
「……たもつくん、全滅するところだった、マジで頼む」
たもつはカルシウムナイトを指差し、
「ここは海の家、新鮮な海藻がたっぷりあったぜ! 海の家特製『マグネシウムたっぷり海鮮丼』の効果を見せてやる!」
キュイィィン……
突然、メンバーとたもつが光りだす
ジャキーーン!
たもつとメンバーたちの体に、『プロテクター』のようなものが!
「これぞ名付けて、『マグネシウムコーティング』だ!」
「『マグネシウムコーティング』だと……?」
カルシウムナイトは訝し気だ
「ちょっと防御力が上がったくらいで、拙者に勝てるとでも思っているでござるか?」
そう言って、カルシウムナイトは刀を鞘に収める
「奥義、『カルシウム居合斬り』!」
ガキィーーンッ!
「なに!?」
カルシウムナイトの刀を弾いた!
「へへっ、この『マグネットコーティング』は、アンタを吸収するための、アンタ専用の『プロテクター』だ。
さあ、吸収させてもらうぜ!」
「そうはいかん、これでもくらいがいい、最大奥義、『カルシウムかまいたち・嵐』!」
ババババババーーッ!
カルシウムナイトの周りには、無数の真空の刃が
「どうだ! あまたの真空の刃に切り裂かれ、成仏するがよい!」
その時、イエローが武器を合体
「ハイブリッドウェポン、『おはしソード』+『スプーン』……『大盾』!」
ドゴーン!
メンバー全員を包むほどの巨大な『大盾』が、目の前に立ち上がる
ガキン、ガキィーンッ
無数の真空の刃を、すべて跳ね返した!
「なんだとでござる!?」
イエローがそのまま、武器を組み替えながら突撃する
「ハイブリッドウェポン、『スプーン』+『ストロー』……『モーニングスター』!」
イエローの『スプーンシールド』が丸い鉄球に変化し、『ストロー』が鎖のように繋がる
「オラオラオラーー!『剣』の斬撃はカウンターできても、この『モーニングスター』の打撃はどうだ、ウラァーー!」
「ちょっと、イエローどうしたの?」
たもつがびっくりして尋ねる
「イエローは、装備した武器によって『性格』が変わってしまう特異体質なんだ」
「そうなの!?」
「オラオラオラオラオラーーッ!」
モーニングスターの連続攻撃に、さすがのカルシウムナイトも防戦一方
「くっ、さすがにこれはカウンターはできないでござる……」
二人の攻防を見ていたレッドが、一瞬の隙を見つける
「そこだ! 見よう見まね、奥義『かまいたち』!」
バシューーンッ
レッドの大太刀から、真空の刃がカルシウムナイト目がけて飛んでいく!
ザシュッ!
「ぐわぁっ!」
カルシウムナイトの刀を、腕ごと斬った!
「やった!」
「くっ、おのれ……」
さすがのカルシウムナイトも、メンバーたちから少し離れる
「このまま吸収されてはたまらん……残念だが撤収させてもらう。
お前たちを『強敵』と認め、その名を拙者の魂に刻もう。
特にレッドとイエロー、おぬしたちとはいずれ決着をつけるでござる」
「まて!」
「では、さらば」
シュン!
「カルシウムナイト、恐ろしい『強敵』だった……」
「たもつくん、善玉キングじゃ。キミの骨折はワシの力で、二日でつながるようにしておいたぞ」
◆現実、海の家――
たもつ、ワルオ、タカオは海の家で昼食
「おっちゃん、朝はありがとう、美味しかったよ」
「たもつ、お前いつの間に一人で朝食食べてたんだよ、ズルいぞ」
「『マグネシウムたっぷり海鮮丼』ですか、健康的でいいですね」
すると店主が、
「そう言うと思って新メニュー作ったんだ、食べてってくれよ
『しらす』に『じゃこ』、炒めた『小松菜』と『チンゲン菜』を添えた、名付けて『特製カルシウムたっぷり海鮮丼』だ!」
たもつはワナワナして
「もう、カルシウムは勘弁してくれ~~っ!」
◇今回の献立
「特製マグネシウムたっぷり海鮮丼」(総カロリー: 約495)
わかめミイラ(5)×3
こんぶマミィ(8)×3
ひじきツリー(8)×2
大豆プラント(90)
大豆プラント(豆腐)(80)
ドレッシングリザード(70)
コメットマン(100)×2
◇今回の健康カルテ
体重: 65キロ→64キロ
BMI: 22・2→21.9
血圧: 135/85→130/80
中性脂肪: 202→200
LDL: 164→162
HDL: 33→32
尿酸値: 7・7
γ-GTP: 185
血糖値: 125→121
ストレスレベル: 良好




