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勇者モモコと魔法少女アンベールのぼうけん  作者: s_stein
第一章 何でもありの異世界

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17/100

17.勝利の後で

 モモコは、女が気になった。


 まさか、あの女、死んでいないよな、と不安がよぎる。


「おい、アルバン。なんで、あいつは動かないんだ?」


「ああ、気づかなかったか? スキル以外に、体力も全部奪われたからだ」


「あいつのステイタス画面、見てねーし」


「なら、見せてやろう」


 アルバンは、右手を挙げて指をパチンと鳴らす。


 すると、女の胸の辺りにステイタス画面が出現したので、三人が覗き込む。


 ――――――――――

 ステイタス

 職業:シーフ

 LV:2

 経験:35 知能:0 攻撃:0 敏捷:0

 体力:0 耐久:0 魔力:0

 魔法:

 特殊:

 ゲルト:0

 武器

 ・

 防具

 ・

 アイテム

 ・

 ――――――――――


「なるほど。LVと経験は変わらないけど、他の値やアイテムは全部没収ってわけか」


 そう言いつつもモモコは、それが自分だったらと思った途端、背筋に悪寒が走った。


「その通り。体力0だから自然と回復するまで動けまい。知能も0だから、計略を立てて人を騙(だま)すこともなかろう」


「そう思うと、ちょっとかわいそうになってきたな」


「本当に、かわいそうか?」


「んー、まー、そのー」


「でも、モモコをロングソードで、何の躊躇もなく刺したのよ。

 当然の報いよ」


「うん、そうだ。

 やっぱ、アンベールの言う通りだな。

 極悪人は、このくらいになって反省してもらわないとな」


「お情けに、体力を10くらいに増やすことも出来るが」


「それが出来るなら、俺たちのを増やしてくれ!

 できれば経験値を!」


「出来ぬ」


「ケチ!」



 モモコは、アルバンにあかんべえをして、落ちていたロングソードを左手で取った。


 鏡のように磨かれた表面は、モモコの顔や背後の木々を映している。


 これが、体の中を突き抜けたのかと思うと、再び悪寒が走った。



「これ、どうやってしまうんだ?」


「なあに、ひとりでに収まる」


 アルバンの言う通り、そのロングソードは、スーッと左手に吸い込まれていった。


 驚いたモモコは、左手を振ってみた。


 しかし、ロングソードは、出てこなかった。



「出すときは?」


「アンベールが武器を出したときと同じ」


「ふーん。便利だな」


「普通、魔法使いは、武器を使わないぞ」


「うっせ! 俺は、勇者の適性があるのに魔法使いさせられてんだからな」


「神の選択には逆らえぬ」


「見る目、ないよなぁ……」



 と、その時、モモコは、今まで興奮していて気づかなかったあ(・)る(・)こ(・)と(・)に気づき始めた。

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