63話 パーティ会議と新魔法
「第2回『フリーター』パーティ会議ー」
「「「わー」」」パチパチパチ
マジカルハウスの2階にある寝室。そこに設置されている俺とアリアのベッドの上に2人ずつ座っての会議だ。第1回会議に比べると参加人数も倍になり、会議らしくなったと言えるだろう。
「はい、今回の議題はタンク志望のマグロ君から俺達とパーティを組みたいという要望を貰いました。現在ウチのパーティは魔法使い2人、ニャン者1人、弓手1人ということで前衛の盾役と呼べるユニットがいないから、構成的には願ってもない提案なんだけど、ちょっと癖のある人物だからどうしようかというところかな。名前は・・・マグロ=オーマ?身長2ミール程度の魚人族、本人曰くヴァンパイア並の回復能力でマグマに落ちても死なない、腕が無くなってもすぐに再生する、ファイアーストームで燃やされても復活した実績ありで、自己アピールとしては「ミーの事は構わずに攻撃してもいい」と言っているね。正直これは俺やアリアのような魔法師にとってはありがたい提案だったりするんだ。まぁ魔法効果を軽減する魔法はタァマちゃんの為に開発する予定だけど、絶対じゃないだろうから魔法が直撃しても大丈夫だろうというのは大きなメリットだね。でも、大事な事だから再度言うことになるけど、ちょっと癖のある人物です。」
まぁ皆知ってるだろうけど一応ね。俺はマグロの特徴を皆に伝えて意見を聞くことにする。
ちなみにニャン者というのはタァマちゃんだ。タァマちゃんの動きを見て忍者みたいだねーって言ったら、忍者とは何かと聞かれたので説明してあげると、何がタァマちゃんの琴線に触れたのか、「タァマは今日からニャン者です!」と自ら宣言していたのだ。
「確かに能力は魅力的だよね。味方を気にしないで魔法を使えるのは凄く助かるもん。神聖魔法もいらなそうだから私も楽できそうだし。ただ考えるのが苦手そうだったから、秘密とかしゃべらないでいられるかとか、話を聞いてくれるかとかは不安だね。」
「私やタァマちゃんは広域攻撃をするわけじゃないのでマグロさんの能力についてはあまり重要ではないのですが、しっかりと敵をひきつけてくれそうですから敵を狙い易いというメリットはありますね。グリーベアーの時もパラライズウルフの時も他の人を狙わずにマグロさんだけを狙ってたみたいですし、あの方を襲わずにはいられない何かがあるのかもしれませんね。私としましてはヨーヘーやアリアの意見を支持しますよ。」
魔物から見てもなんかムカツクのかもしれないな。トリスはマグロの加入についてはどっちでもいいと。
「タァマちゃんは?」
「お魚さんです!!お魚さん食べたいです!!」
タァマちゃんもどっちでもいいと。
となると、アリアがどう思ってるかだなぁ。
「私はお兄ちゃんに会いに行くって方針に異を唱えなければ構わないよ。人物としては癖はあるけど、最初に会った時に私達の面倒を見てくれようとしたし、悪い人じゃないと思うんだよね。ヨーヘーはどう思ってるの?」
「タンクとしては俺達にマッチしてるって思ってるよ。ただあの性格はストレス溜まるかもしれないなーって。でもなんか必死だったし、断っても付いてきそうだよな。」
「あはは、たしかに。」
「だったら多少疲れるのは覚悟して、最初から管理してたほうがいいかなって思ってるのが正直なところ。どうしても駄目なら抜けて貰おう。」
まさかマグロとパーティを組む事になるとは思わなかったな。イラっとくることはあるけどマグロに悪気があっての行動じゃないしな。まぁ悪気がない分、質が悪いとも言えるが・・・。
「さて、次の議題です。今回の移動で思ったんだけど、俺馬車が欲しい!」
「あ、いいねー。楽ちんだったもんねー。」
「昼間話していたことですね。荷台部分はヨーヘーが作ると言ってましたよね。」
「うん、俺の構想では2人掛けの御者席と同じく2人掛けの後列があって、その後ろに1ミールくらいの大きさの箱型の居住スペースを作ろうかと思うんだけど。」
「1ミールって狭くないかな?」
