表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虹の先に繋がる世界  作者: 水無月 壱九
グロスティア
96/172

95話 報復

ちょっと煽ってやったらバレリアンはプルプル身体を震わせながら、まるで眼力で俺を殺してやらんばかりに睨んでくる。自分の状況わかってるのだろうか?魔法が使えないのに手足を拘束されて、目の前には自分に恨みを持つ奴がいるって状況なんだぞ?普通は恐怖すると思うんだけどな。貴族の矜持ってやつなのか?それとも貴族には手が出せないとでも思ってるのか?


「あーあ、三下がエリートを気取ってるだけか。程度が知れるな。」


「無礼者っ!貴様絶対に許さんぞっ!あとで必ず後悔させてやるからなっ!!」


「へー、あとがあると思ってるんだ?お前の命は今俺に弄ばれているわけだけど、どうやってこの場を切り抜けるつもりなんだ?」


「き、貴族を手に掛けると言うのかっ!?じゅ、重罪だぞっ!!死刑は免れないっ!お前の家族も含めて全員だっ!」


「大丈夫。俺の家族すっげー遠くにいるんだ。捕まえてこれるっていうなら逆に頼みたいくらいだよ。それにここでお前を殺さなかったとしても、お前は俺を殺しにくるんだろ?そんなの怖いじゃないか。そこで死んでる爺さんはもういいとして、あとお前を殺しちまえば誰にも俺の犯行だってわからないんじゃないのか?」


そこの爺さんは気絶してるだけでまだ死んではいないけどな。


「っ!よ、よよよ、よし、今回の事は無かった事にしてやる。さっさと立ち去るがいい。」


やっと自分の不利を悟ったのか、動揺が見て取れる。それでも上からの態度を改めないのはたいしたもんだな。


俺は部屋に飾ってあった鎧の兜を手に取り、バレリアンの足元に設置する。

何をしているのかとアリアとバレリアンが怪訝な顔をしているが、気にしないで兜の位置を確かめる。よし、ここだな。


「お前さ、アリアに乱暴をしようとしたわけだろ?俺はそれが許せねぇんだわ。ここでお前を見逃したら今後も狙ってくるかもしれねーからな。だからまずはアリアに今後乱暴出来ないようにしようと思う訳だ。」


「何を言っている?僕は乱暴等していない。アリアは僕に抱かれる事を望んでいた。愛し合う僕等の間に割り込んできたのは貴様ではないかっ。」


まずないだろうけど、一応確認の為にアリアにそうなの?って視線を向けると、彼女は信じられないという顔を俺に向けて俺の足を抓った。助けられた手前なのかそんなに痛くなかったけど。


「私は貴方を愛してなんかいないし、それを望んでもいない!勝手な事言わないでっ!貴方なんて大っ嫌いよっ!」


「だそうだが?」


「馬鹿なっ、ふ、ふんっ、アリアは貴様のせいで混乱しているようだな。後で再教育をする必要がありそうだ。」


「やっぱり今後も付け狙う気なんだな?それならまずは俺がお前を再教育してやる必要があるみたいだ。」


プレジャダスといいこいつといい、なんでアリアに寄って来るのって厄介系ばかりなんだ?

あれ?も、もしかしてアリアに恋慕している俺も厄介系なのか?う、嘘だ、そんなはずは・・・、いや、ウィレルという厄介系じゃないのもいたじゃないか。俺はあっち側のはず・・・。

と、とにかく今はこいつの再教育だ。俺のことは考えないようにしておこう。アリアに嫌がられてなければ多少厄介でもいいじゃないか。いいよね?


さ、さて、まず振り幅は90cmくらいか。周期はとりあえず10秒に1回の縦運動。対象に鉄製の兜を指定してと。


「『ピストン』」


ズムッ!


「ッッッ!!?あがぁぁぁああ!!!」


俺が魔法を使うと、鉄兜は設置された場所から真上に飛び上がり、俺がここに来てからずっと公開され続けていたバレリアンのキャ○タマにめり込んだ。


「フィゥーフィゥーッ、き、貴様・・何を・・・」


ズムッ!


「アォォアアァァッッ!!・・・こ、殺す・・・絶対に」


ズムッ!


「ホォァアアァァァッッ・・・許さ」


ズムッ!


「ノォォオオオッッッ」


まだ反省が足りないみたいだな。1秒に1回に変更するか。


「『ピストン』」


ズムッ!ズムッ!ズムッ!ズムッ!


