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勇者モモコと魔法少女アンベールのぼうけん  作者: s_stein
第一章 何でもありの異世界

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19.経験値アップの森

 今回のミッションでは、モモコとアンベール、そしてエスカにとって、有利な点が2つある。


 それは、セーブポイントで過去に戻れること。


 そして、記憶がリセットされずに残ること。



 失敗したら、やり直しが利く。


 記憶に残っているので、次は失敗しないように作戦を立てることが出来る。



 こうなると、考えようによっては、ほぼ無敵だ。



 森の中を歩いている最中に、モモコはアルバンから、まだ聞いていない情報を引き出した。


 まず、モモコかアンベールのどちらかが死ぬと直近のセーブポイントに戻るのだが、エスカだけが死んでも同じことが起こること。結局、二人と一匹のいずれかが死ぬと、全員が過去に戻ることになる。


 モモコだけが戦って勝利しても、戦っていないアンベールやエスカの経験値が上がること。ただし、スキルまでは連動して上がらない。スキルが上がるのは、戦った者だけだ。


 セーブは、勇者のアンベールしか出来ない。ゲルトの引き出しも勇者のみだ。


 武器や防具やアイテムは、売買できる。だから、ゲルトに困ったときは、不要な物を売れば良い。



「他にないのかよ?」


「わからなければ、聞くが良い」


「だから、攻略本が欲しいよなぁ……」


「魔導書なら貸しても良いが」


「何でもいいから、くれ」


「やらんぞ。貸すだけだ」


 アルバンから魔導書を受け取ったモモコの前に、電子音とともにメッセージ画面が表示された。



『>モモコが魔導書を手に入れました』



「きったねー本だなぁ」


「要らなければ、返せ」


「これは、攻撃に使えないのか?」


「馬鹿を言うな」


「例えば、こうやって。

 とりゃあ!」


「痛い! 本の角で頭を叩くな!」



 しばらく森の中を歩いていると、狼型の魔物が現れた。


 練習したいというアンベールが、聖剣を取りだして、危なっかしい振り回し方だったが、何とか撃退した。


 魔物は、息絶えると、光の粒となって消えた。



 また、狼型の魔物が現れた。


 今度は、違う魔法を使いたいというモモコが、火炎の魔法を使って、こちらは難なく倒した。



 こんな調子で、次々と現れる魔物を撃退しつつ、三人と一匹が森を抜けた。


 目の前には、腰までの高さの草が生い茂り、所々に、林とまでは行かないが、木々が固まって群生している。


「フー。練習用のフィールドを抜けた、ってとこかな」


「経験値アップのための森だったわね。汗をかいたわ」


「お前たちも、序盤であの戦いぶりは上出来だ。

 経験値も大分アップしたであろう」


 モモコとアンベールは、それぞれ自分たちのステイタス画面を開いて、経験値を確認する。


 二人とも、青いドレスの女を倒したときは10だったが、今は75になっていた。


「おおおっ!? 結構アップしているぞ!」


「魔物を十匹倒したから、平均7.5」


「一匹当たり、5ないし10ってところだな。

 99まで後24。

 ん? おい、アルバン」


「何だ?」


「もし、魔物三匹で経験値が30アップしたら、75は105になるのか?」


「99で頭打ちだ。正確には、そのLVでの最高値で頭打ちになる」


「搾取だぁ……」



 モモコは、獣道らしい道を見つけて、歩き始める。


「おいおい、そっちじゃない。町に行きたいなら反対側だ」


 アルバンが、ケーンを持っていない方の手で手招きする。


「いやあ、なんか気になるんだよなぁ、こっちの道」


「行かない方がいいぞ」


「アルバン。お前、もしかして、こっちに何があるか、知っているだろ?」


「……」


「なあ、アンベール。

 これ、草ぼうぼうだけど、開拓地の跡って感じじゃね?」


「そう……ね。

 作物を植えた跡があるわ。全部枯れているけれど」


「アルバン! こっちに誰かいるだろ!?

 会わせたくないから、反対側を誘ってるんじゃないのか!?」


「……」


「答えたくないなら、俺が確かめてやる」


 モモコは、獣道をずんずんと歩いて行った。


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