↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者モモコと魔法少女アンベールのぼうけん  作者: s_stein
第二章 レベルアップの旅

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/100

73.エスカの捨て身

 確かに、この落とし穴は、やり方としては相手にとって卑怯かも知れない。


 だが、この女に何度殺されたことか。アンベールも二回殺されている。


 そのたびにセーブポイントに戻り、時にはどうしてもうまくいかないので、大きく過去に戻った時もあった。


 そんな憎き相手だ。宿敵なのだ。


 今、そいつから勝利を得ようとしている。


 相手がなんと言おうと、最終的にはこれが正しい攻め方だったはず。



 ところが、ぶら下がるモモコの体を支えている右手が痺れてきた。左手には成長する剣があるので、片手でぶら下がっている状態。うっかり右手の力を抜こうものなら、奈落の底へ真っ逆さまだ。


 本当なら、とうに女の方が落下しているはず。


 ところが、その女は体が軽いのか、不思議なほど耐えている。


 今度は自分が危ない。


(どうする? ……かなり、右手がヤバい。……本を抜いて、床を閉じるか?)


 黒い本へ左手が伸びる。


 すると、女が笑い出した。


「その本が落とし穴の仕掛けかいな! わかったでぇ!

 はよ、抜かんかい!」


 黒い本の秘密がバレた。これを奪われたら終わりだ。


 モモコは大いに焦ると、右腕全体が伸びきった。


(もう限界だあ!)


 と、その時、書棚がガタガタと音を立てて動き始めた。その音に振り向いた女が笑い出す。


「隠し部屋が開いたで! ちゅうことは、そこに仲間がおるんやな!」


 業を煮やしたアルバンが、よりによって助けに入るため開けたのか。でも、これで女に全てがバレた。


 モモコが絶望的になったその時、「覚悟しろ!」と声がして白い何かが宙を飛んだ。


 それは、白猫エスカだった。


「ひっ!!」


 悲鳴を上げる女に、エスカが飛びついた。すると、「あああ……」と力が抜けるような声を上げて、女の体がダランとなり、そのまま穴へ吸い込まれるように落下した。


 同時にエスカは、女が突き刺した剣にぶら下がる。


「早く、床を閉じろ!」


 限界寸前のモモコは、成長する剣を左手の中へしまって、その左手で黒い本を抜く。


 床が閉まり始めた。


 その閉まる速度のもどかしさ。


 もう少しで閉まるというときに、力尽きたモモコは落下し、うつ伏せの体勢で斜めの床を滑っていく。


「モモコ!」


 エスカの声に、最後の力を振り絞って両手両足で踏ん張るモモコだが、力が出ないので滑るばかりだ。


「モモコー!!」


 曲げた右足で踏ん張るも、伸びきった左足が穴から落ちそうになる。


 だが、左足をグイッと曲げて持ち上げたちょうどその時、膝頭あたりで床がピシャリと閉じた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=717234455&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。