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虹の先に繋がる世界  作者: 水無月 壱九
グロスティア
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64話 4人目の仲間

皆が起きたのを確認した俺はマグロに話をつけてくる事を皆に伝えた。


「よし、ちょっとマグロと話してくるよ。」


「あ、私も行こうか?」


「いや、すぐに終わるだろうからアリアは朝ご飯をテーブルに並べておいて。それとそろそろタァマちゃんとトリスを起こしてあげて。」


「うん、わかったよ。いってらっしゃーい。」


いってらっしゃいか、なんかいいな。




朝食を作り終えたのでアリアに一声掛けてマジカルハウスを出てマグロが寝ているテントの前までやってきた。


「んぐごぉぉぉぉぉ・・・んごぉぉぉぉぉぉ・・・キリキリキリ・・・んぐごぉぉぉぉぉ・・・」


マグロさん、テントの外までイビキが漏れてますよ。

聞いてないと思うが、一応入るぞと声を掛けて中に入ると、全裸のマグロが豪快に寝ていた。足を出口に向けていて見事なM字開脚だ。つまり、必然的に胸糞悪いモノが視界に入るわけだ。くっそ!この短時間で天国と地獄の股間を見ることになるとはっ!むぉぉぉお!さっきのアリアのスカートの中を思い出せ!・・・・・フッ、フッ、フゥ、よし、なんとか落ち着いてきた。そして今朝のアリアを思い出したことで心臓が高鳴ってきて鼻血が出てきた。

胸糞悪い気分は消えたので、未だ眠り続けるマグロのモノを思いっきり蹴り飛ばしてやった。


「ギッ!?ギョギョギョワァァァァァァァァ!!!あぁぁぁ・・・ヨシムネがぁ!ミーのヨシムネがぁぁぁ!!」


うるせぇよ。何がヨシムネだ。つか何でお前がヨシムネって名前知ってんだよ?朝っぱらから胸糞悪ぃモン見せやがって。アリアを置いてきてホント良かったよ。


「ヨ、ヨーヘー!?な、何をするんだ?ミーのヨシムネに何の恨みがっ!?」


「俺昨日起こしに行くって言ったよな?それなのになんで全裸で寝てんの?アリアが一緒に来てたらどうするつもりだったの?テロだよそれ。あんまりふざけてるとモギ取りますよ?」


「そ、そんな!?ミーは全裸で寝ないと落ち着かないのだっ!昨日は着衣して寝たおかげで眠りが浅くて・・・仕方がないことなのだ!!」


「んなもん知るかっ!てかいい加減服を着ろよ。パーティの事で話がある。」


「わ、わかった。それよりもちょっと聞いておきたいことがあるんだが。いいかな?」


「・・・なんだ?」


イソイソと服を着ながらマグロが問いかけてくる。


「ユーは・・・その聞くのがちょっと怖いのだが、その、えと、ど、どうしてテントを張っているんだい?」


「はっ?」


「いや、ユーのヨシムネが絶好調のようなのだが・・・ま、まさかミーの裸を見てっ!?ダ、ダメだぞっ!?ミーにその趣味はないぞっ!?し、しかしパーティに入る為の条件だというのなら・・・いや、だが!」


マグロに言われて俺は視線を下に移すと、そこには腕を天に突き出して猛々しい姿を見せる俺の暴れん坊将軍が存在を主張していた。


「ちょっ!ばっ!これは違っ!!み、見ないでぇぇぇぇぇぇ!!」


あぁ・・・さっきアリアのM字開脚を想像したばっかりに!あまつさえ想像だけでは飽き足らず魔記録にあるチーズ画像を確認して、更に拡大して見てしまったばっかりに!俺のヨシムネが成敗したがっている!!




今、俺とマグロはマグロのテント内でお互いに正座して対峙している。2人ともちょっと前傾姿勢だ。マグロはヨシムネ引き篭もりの為。俺は未だテンションが下がらないヨシムネ鎮静の為。


「さ、さて、マグロさん。パーティの件ですが、ある条件が飲めるのならばウチのパーティ『フリーター』に加入することを認めたいと思います。」


「じ、条件・・・」


マグロが両手で自分の体を抱いて少し後ずさる。

おい、何を想像している?違うからな?俺はアブノーマルじゃないぞ?ちょっとイラっときたが、話が進まないからその反応についてはスルーしてやる。


「条件だけど、2つある。1つ目は俺達は憤怒の魔法師を止める事が今の目標にしている。この方針を阻害するなら受け入れられない。2つ目、これはパーティメンバーが秘密にしておいてくれと言った事は部外者に一切口外しないこと。こっちに関してはパーティを抜けることになっても守ってくれるとありがたい。この2点の内一つでも守れないならパーティ加入は諦めてくれ。」


「そ、それだけでいいのか?ミーはヨーヘーに尻を差し出さなくてもいいのか?」


「タァマちゃーん!ここにお魚がいるよーーー!」


「す、すまない!それだけはご勘弁をっ!ミーの早とちりだった!」


「んで?どうすんの?」


「そ、そんな条件でいいのであれば是非仲間に加えて欲しいっ!たとえ憤怒の魔法師を相手にしたとしても、ミーならば死なないだろうからね!」


「そっか、んじゃ朝食が出来てるからあっちのテントに行こうか。皆に紹介しなくちゃだしな。」


俺は立ち上がり外に出る事を促すがマグロは動かない。


「うっ・・・うっく・・・」


「はぁ!?どうしたんだよ!?なんで泣いてんだよ!?」


「す、すまない・・・ミーを、ミーをパーティに入れてくれる人がいたと思うと嬉しくて、嬉しくて。」


「そ、そうか。」


その後しばらくマグロが落ち着くまでテントの外で待ってやった。その時間のおかげで俺のヨシムネも落ち着いたようだ。

これは余談だがこの世界には昔ヨシムネ=トクガーという将軍がいたらしい。ヨシムネ将軍は数多の戦場で大暴れをし、敵からは猛る鬼神、暴風将軍等と呼ばれ恐れられた人物だとか。その制御の利かない暴れっぷりが男性に比喩されているらしい。

