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虹の先に繋がる世界  作者: 水無月 壱九
グロスティア
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83話 プレゼントと衝撃

俺の誕生パーティーも終わり、皆を見送った後、2階にある俺の部屋に『フリーター』のメンバー全員が集まっていた。最初は何事かと想ったが、何かプレゼントをくれるみたいだ。なんでわかったかというと、タァマちゃんのプレゼントが大きくてバレバレなのだ。一応自分の後ろに隠しているようだけど、紙に梱包された物がタァマちゃんの体からはみ出しているからな。本人は隠せているつもりっぽいので、触れないでおいてあげよう。俺は空気が読める男だからね。

トリスがそんなタァマちゃんを見てクスクス笑いながら俺の傍に寄ってきた。


「ふふふ、サプライズの予定だったのですけど、なんかもうバレバレですよね?はい、これ私からの誕生日プレゼントです。」


トリスは隠し持っていた小袋を俺に手渡してきたので、お礼を言いつつ受け取った。

中を見てみると銀製の腕輪が入っていた。装飾が凝っていてかっこいい。トリスはセンスがいいなぁ。よしさっそく試しに付けてみよう。

おーっ!かっこいい!サイズもピッタリだし、動きを邪魔しないような絶妙な作りなのがとても気に入った。自分の腕を眺めながら腕輪に見とれていると、ニコニコしたトリスからお似合いですよと褒めてくれた。そして近付いてきたと想ったら、チュッと俺の頬にキスをしてくれた。

・・・はえ!?キ、キキキキ、キスッ!?今トリスは俺にチューしてくれた?驚いてトリスを見てみると、頬を染めながらもはにかんだ笑顔で俺を見つめていた。


「ちょ、ちょっと照れくさいですね。」


サプラーーーーイズッ!!これこそまさにサプラーーーイズッ!!

タァマちゃんのおかげで、プレゼントを貰えるかも知れないという心構えは出来ていたが、これは予想できなかった。美人エルフさんからのキスなんて、羨む男は何人もいるだろう。ちょっとした優越感に浸れるし、なにより大切な仲間であるトリスがしてくれたことが物凄く嬉しい。


「あ、ありがとうトリス。」


「いきなりごめんなさい。ご迷惑じゃありませんでした?」


「いやいや、凄く驚いたけど嬉しかったよ!アンコールをお願いしたいくらいさ!この腕輪も凄くセンスがいいよね。こういう物が選べるトリスも凄くセンスがいいと思うし、今度色々コーディネートをお願いしたいくらいさ。この腕輪ずっと大切にするな!」


「ふふふ、そうですか、それは良かったです♪それにご希望ならばいくらでもアンコールしちゃいますよ♪」


トリスは俺に近付いて、もう1度俺の頬にキスをしてくれた。さっきは突然過ぎて、ただ驚いていただけだけど、今回はしっかりと柔らかい唇の感触を楽しめた。


「次はタァマですっ!タァマは・・・じゃじゃーんっ!お兄ちゃんにこれをあげますっ!」


タァマちゃんは俺を驚かせるように、自分の後ろに隠していた袋を俺に向けてきた。

俺もタァマちゃんの心を汲んで、驚いてみせる。少しわざとらしかったかな?

プレゼントを俺に渡し終えると、タァマちゃんも俺の頬に自分の口を押し付けてきた。

これは情熱的な・・・トリスの触れるようなキスと違い、ブチューっと押し付けてくる感じだ。一旦口を離したタァマちゃんは、キスしたところをチロチロと舌で舐めてきて少しくすぐったい。最後に頬擦りまで決めて俺に甘えてきたので、俺も頬擦りし返してやった。

この状況おまわりさんに逮捕されないだろうか?妹だって言い張れば許してくれるだろうか?たぶん大丈夫だろう。だってこんなに可愛いんだもの!