「マジカルハウスを設置するか、馬車用の魔法の袋を作って設置すれば広さは問題ないと思ってさ。」
「あ、そうだね。魔法の袋の中なら揺れる事もないし酔わないもんね。でも、知らない人を乗せる可能性も考えて少し工夫した方がいいと思うよー。」
あ、そういう心配もあるのか。
「おっけー。じゃあキレースに着いたら作ってみるから皆の意見も聞きたいんで手伝ってね。」
「はーい。」「わかりました。」「にゃあ!」
「それじゃあ寝るとしますか。タァマちゃんもトリスもいっぱい走ったから疲れてるでしょ。」
「そうですね。実はかなりクタクタです。」
トリスは立ち上がって自分のベッドに入り、タァマちゃんはそのまま俺のベッドに横になった。
「タァマちゃんはここで寝るの?」
「はい!お兄ちゃんと一緒に寝たいです!ダメですか?」
「いいよー。じゃあ寝ようかー。アリアもおやすみー。」
「うん、おやすみー。今日は魔力使い過ぎちゃったから疲れたよー。」
しばらくタァマちゃんの背中をポンポンと軽く叩いてあげていると、タァマちゃんが寝息を立て始めた。
ふむ。俺は全然眠くならないな。そんなに長い時間じゃないけどさっきまで意識失ってたしな。どうしようか、新しい魔法でも作ってみるか?そういえば特殊魔法は攻撃魔法って感じの魔法がそんなにないんだよなぁ。当ったら死ぬレベルの魔法でも作ってみるか。意識体を消す、もしくは肉体から引き剥がすといった術式になるのかな?
それ以外だと正直よくわからない。よく考えたら殺傷するだけなら自然魔法でもいいしな。でも、肉体には一切傷をつけないで命を奪う系の魔法が使えたら切り札になる気もするし、なんかかっこいい。いや、そんな危険な魔法をホイホイ使うつもりはありませんよ?ただ、切り札があれば心に余裕を保つ助けにはなると思うんだ。さて、作ると決まればどういう形状にしようかなぁ。正直見えないのは難しいと思う。術者も当たったかどうか判断に苦しむことになるだろうし。形としてはやっぱり霧とかだろうか?ただ霧を素早く動かして相手に当てるというイメージがどうしても沸かない。それなら野球ボールくらいの大きさの魔力玉にするか。これが当ると相手は死ぬという魔法だ。名前は・・・野球ボールと言えば丁度いい名前があるな。『デッドボール』にしよう。この魔法はすぐにできないだろうからじっくりと試行錯誤を重ねてじっくり練ろう。
それじゃ次の魔法だ。どちらかというとこっちの方が重要だと思う。ここ数日、アリアがミニスカートを履いてくれるようになった。これはとても喜ばしいことだ。しかしスカートの丈が短くなったことでパンチラ度が上がってしまうはずだ。そうなると、アリアが恥ずかしがってミニスカートを履いてくれなくなる可能性は否定できない。スパッツや短パンなんて履かれた日には血の涙を流すことだろう。ならばアリアが恥ずかしく思わないようにパンチラしないような魔法を作ればいいわけだ。それなら今後もミニスカートを履いてくれるはず!よし。まずは重力に仕事させなくしないといけないな。スカートに膝がある方向へ重力が向くようにすればいいか。よし、次に風対策だ。捲れはするが下着が見えない範囲に留めたい。一定まで捲れたら下着とスカートが張り付くようにするというのはどうだろう?いいぞいいぞ、いい調子だ。最後は階段対策だ。これは闇を作り出そう。スカートの内側は光を一切通さないようにして、例え真下から見られても真っ暗で見えないようにしないとな。こんなもんか?さすがに直接捲られた時や破れた時の対処は出来ないが仕方ないだろう。風対策のルールは下着着用が条件だからちゃんと履くように言っておかないといけないな。この魔法は徹夜してでも今日中に完成させる。明日からはマグロがパーティに入る可能性があるからな。奴にアリアのパンチラを見せてたまるかってんだ。魔法名は『アイアンスカート』だ。
「ん、んん~・・・あ、ヨーヘーおはよう。起きてたの?」
「いや、寝てない。」
「え?なんで?」
「魔法を作っていた。とても重要な魔法だ。そしてついさっき完成した。」