まぁどうでもいい知識だな。



「はい、皆。朝食前にごめんね。皆に新しいお友達を紹介します。タンク担当志望のマグロ君です。皆仲良くしてあげてくださいね。」


「「「はーい。」」」


「それじゃマグロ君、皆に挨拶して。」


「え?このノリはなんなんだ?えっと、さっき紹介してもらったトロ=オーマという。マグロではない。大切な事だからもう1度言う。マグロではない。トロと言う。攻撃力は今はまだからっきしだが、盾役としてパーティの皆を守りたいと思う。ミーは再生能力はヴァンパイアにも引けをとらないと自負しているから、ミーに構うことなく攻撃をしてくれても問題ない。ただ、痛いのは痛いので避けられるのであれば出来れば避けて欲しいなぁーなんて思ったり思わなかったりしてたりもする。長い付き合いになると思うので仲良くしてくれると嬉しい。以上だ。」


「はいマグロ君ありがとう。皆拍手ー」


パチパチパチパチ。


こうしてマグロが『フリーター』に加わった。

ちなみにマグロをマジカルハウスに入れた時に大層驚いていたが、それは割愛しよう。

マグロにマジカルハウス内を案内している時に風呂場を見せた時、かなり興奮してここに住むと言い出した。なんでもマグロは陸地でも休めるが水中の方が落ち着くという話だった。しかし、風呂に住ませるわけにはいかない。俺達のリラックスタイムが台無しになるからだ。仕方ないので魔法の袋を複製して、1階の物置だった場所に入り口を設置した。マグロ用の魔法の袋の中は8割が水だ。一番上に木製の踊り場があり、ここに荷物なんかを置いてもらったり、体についた水分を払ってもらうことにしている。そしてその下はマグロの生活空間だ。本人の希望を可能な限り聞いて、縦横10m、水深8mの魔法の袋をフルに使ったプールが出来ている。水も塩水がいいとの要望があったので、水全体に対して3.5%の塩を入れておいた。海の成分は知らないがしょっぱければなんでもいいだろう。実際マグロは喜んでいたので、これで良しとする。すると今度は岩が欲しい、筒が欲しい、サンゴもあればとか言い出した。色々出来るとわかってから調子に乗ってきやがったなコイツ。まぁ手間はあまりかからないので9mの岩を沈めてやり底に固定してやった。沈めた際に水が俺達の居住スペースに溢れそうになったアクシデントがあったけど、うまくアリアがフォローしてくれた。岩に複数の穴を空けてやったので、筒は要らないだろう。サンゴについてはそんな物なかったので、この前狩った魔物の頭蓋骨の骨なんかを沈めておいた。雑だとか言われたが知った事か。


「素晴らしい!これこそミーの住処に相応しい!!ヨーヘー!感謝するぞ!こんな素晴らしい家を陸地に持てるなんて夢のようだ!」


なんだかんだで気に入ってくれてるようだから良しとしよう。引き篭もりにならないようにしないといけないかもしれない。ちなみにマグロの部屋の入り口には『マグロ養殖場』という標識を日本語で書いて貼っておいた。誰にも読めないだろうからちょっとした遊び心だ。現にマグロはかっこいいと喜んでいた。アリアに意味を聞かれたから教えてあげると、あんまりイジメちゃダメだよーっと注意されてしまった。


さて、マグロの住処造りに時間を取られてしまい、もうお昼だがキレースは目と鼻の先だ。あと2~3時間も歩けば街に着くだろう。

皆に出発する事を告げて、張っていたテントを片付ける。

先頭をマグロが歩き、その後ろに俺がいる。アリアは俺の左側にピッタリくっついて、トリスは俺の右側を周囲を警戒しながら歩いていた。タァマちゃんは昨日アリアから取り戻した定位置である俺の肩の上に腰掛けていて、前方を歩くマグロをジーっと見つめている。マグロは良からぬ気配を感じるのか時折こちらを振り返るのだが、振り返ったときにはタァマちゃんは視線を外してとぼけているので首を傾げていた。そしてマグロが前を向くとまたジーっと捕食者の目で見つめるのだ。なんか面白そうな遊びだな。俺とアリアはタァマちゃんの行動を見て我慢しきれずに肩を震わせながら歩いていた。

ここまで何の襲撃も無く歩いてきてキレースまであと1時間という距離までやってきた。


「おー、海が見えるーーー!」


「にゃぁぁぁぁ!!おっきな水たまりです!!にゃぁぁぁぁぁ!!」


「タァマちゃん。海を見つけた時はね。海だーーーーー!!って叫びながら海に向かって走らないといけない決まりがあるんだ。そいいうわけだからいくよっ!せーの!」


「「海だ(にゃ)ーーーーーーーーー!!!」」


ちょっ!タァマちゃん速いな!!くっそぅ!お兄ちゃんとして負けるわけにはいかない!うおぉぉぉぉぉっ!!


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