「ッッッッッッッ!!!!!」


バレリアンは声にならない叫び声を上げている。

アリアはそんなバレリアンを凄く冷たい目で見ていた。手でバレリアンの恥部が目に入らないように隠していたが。

俺はというと、自分のやっっている事とはいえ、バレリアンの様子を見ながらキュンってなっていた。これ自分にも精神的なダメージくるな。

股間を押さえた状態でちょっと前かがみになってしまい、アリアに何やってるの?という目で見られてしまう。アリアにはわからないよね・・・。

ゴールデンタイムが5分程経過すると、バレリアンはもう声を発していない。涙と鼻水と涎を垂れ流しつつ糸の切れた人形のようになっている。気を失ったのかもしれない。

途中で失禁してしまったようで、辺りには異臭が漂い鼻につく。

バレリアンの反応が無くなったので、ピストンを解除するとキャン○マが真っ赤に腫れあがっていた。うぅ・・・痛々しい。


「・・・おい、起きろ。」


魔法でバレリアンの顔に水をぶっかけると、目を覚まして顔を上げるが、同時に痛みを認識したのかすぐに表情が歪んだ。


「ウキャラッ!?・・うふ、うふふふふ。」


壊れたか?壊れてもおかしくない位痛々しい状態になってはいるが・・・。

拷問なんてやってて楽しいものでもないから、そろそろ終わりにするか。


「『チョッパー』」


ボトッ


音の発生源を確認したバレリアンが絶叫する。


「ギャァァァァァアアッ!血がっ!アギャァァァアアッ!!血が止まらな・・・あああああああ!!・・・僕のっ僕の僕がぁぁぁ!!!」


切断魔法でバレリアンのヨシムネを成敗・・・切り落としてやった。これでもうアリアに悪さ出来ないだろう。というより男として終わりだ。子孫も残せない状態になってしまったわけだから貴族としても終わるかもしれないな。長男とか言っていたが血筋、系譜を大切にする貴族で子を残せない者になんて家を継がせはしないだろう。もしもう子供がいるんだとしたら作っておいて良かったなとしか言えない。


「アアアアアァァァァッ!」


うるさいな。あっ、血が止まらないのか。このままだと男として終わるというより人生が終わっちゃうな。


「アリ・・・やっぱなんでもない。」


いつものノリでアリアに治療を頼もうとしたが、ここでアリアに頼むのは無神経過ぎるな。アリアも俺が何を頼もうとしたのかを察したようだが、俺の後ろに隠れて俺の服をギュッと掴み、絶対にバレリアンの前に立たないと拒否の意思を伝えてくる。

しかしどうやってあいつの血を止めるかな。リバースを使うとヨシムネが復活してしまうから無しだ。そういえば昔見た映画で焼いたナイフを傷口に押し当てていたのを見た気がする。あれは止血の為だったのか殺菌の為だったのかわからないが、映画では出血は止まっていたな。よし、素人の見よう見まねだがやってみるか。


「『フレイムランス』」


「あぐっ、ま、待てっ!それで何をするっ!やめろっ!来るなっ来るなぁぁぁっ!!」


ジュゥゥゥ


「あっ・・・っがぁぁぁぁあああああっ!!!!」


フレイムランスを股間に押し当ててやると、痙攣したバレリアンは白目を剥いて失神してしまった。

死んでない・・・よな?ピクピクしてるからたぶん大丈夫だろう。血もうまく止まったようだし失血死することは無くなった・・・んじゃないかな?股間は酷い事になってしまっているが・・・。

床に落ちたままの一物は、教育上宜しくないのでイレイズで消しておいた。


「アリア、どうしようか。とりあえずは生かしておいたけど、一応今後の憂いを断つためにやっぱり殺しておく?」


俺の後ろに隠れるアリアに問いかける。


「・・・ううん、私も無事だったし、命までは奪わなくていいと思う。ここまでやっちゃってるからたぶん指名手配は掛かちゃうと思うけど、命まで奪っちゃうと例え相手がどんなに最低な貴族だったとしても、貴族を手に掛ける危険人物として擁護してくれる人もいなくなっちゃうから。」


「そうか、じゃあここにいてもしょうがないし、もう帰ろうか。」


「うん、でもちょっと待ってて。ヨーヘーが色々やってくれたけど、私もやり返さないと気が済まないから。」


そう言うとアリアはバレリアンに近付いて、奴の顔の前で何かの魔法を使った。

何も無かったかのようにアリアが戻ってきたので、何をしたのかわからなかったから彼女に聞いてみよう。


「アリア、何をしたの?」


「あの人は今回私の容姿が気に入ってこんな行動起こしたわけたから、もう私の姿がわからないように視力を奪ってきたの。これでもうバレルく・・・あいつの好みだからって理由で襲われる人もいなくなると思うんだ。それに目が見えないからヨーヘーの姿もうまく伝えられないと思うのね。逃亡生活に役立つかなって。まぁそこに寝てるお爺さんに聴取されちゃうとあんまり効果がないから気休めだけどね。かといってお爺さんの視力を奪うのも悪いし・・・。」


