表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/15

第14話 「料理教室のオムライス」

 十八日目


 アナタは、『ストレスで蕁麻疹』が出たことがありますか?


 ◆チリン、チリ~ン!

「おはよう」

 たもつは今日も、自転車で職場まで通勤していた。

「40分漕いでも息切れしなくなったし、朝プロテインも飲んできた、いい感じだ」


「よう、ケチ王、今日も自転車通勤か?」

「ワルオ、お前本当にその呼び方で通すつもりかよ?」


「たもつくん、おはよう」

「おはようタカオ」

「たもつくん、今晩この間いった牛丼屋いきませんか?」

「悪い、今晩はちょっとヤボ用があるんだ、また今度な」

 そう言ってたもつは、先に自転車で会社に入っていった。


「なんだよあいつ、最近ホント付き合い悪いな」

「まあまあ、健康志向になってきたと言っていたし、いいことじゃないですか」

「そうかぁ? オレならあんな生活、つまんねぇけどなぁ」

 最近のたもつは、遊びも飲みもまったく行かなくなり、仕事が終わるとすぐに直帰していた。


「せっかく計画してた『海水浴』もドタキャンだし、今後の付き合いも考えなきゃだな」

「そんなことを言ってはいけませんよ、昔、たもつくんに助けてもらったことあったでしょう?」

「まあ、あんときは確かに助かったけどよぉ……」



 たもつは休憩時間になると、普段は一言も話さない女子社員のとこへ、料理の話を聞きに行ったりもしていた

「フムフムなるほど、カレーに『インスタントコーヒー』を入れると、コクが増すと……」

「他にも、チョコレートやケチャップ、ヨーグルトやウスターソースを入れる人もいますよ」

「ほうほう……」


 そして、午後からの仕事――

 たもつは仕事がうまくいかなくて、少しイライラしていた

(マズいな、このままだと残業になるかも……)

「ワルオ、そっちのペースを上げてくれ、このままじゃ間に合わない」

「そんなの無理だよ、こっちも精いっぱいだ」

(なんだよワルオの奴、また手を抜いているな、イライラ……)


 ガチャーンッ!

「ああ! やっちまった!」

 焦ったたもつは、仕事でミスをしてしまう


「スミマセンでした、部長」

「困るよ平くん、頑張っているのはわかるけど、もうちょっと協調性をもってだね……」

 たもつは部長に怒られてしまう


「はぁ……くそっ」

「まあまあたもつくん、『始末書』にはならなかったんだから、良しとしましょう」

「でも残業になっちまった。早く帰りたかったのに……」

「お前は全部ひとりで抱えすぎなんだよ、もうちょっと協調性をもってだな……」

「うるさいなぁワルオ、お前は部長かよ。それよりお前がもうちょっとペースを上げてくれたら……」

「お前のために言っているんだろ!」

「まあまあ、二人とも、ムキにならずに……」


 たもつとワルオは、その後一言も口をきかずに仕事を続けた

 たもつも残業を終え、その足である場所へ――

 そこは『料理教室』だった。


 料理教室の先生らしき人が、受講生に指示を出す

「それではみなさん、今日は『オムライス』を作ってみましょう。

 材料は『白米』、『卵』、『鶏肉』、『玉ねぎ』、『ケチャップソース』です」


 全員手際よく調理を始めるが、たもつは一人アタフタする

「ま、まずは鶏肉を炒めて……あ、いや、先に玉ねぎをみじん切りにしないと……」


 全員言われた通りのオムライスを仕上げるが、たもつのはビミョー……

「なんでみんなあんなに卵ふわふわなんだ? 俺のはペラペラのカチカチなのに……」


 最後にみんなで試食するが、やっぱりたもつのはビミョー

(くっそ、なんだよ、やっぱり今までの経験値が違い過ぎるのか……)

