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第12話 「お粥」「玉子酒」

 十六日目


 アナタは、『女性の手を握った』ことがありますか?


 ◆現実世界・たもつの自宅――

 ピーー……(体温計の音)

「……36.6度か、少し熱が下がった、『解熱薬』が効いたんだな、よかった、ゴホッゴホッ」


 現実のたもつは、風邪を引いて会社を休んでいた

 朝起きると、異様に体がだるく、熱を測ると37.6度もあった。

 のどが痛くて咳もでるし、ずっと寒気も止まらない。


「ここ5年くらい、風邪なんて引いたことなかったのに、もう年かな……

『風邪薬』はなかったけど、『解熱薬』があってよかった、とにかく、何か食べて体力を……」

 たもつは、立ち上がろうとするが、フラフラしてちゃんと立てない。


「ダ、ダメだ、こんなんじゃ食事なんて作れない、水を飲んでまた寝よう……」

 たもつは水道水をがぶ飲みすると、また布団に入って就寝する――


 ○夢の中――

「大丈夫か、たもつくん?」

 夢の中に来たたもつのもとに、メンバーがかけつける


「ごめん、風邪ひいちゃったみたい」

 その時、善玉キングから『念話』が入る

「たもつくん、デリシャスファイブよ、聞くのじゃ。

 体中のあちこちに、『風邪のウイルス』が侵入しておる、今までこんなに侵入されたことはない」


「まさか、これは……」

「うむ、ワシもそう思い、『善玉千里眼』でたもつくんの『免疫システム』の様子を見てみたが、

 やはり『免疫システム』は、何者かの攻撃を受け、弱っておった」

「やはり……」


「俺の『免疫システム』……? まさか、毒味クイーンが?」

「可能性は高いな」

 メンバー全員、考え込んでしまう


「『免疫システム』は、外部からのウイルスなどの侵入を防ぎ、入ってきたものは自動で迎撃してくれる。

 それが弱っているとなると、今後もいろんな病気にかかりやすくなってしまう」

「どうしたらいいの?」

 たもつの質問に、辛味レッドが答える


「たもつくんが元気になればいい、そうすれば『免疫システム』も一緒に回復する」

「なら大丈夫、『解熱薬』は飲んだから……」

 辛味レッドは、首を横に振る


「『解熱薬』ではダメだ、体温が上がるのは、たもつくんの体が熱に弱いウイルスを倒すために自ら上げている防御機能。

 それを抑えては、今以上に『風邪のウイルス』を活性化させてしまう」

「そんな、じゃあどうすれば……」


「少しつらいと思うが、熱は上げたまま、消化・吸収がいいものを食べて、体力を回復するしかない」

「消化・吸収のいいもの……?」

「昔から一番いいのは、『お粥』とかだな」

「俺、『お粥』なんて作ったことないよ」


 横から甘味ピンクが顔を出す

「しょうがないなぁ、アタシが作り方教えてあげるから、言われた通りに作ってみて、それぐらいできるでしょ?」

「ありがとう、ピンク」



 ◆現実世界・たもつの自宅――

 一人の女性が、はだけたたもつの布団を直そうと手を伸ばすと――


 ガッ

「えっ?」

 たもつは寝ぼけながら、その女性の手を握る

「ムニャ……ありがとう、ピンク……」

「ぴ、ぴんく?」


「はっ」

 たもつは目覚める


「あ、目が覚めましたか、たもつくん」

「えっ? タカオ? どうしてここに?」

「たもつくんが風邪を引いたと聞きまして、いろいろ不便じゃないかと思って、妹を連れてきました」

「妹……? あ! ゴ、ゴメン!」

 たもつは慌てて、女性の手を離す


「いえ、大丈夫です、兄がいつもお世話になっています、妹の『あいり』です」

「あ、いや、こちらこそ……」

(タカオに、こんなカワイイ妹がいたなんて……)


 実はタカオの家は大家族で、兄弟は5人、タカオが長男で下に妹が4人いるとは聞いていた。


「こういう時のために、たもつくんの家の『合い鍵』を、僕が預かっておいて正解でしたね。

 早く治すため、妹に『お粥』を作ってもらいましょう」

「ホント?」


 あいりはたもつの家の台所へ行くと、手際よく調理をし始め、少しすると『お粥』を持って戻ってきた。

「できました、どうぞ召し上がれ」

 たっぷりの水分を含んだお米に、溶き卵ものっている

「体を温めるために、『玉子酒』も作りました」


「うわ~、うまそう、いただきま~す」

「ふ~、ふ~、はふはふ、うんまい!」

「うふふ、ゆっくり食べないと口の中やけどしますよ」


 たもつはあっという間に『お粥』と『玉子酒』を平らげた。

 体がポカポカして、また眠くなってきた


 タカオが、洗い物をしながら、

「洗い物が終わったら、僕たちはそのまま帰ります、ゆっくり寝て早く治して下さいね」

「すまんタカオ、助かるよ」

「困ったときは、お互い様です」


 たもつはそのまま就寝――


 ○夢の中――

 気が付くと、周りには誰もいない……

 善玉キングから『念話』が入る


「たもつくん、だいぶ回復したようじゃな」

「うん、『お粥』と『玉子酒』で、すっかり調子を取り戻したよ」


「『善玉千里眼』で確認した、『免疫システム』はほぼ回復、これ以上のウイルスの侵入はもうないじゃろう」

「そうか、よかった。 ところでみんなは?」


「デリシャスファイブのメンバーは、体中のウイルスを排除するため、個別に遠征しておる。

 体の熱のおかげで、ウイルスも弱っている、風邪はじきに良くなるじゃろう」


 パラパラっパラ~!

 パラパラっパラ~!

 パラパラっパラ~!

 パラパラっパラ~!

 パラパラっパラ~!

 急に空に、レベルアップの音が響く

「どうやら、メンバーたちのレベルも上がったようじゃの」


 数十分後、メンバー全員集まる。

「たもつくん、体の中のウイルスはほぼ排除した、もう大丈夫だ」

「みんなありがとう」

「ついでにレベルアップもして、新たなワザも手に入れたよ」

「新たなワザ?」


「ああ、その名も『ハイブリッドウェポン』だ!」

「はいぶりっどうぇぽん?」



 ◇今回の献立

 「卵入りお粥」(総カロリー: 約285)

  コメットマン(100)×2

  たまごジェネラル(70)

  出汁リザード(15)


 「玉子酒」(総カロリー: 約295)

  リキュールビースト(200)

  たまごジェネラル(70)

  シュガーゴーレム(25)


 ◇今回の健康カルテ

  体重: 65キロ→64キロ

  BMI: 22・2→21.9

  血圧: 140/85→135/85

  中性脂肪: 201→198

  LDL: 165→162

  HDL: 34→33

  尿酸値: 7・7

  γ-GTP: 190→185

  血糖値: 135→130

  ストレスレベル: 標準


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