タァマちゃんは俺から離れないので、抱き上げたまま貰ったプレゼントを確認すると、包装の中に入っていたのはキャンバスだった。

キャンバスには絵が描いてあるらしく、たぶんこれは俺とタァマちゃんかな?二人が笑顔で手を繋いでいる絵が描いてあった。一生懸命描いてくれたんだろうなぁ。これは額に入れて部屋に飾っておこう。自分の子供から自分の絵を描いて貰った親ってこんな気持ちになるんだろうか?すげー嬉しいもんなんだな。これは家宝認定しました。


「ありがとうタァマちゃん。凄く嬉しいよ。」


「にゃあっ!お兄ちゃんおめでとうございますっ!大好きですっ!」


大好き・・・やだ恥ずかしい。タァマちゃんは小さいけど、凄く可愛い子に大好きと言われて嬉しくないはずかない。

あぁ、小さくて可愛いタァマちゃん。こんなにも俺に懐いてくれる可愛いにゃんこ。

その無垢な表情が堪らなく可愛いよ。


おっと、いかんいかん。

何度も言うが俺はロリコンではない。可愛いとは感じても欲情はしていない。


「お兄ちゃんどうしたの?」


こてんと首を傾げて上目遣いでタァマちゃんが俺の覗き込んできた。

よ、欲情は・・・くっ、なんて可愛いんだっ。思い切り抱きしめてあげたくなる。

だ、だめだ!ここで理性を失うと俺は本格的な変態になってしまう気がする!

この俺を信用しきっている無垢な瞳を裏切るわけには・・・!

俺が苦悩していることを心配してくれたのかタァマちゃんは俺のシャツをちょこんと握り不安そうな表情を浮かべながら、頬をチロチロと舐めてきてくれた。

・・・もうロリコンでいいや。


「タァマちゃん大好きだぁぁぁぁ!!」


「うにゃっ!?」


俺はタァマちゃんをぎゅーっと抱きしめた。

スリスリスリスリスリスリスリスリスリ

俺は何度も頬擦りを繰り返した。

あぁ・・・なんてスペスベなんだ。

俺の突然の奇行に対して、タァマちゃんは嫌がっている素振りは見せない。最初は驚いていたが、今はむしろ喜んで一緒に頬擦りをしているくらいだ。

俺はそんな愛らしいタァマちゃんの猫耳を優しく愛撫した。


「ふ、ふにゃぁぁぁ・・・」


あぁ、たまらん。タァマちゃんかわいいよタァマちゃん。

ぺ、ペロペロしてもいいかな?い、いいよね?はぁはぁ・・・タ、タァマちゃん!!


スパコーーンッ!!


「・・・何やってるの?」


いつの間にか俺の後ろにはとても冷たい目をしたアリアが立っていた。


「はっ!?俺は何を!?」


「それで誤魔化したつもりかしら?」


誤魔化せませんでしょうか?無理なら誤魔化せた事にしてくれませんでしょうか?俺も忘れたいんです。


さ、さて、マグロからはさっき魚を貰ったわけだから、マグロからは改めて祝いの言葉を貰っただけだ。


「ミ、ミーもキスをするべきなのか?」と怯えた様子で血迷った事を聞いてきたが、全力で拒否っておいた。阿呆め、お互いに汚点になるだけだろうが。


ということで最後はアリアだ。

何をくれるんだろう?何かを持っているようには見えない。も、もしかして「プレゼントはわ・た・し(はぁと)」とかやってくれるんだろうか!?

期待と緊張をしながらドキドキして待っているとアリアが動いた。

よっしゃっ!ドンとこーーい!

アリアはスカートのポケットに手を入れて、小さな紙袋を取り出した。


「はい、ヨーヘー誕生日おめでとう。これが私からのプレゼントだよ。」


アリアから渡されたプレゼントを開けてみると、そこには青い石のついたネックレスが入っていた。

これってどこかで・・・、あっ、俺がスーラでアリアに初めてプレゼントしたネックレスにそっくりだ。あれからアリアはあのネックレスをいつも肌身離さずに着けていてくれてたな。それと色違いのネックレスをプレゼントしてくれたのか。なんか嬉しい。


「ありがとうアリア。これでお揃いだね。」


さっそくネックレスを首につけてアリアに見せてみる。


「えへへ、似合ってるよヨーヘー。」


アリアは自分の首元を手で押さえて嬉しそうにしていた。


「アリアが探していたのはそのネックレスだったんですね。」


「うん。どうしてもこれを探したかったの。ウィレル君に案内してもらったお店でやっと見つける事ができたんだよー。」


なるほど、これを買う為に色々探し回ってくれてたのか。アリアとお揃いのネックレス。なんか距離が近くなったみたいで嬉しいぜー!