「へぇ~、ヨーヘーが徹夜して作る魔法だなんてそんなに緊急だったの?どんな魔法?」
「あぁ、この魔法はアイアンスカートという。効果はスカートが損傷したり、生き物の手により脱がされたり捲られない限り、絶対に下着が見えない魔法だ。逆立ちしようが風が吹こうが真下から覗こうが絶対に下着は見えん!」
「・・・・・・」
「あれ?反応が薄いみたいだけど?」
「徹夜してそんな馬鹿な魔法作ってたの?」
「ば、馬鹿じゃないやい!アリアはこの魔法の重要性がわかってない!俺以外にスカートの中身を見られても構わないのか!?」
「ヨーヘーにだって見られたくないからねっ!?」
「くっ!と、とにかく実験をしてみたい。アリア、悪いけどスカートとエッチなパンツ履いてきてくれないか?」
「エッチなのなんて持ってないよっ!本当に大丈夫なんでしょうね?嘘だったらヒドいからね。・・・着替えてくるからちょっと待ってて。」
少し待っているとアリアがパジャマから普段着に着替えてきた。下はタータンチェック柄の赤いプリーツのミニスカートだ。凄く可愛い。
アリアは自分のベッドに腰掛けてこちらを向いた。
「それじゃ、さっそく使うよ、『アイアンスカート』」
魔法を使うとアリアのスカートがボゥと光、やがて光が収まった。
これで効果は出ているはずだ。
「アリア、魔法の効果が見たいんだけど、手で捲っちゃうと見えちゃう仕様だから恥ずかしいかもしれないけど、逆立ちしてもらってもいい?」
「逆立ち!?出来るかなぁ?ねぇこれ本当に大丈夫だよね?めくれないよね?」
「あぁっ!勿論大丈夫さっ!」
「絶対?」
「絶対」
「嘘だったらヒドいからね?」
「た、たぶん大丈夫だよ?」
「なんで急に弱気になったのっ!?」
「・・・・・・」
「もう、わかったよ。信じるからね・・・い、行くよ?よっ!ほっ!どうっ!?」
うん、逆立ち出来ていないな。でも魔法の効果は出ているようだ。普通のスカートなら確実に下着が見えてしまっているはずだ。重力にちゃんと逆らっているようだな。スカートの動きが不自然すぎる。良かった、ヒドい目に遭わなくて済みそうだ。
「ありがとうアリア。ちゃんと効果は出ているみたいだ。」
「うん。よかったぁ・・・。」
「じゃあ次は風対策だね。『ジェットストリーム』」
ブォォォ!!っと強烈な突風がアリアのスカートを襲う。
「きゃぁぁぁ!」
風が強過ぎてアリアはベッドに尻餅をついてしまった。
「馬鹿ぁ!風が強過ぎるわよ!」
「ご、ごめん、でもあの突風が吹いてもスカートは捲れなかったよ。」
「そ、そうだったね。確かに凄い魔法だね。馬鹿だけど。」
「じゃあ次は覗き対策だね。よし、もうその場で大胆に足を開いてみようか。」
「え、えぇぇぇ!?そ、それはいくらなんでも恥ずかしいよぉ。」
「大丈夫だって。今の所実験は成功してるだろう?この魔法の効果ではスカートの中は真っ暗な闇になっていて見えないはずなんだ。」
「うぅ・・・そこまで言うなら・・・」
顔を真っ赤にして渋々と足を開くアリア。恥ずかしいのかちょっと膝を開いただけだったが、俺は言葉を発することなくスカートの中をジーっと見つめ続ける。
「見えてなくても落ち着かないよ~、ねぇ?ど、どう?」
しゃべらない俺が気になったのか効果の具合を聞いてきた。
「アリアの白い肌によく似合う清純そうな白いパンツだね。刺繍がきめ細かいし、芸術的だ。そして何よりこの盛り上がった部分が俺の何かを刺激するね。『チーズ』」
「きゃぁぁっ!み、見えてるんじゃないのよ!ばかぁ!!それに今チーズで撮ったでしょ!?消せぇぇぇぇぇ!!」
「はっ!?な、何故見えるんだ!?あぁっ!?そうか!!術者には効果がないのか!?」
「それを先に言いなさいよぉぉ!」
「いや!アリア!とても綺麗だったよ!今すぐに飛びついて俺の物にしたい衝動に駆かられたよ。」
「うるさぁ~いバカーーーッ!!」
その後、アリアを宥めるのに30分位褒め殺した。因みに覗き対策についてはトリスが起きたら確認してもらおう。




