第11話 自炊「肉入り野菜炒め2」
十五日目
アナタは、『自炊をリベンジ』したことがありますか?
◆現実世界・たもつの自宅――
「よし、できたぞ」
あれからたもつは奮起して、二度目の自炊を試みる
「今回は調味料もちゃんと書いてある通りに入れたし、完璧だ」
たもつは料理を机に運び、手を合わせる
「いただきま~す」
パク、モグモグ……
食べながら悩みだすたもつ
「う~ん……、なんだろう、マズくはないんだけど、美味くもない……ビミョー」
とりあえず全て食べて、就寝する。
○夢の中――
気が付くと、目の前にはメンバーが
「みんな今回の食材モンスターどう? また自炊してみたんだけど」
代表して苦味ブルーが答える
「ええ、悪くないです、バランスもいいし、カロリーも丁度いいです」
「ホント? よかった。でもさ、あんまり美味しくなかったんだよね、なんでだろう?」
「美味しさ、ですか……?」
辛味レッドが、会話に割り込む
「それは、『五感』を意識した食事ではないからだな」
「『五感』? 食事の時に使うのは『味覚』だけでしょ?」
「いや、食事の時に使うのは『味覚』だけじゃない、『視覚』『嗅覚』『聴覚』『触覚』も、重要な美味しさのもとなんだ」
「え~?」
たもつは、まだ半信半疑
辛味レッドが話を続ける
「まず『視覚』……
料理は『見た目』も非常に重要なんだ、特に『色の三原色』を意識するといい」
「料理の話で、『色の三原色』?」
「そう、『赤』、『青(緑)』、『黄色』、この三色を意識すると、料理もおいしく見える。
レストランの料理なんかでも、意識して使われているはずだ」
「あ~、ステーキとかについている、『キャロット』、『フライドポテト』、『ブロッコリー』なんかがそうなのかな?」
「そうだな、逆にこの三色を無視してしまうと、料理のおいしさも半減してしまう」
「う、それって……」
横から旨味グリーンが、口をはさむ
「そうですよ、たもつくんが嫌いな『ピーマン』や『ニンジン』は、その栄養もさることながら、色の三原色の役割もはたしているんです」
「あ、あはは、また抜いちゃったからなぁ……」
「それに、『聴覚』も大事な要素ですよ。
炒めた時のジャージャーという『音』や、盛りつけた後のパチパチする『音』、全てが美味しさに繋がります」
「確かに……それでテンション上がるよなぁ」
奥から、酸味イエローが咳払いしながら近づいてきた
「ゴホン、いいかいたもつどん、『嗅覚』はもっと大事だよ。
炒めているときの油の匂い、盛りつけた後の甘い匂い、辛い匂い……その全てが、脳を直接刺激するんだ」
「ゴクリ……想像したら、なんかよだれが出てきた」
反対側から、今度は甘味ピンクが
「フフフ、最後は『触覚』。
盛りつけたお皿を持った時の『熱さ』、立ち昇る湯気を肌で感じた時の期待感……これはもう『お祭り』よ!」
「お、『お祭り』って……」
辛味レッドがピンクを抑えて前にでる
「たもつくん、キミが料理や食事に関心を持ってくれて、私たちも嬉しいよ、今後に期待している」
「う、うん、頑張るよ」
「よし、じゃあさっそく、今日の食材モンスターを『消化』しに行こう!」
「おう!」
(次は『ピーマン』や『ニンジン』も入れて再挑戦だな……)
たもつの料理リベンジは、まだまだ続く――
*****
○場面変わって、どこかの巨城……
コツ、コツ、コツ
長い廊下を歩く、黒いスーツを着た男性……『雑味ブラック』だ。
ギィィ……
巨大な扉を開けると、広間に出た
中には『毒味クイーン』や『カルシウムナイト』『アレルポーン』の姿も
一番奥の玉座に、巨大な、そして漆黒のオーラを纏った、禍々しい男が座している――
コツ、コツ、ザッ
雑味ブラックは、その禍々しい男の前で、跪く。
「お呼びですか、父上……いえ、『悪玉キングさま』」
『悪玉キング』と呼ばれたその男は、しばらくの間、雑味ブラックを見据える……
そして、おもむろに口を開く
「なぜ、毒味クイーンの邪魔をした?」
ブラックは顔を上げて
「やつらはオレの獲物です、他の奴にとられるのは……」
言ってる途中で、悪玉キングは右手を出す
バリバリバリバリーーッ!
「がっ……ぐぅ……!」
バタッ
悪玉キングの右手から、イナズマが迸り、ブラックはその場に倒れる
「お前は我が作ったのだ……お前は我の命令だけ聞いておればよい」
「ぐ……はい……」
ヨロヨロと立ち上がり、ブラックは広間を出る
今度は毒味クイーンが、悪玉キングの前で跪く。
「やつらは三大栄養素の一体、『炭水化物竜』を倒し、たもつがプロテインを摂取することで、近々『たんぱく鳥』も目覚めるでしょう。
このまま放っておくのは、いかがなものかと」
「……」
悪玉キングはしばらく黙ったあと、毒味クイーンに命令を下す
「忌々しい善玉め……そう簡単にこの身体を、健康になどしてたまるか。
毒味よ、まずはこの身体の『免疫システム』を攻撃だ、病気になれば、しばらくは何もできまい」
「はっ」
悪玉キングは立ち上がる
「善玉、そしてたもつめ……誰がこの身体の覇者にふさわしいか、目にものを見せてくれる……
フフフ、フハハハハーー!」
◇今回の献立
「自炊・肉入り野菜炒め2」(総カロリー: 約648)
ポォークキング(80)×2
コメットマン(100)×2
キャベツ小僧(11)×4
玉ねぎ子爵(10)×4
マヨネーズリザード(84)
ミニトマトン(3)×3
しょう油マーメイド(71)
みそスライム(40)
◇今回の健康カルテ
体重: 65キロ
BMI: 22・2
血圧: 140/85
中性脂肪: 203→201
LDL: 167→165
HDL: 34
尿酸値: 7・7
γ-GTP: 195→190
血糖値: 135
ストレスレベル: 標準