「結構エグい事したね・・・。はぁ、それにしても俺はこれから犯罪者かぁ。」


「私の為にごめんね。後悔してる・・・よね。」


「いや、後悔なんてしてないよ。それをしないとアリアを助けられなかったんだ。例え世界を敵に回すことになるとしても俺はアリアの味方でいたい。」


「ヨーヘー・・・嬉しい。ありがとね。」


「とりあえず今後の事は後で考えるとして宿に戻ろうか。」


「うん・・・ねぇ、今日の夜時間貰える?それで出来れば2人きりになれないかな?」


「ん?別にいいけど?夕飯の後とかでいいの?」


「うん、その時は私から声掛けるから。」


「わかった。んじゃ戻ろう。」


俺はアリアの腰に手を回し、俺が空けた穴からフライを使って飛び出した。


宿に向かって飛行していると、閑散としている道路にこちらに向かって走ってくる小さな影を発見した。

それはタァマちゃんだ。アリアを心配して追いかけてきたんだろう。

俺はすぐに地上に降りて、タァマちゃんを向かえる為に両手を広げて彼女を待つ。


「にゃぁぁっ!お姉ちゃんっ!!」


タァマちゃんは飛びついた。そう、両手を広げた俺ではなく、アリアにだ。


「ごめん、心配かけてごめんね?タァマちゃん。私は大丈夫だから、ね?」


「ふにゃぁぁ、お姉ちゃん!お姉ちゃん!」


両手を広げたままフリーズしている俺に、アリアは気を使ってくれたのか、タァマちゃんを抱きつつも後ろを向いてこちらを見ないようにしてくれている。そんなアリアの優しさに全俺が泣いた。




宿に戻ると心配していたトリスが出迎えてくれた。


「アリア!良かった見つかったんですね!怪我はありませんか?」


「うん、心配掛けてごめんね。ヨーヘーが助けてくれたから大丈夫だったよ。」


「良かった・・・。あんまり心配掛けないでくださいっ!今回のアリアの行動は軽率過ぎますっ!昨日の貴族があなたを見る目は、女性として怖気が走る程の物でした。ゴブリンの様な視線にアリアは気付いていなかったのですかっ!?それなのにその男の関係者にホイホイ着いていくとは・・・せめて誰かに知らせてから行くとか出来なかったのですか!」


「あの・・・マグロには伝え「黙りなさいっ!」はい・・」


「それをトロさんに伝えて何を期待したのですか?あのお魚さんはそんな事態になったにも拘らず、宿でのんびりと私達の帰りを待ってただけなんですよ?伝達方法はあったのですから、急ぎ知らせるくらいの事は出来たはずなのに、呑気に宿で休んでたんですっ!あの方は何の為に残ったのか理解できない大馬鹿者な駄魚なんですっ!」


駄魚て・・・マグロボロクソである。マグロ見てみると死んだ魚の様な目をしていた。めちゃくちゃリアルだな。俺が飛び出した後、トリスにこってり絞られたらしい。いつものハイテンションが見る影もない。


「アリア、お願いです。もう少し心配する方の身に・・・なって・・・うぅ」


トリスが突然泣き出してしまった。相当心配していたんだろう。


「トリスごめんなさいっ!私が軽率だったっ!私の為に心配してくれて・・・あり・・・が・・・うぇぇん」


アリアもトリスに抱き着きついて泣いてしまい、お互い抱き合いながら泣いている。タァマちゃんもアリアの足にしがみついていた。

うーん、いい仲間達だなぁ。


「ヨーヘー・・・ミーは・・・ミーは・・・すまな・・・すまなかっ・・・」


意気消沈しているマグロだったが、トリスにかなり怒られたようだし、アリアも無事だったわけだから、ここで俺まで怒る必要はないな。ちゃんと反省もしているようだし。


「駄魚、ミスは誰にだってある。失敗を糧にして今後気を付けてくれればいい。」


俺が優しい言葉を掛けたのが意外だったのか、一瞬驚いた表情をした後に目に涙を浮かべる。おい、まさかとは思うがお前もか?待て、落ち着け!


「うぎょぉぉ・・・ヨーヘーッ!ヨーヘーーーッ!!うぎょぉぉぉおおぉんっ!!」


うおぉぉおぅっ!?駄魚が俺の足にしがみついて大泣きを始めやがった!う、嬉しくねぇぇぇ!!おいっやめろ!離れろって!どうせなら俺はあっちに混ざりたい!

振り払おうとしてもがっちりホールドされているので離れない。こいつは顔をズボンに押し付けているので接地部分が生暖かくなってきた。

おいっ!それヨダレや鼻水じゃないよな!?涙だよな!?バッチィのは嫌なんですけどぉ!?


ジュル


やめろぉぉぉぉぉぉっ!!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