21.剣圧攻撃
アルバンは、小声で皆に声をかけた。
「お前たちは、ここにいろ」
だが、モモコは青いドレスの女を倒しただけに、ここでもLVアップを狙いたい。
「一緒に行く。アルバン一人では無理だろう」
「なぜ無理だとわかる」
「いや、なんとなく……」
「私は、LV5だ」
「これは、お見それしました」
「あいつは、LV3だ。お前たちでは相手にならぬ」
と、その時、女がどこからか剣を取りだした。
それは、割と大型で幅の広いフォルシオン。背中にでも背負っていたのだろうか。
女が横一文字に剣を振った。
「伏せろ!」
アルバンが、短く叫んだ。
空中に真横に銀閃が描かれたと同時に、三人が隠れていた木が衝撃で揺れる。
恐ろしい風圧。
だが、それだけではなかった。
三本の木が、メキメキメキと音を立てながら、倒れていくではないか。
体を隠す物がなくなった三人は仕方なく、草むらに飛び出した。
「ほう。ネズミが三匹」
女は、剣を手首でクルクルと回転させる。だが、足はまだ、千鳥足だ。
「夜ネズミは、昼間は酒をあおるのか?」
アルバンが、女を挑発する。
「ん? ちっこいくせに、貴様はLV5か?」
「左様。お前が賢いのなら、その剣は振り回せまい」
「そうだな。でも――」
女は、モモコに向かってフォルシオンの切っ先を向ける。
「そこの雑魚なら、ここからでも斬れる」
次の瞬間、女はフォルシオンを振りかぶったかと思うと、酔っているとは思えないスピードで、それを振り下ろした。
縦方向に銀閃が走る。恐ろしい疾風がモモコを襲う。
アルバンが、しまったと思った瞬間、モモコの体は袈裟懸けに斬られた。
肩口から胸を通り腹にかけて、パックリと裂けた衣服から、鮮血がしぶきを上げる。
仰向けに倒れたモモコは、ピクリとも動かなくなった。
少し遅れて、アンベールも崩れるように倒れ込んだ。
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