プレゼント受渡し会はそこでお開きという話になり、マグロとトリスは自分の部屋に帰っていき、眠そうだったタァマちゃんに布団を掛けて寝かせることにする。

さて、明日も朝から演劇の練習があるし、俺達も寝るとしますかね。



・・・待て、アリアのキスは?正直一番楽しみにしていて、アリアの番になった時に凄いソワソワしてたんですけど?

布団の準備をしているアリアに何か忘れてないかなーっという感じでジーっと見ていると「なぁに?」という顔で見返されてしまった。


「あ、えっとアリアはキ・・・」


「キ?」


「な、なんでもないっ!おやすみアリア!」


「うん?おやすみー。」


俺は部屋の明かりを消してタァマちゃんの眠る布団に潜りこんだ。

チクショウッ!皆に色々して貰えて凄く幸せで嬉しいはずなのに、なんだろうこのガッカリ感は!何かが物足りない!いや、何が物足りないのかはわかっているが、要求できるかーーーーっ!!

俺が布団の中で悔し涙を流していると、俺のベッドの横に人の気配を感じたのでそちらに顔を向けると、部屋の明かりを消してしまったので暗くてよく見えないが、シルエットでアリアだとわかった。


「ヨーヘーまだ起きてるよね?」


「うん、起きてるよ。」


「・・・あのね。えっとね。・・・聞いて欲しいことがあるの。」


なんだろう?


「あのね、場合によっては今後一緒に行動出来なくなるかもしれないことなんだけど・・・どうしても聞いてもらいたい事があるの。聞いてくれる?」


え?それってどういうことだ?なんで一緒に行動出来なくなるんだ?それって今後別行動する可能性があるってことだよな?


「・・・なに?」


聞かなければ今までの関係が保たれるのであれば、出来れば聞きたくない。でもアリアの雰囲気からして、聞かなくてはいけないことなんだろう。若干胸が動悸しているが、俺はアリアの話を聞く事を選択した。


「ヨーヘーに隠し事はしたくないから言うね。えっとね、今日ウィレル君に探し物手伝って貰ったって言ったでしょ?」


「うん。」


「探し物・・・そのネックレスね。それが見つかったから、ウィレル君にお礼も兼ねて喫茶店でお茶をご馳走したんだけど、帰り際にね、ウィレル君に呼び止められて、大事な話があるって言うから聞いてみたのね。そしたら彼は私の事が好きだって言って、私の良い所や、どこが好きになったとかをたくさん言葉にして伝えてくれて、私に付き合って欲しいって告白してきてくれたの。」


「・・・・」


この2週間ウィレルがアリアに対して好意を持っていることはわかっていた。それが気に食わなくてムカムカしてたりもしてたわけだが、告白したときたか・・・。


「・・・アリアはどう思ったの?」


「えっとね、私って今まで人から好意を寄せられる事があんまり無かったじゃない?彼は知り合ってから私に対して凄く優しくしてくれるし、私を楽しませてくれようとしてくれるのがわかるのね。だからウィレル君に好きだって告白されて正直嬉しかったわ。」


「・・・そう。それで、アリアはなんて応えたの?」


「私もウィレル君の事が好きだよって言ったよ。」



・・・・・・え?

明日から有明に行かないといけないので、一時更新止まります。

変なところで更新止めるなって思った方、やめてっ、石を投げないでください!

一応明日の分は投稿予約してあるので、更新が止まるのは29日の分だけです!

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