 結局たもつは、そのままイライラしたまま帰宅した。


 その夜、寝ようとしたら、たもつの腕に、ポツンと蕁麻疹が一つ

「なんだこれ? ちょっと痒いな、虫にでも刺されたかな?」

 たもつは、気にせずそのまま就寝……



 ○夢の中――

 たもつが気が付くと、メンバーはみんな戦闘態勢

 目の前には、今日食べた『オムライス』の食材モンスターが。


 名前: フェニチキンクス×2体

  レベル:22 HP:110 素早さ:75


 名前: コメットマン×2体

  レベル:18 HP:100 素早さ:30


 名前: たまごジェネラル×3体

  レベル:15 HP:70 素早さ:40


 名前: 玉ねぎ子爵×3体

  レベル:10 HP:10 素早さ:9


 名前: ミニトマトン×3体

  レベル:8 HP:3 素早さ:3



「みんな!」

「たもつくん、今日の敵にも『フェニチキンクス』がいるから、『仮想たんぱく鳥戦』ができる」

「うん、いい感じだね」


 その時、たもつは自分の腕が異様に痒くなり、ボリボリ搔き始める

「な、なんだこれ? 凄く痒いんだけど……」


 メンバーとたもつに、念話が入る

「聞こえるか、デリシャスファイブとたもつくん」

「善玉キングさま?」

「今『善玉千里眼』で、現実世界のたもつくんを見てきた。大変じゃ、全身『蕁麻疹』で覆われておる」

「えっ? 全身に『蕁麻疹』!?」


「おそらく『ストレス性の蕁麻疹』じゃろう、このままだと……」

 善玉キングが言い終える、その前に――


「ゲーゲッゲッゲ!

 オレ様は、悪玉キングさまの幹部の一人、『アレルポーン』、お前たちに地獄を見せるために来てやったぜぇ、ゲーゲッゲッゲ!」


「『アレルポーン』……毒味クイーンが来た時に、横にいた小っちゃい悪魔みたいなモンスターか?」

「お前たちを倒せば、悪玉キングさまにお褒めをいただける、オレ様の昇格のため、生贄となれ! ゲーゲッゲッゲ!」


「『アレルポーン』、いよいよ敵の幹部たちと直接対決ってわけか」

 辛味レッドが、任せろと言わんばかりに、武器を構える

「願ってもない、お前を捕まえて直接悪玉キングの居場所を聞き出せば、三大栄養素と戦闘しなくて済む」


「ゲーゲッゲッゲ、舐められたもんだな、このオレ様の見た目がカワイイからと手を抜いたら、ひどい目にあうぜ!」

「カワイイとは一言も言っていない!」

 そう言って、辛味レッドはアレルポーンに突撃!


「ハイブリッドウェポン、『大太刀』!」

 ガシャン!

 辛味レッドの両手には、『おはしソード』と『スプーン』を合体した、『大太刀』が

「『七味ブレード』!」

 ズバァーーッ!


 突撃したレッドが、巨大な大太刀でアレルポーンを一刀両断!

 アレルポーンは真っ二つになり、その場で消える。


「やった!」

 その時、誰もいない空間から、聞きなれた声が聞こえる――

「ゲーゲッゲッゲ、一匹倒したくらいで、安心されちゃあ困るなぁ」

 床や壁、いろんな場所から、今倒したばかりの『アレルポーン』が出現してくる


「今この体は、免疫システムが暴走して、過剰な『アレルギー反応』が出ている。

 この状態の時のオレ様は、無限に『分裂』することができるんだよぉ!」

 目の前には、ゆうに百匹以上の『アレルポーン』が!

「なっ……」


「謝るなら今のうちだぞ、まあ、謝っても生かして返しはしないけどなぁ、ゲーゲッゲッゲ!」



 ◇今回の献立

 「オムライス」(総カロリー: 約669)

  フェニチキンクス(110)×2

  コメットマン(100)×2

  たまごジェネラル(70)×3

  玉ねぎ子爵(10)×3

  ミニトマトン(3)×3


 ◇今回の健康カルテ

  体重: 65キロ

  BMI: 22・2

  血圧: 135/85

  中性脂肪: 202

  LDL: 164

  HDL: 33

  尿酸値: 7・7

  γ-GTP: 185

  血糖値: 130

  ストレスレベル: 良好→高め


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