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虹の先に繋がる世界  作者: 水無月 壱九
グロスティア
31/172

31話 ブランダ最後の夜


タァマちゃんの引き取り先候補だったブランダの教会に断られてしまった俺達は宿に戻りミランダさんに宿泊人数が1人増えることを伝えて追加料金を払おうとした。

するとミランダさんはタァマちゃんは子供だからとサービスしますと言ってくれた。ミランダさんに感謝を伝え、部屋に戻って今後の話をすることにする。


「次に向かう町はガラダでいいんだよね?」


「えぇ、ブランダからなら6メールくらい離れているから途中で3泊はしないといけないと思うの。」


「ガラダに行ったらまずタァマちゃんを引き取ってくれる教会を探さないといけないな。」


「タァマちゃんそれまでお家決まらないけど我慢できる?」


「・・・はいです。」


少し元気の無いタァマちゃんだったが、夕飯の時には元気になってくれた。

お昼の時よりも落ち着いていた為、そんなにこぼさずに食べる事ができたみたいた。まぁそれでもこぼしはするんですけどね。つまりどういうことかというと、俺のズボンは犠牲になったのだ。




夕食後、文字の勉強と新しい魔法について考えをまとめていると結構いい時間になったのに気付いたので、お風呂は冒険者ギルドに行く前に入ったので軽く汗を流して寝る準備をした。今日は色々あった。かなり内容の濃い1日だったと思う。ベッドの前まで移動した俺はダメージを負った腰にお疲れ様と労ってそのままベッドに倒れこんだ。


「アリアー、ごめん。よろしくぅ・・・」


「はいはい。力抜いて・・・るわね。それじゃマッサージするよ~。」


俺の尻にアリアの柔らかい足に挟まれた感触がする。これだけで気持ちいい。アリアふわふわだ~。


「わっ、結構硬くなってるね。」


くぅー、効くなーーー。

お昼にした約束通りアリアに腰を揉んでもらっているのだが、やっぱり気持ちいいなぁ。スゥーっと疲れが抜けていく感じがするよ。


「あぁぁぁ・・・そこそこ・・・いい、いいよアリアァ~」


「んしょ、んしょ」


「にゃぁ!タァマも!タァマもやります!」

俺がマッサージされている姿をジーッと見ていたタァマちゃんもアリアの真似をして俺の背中に乗ってアリアと一緒に俺の腰を揉み始めた。


「あぁぁあぁあぁ・・・気持ちえぇ・・・・これはたまらん~」



「くすっ、ヨーヘー寝ちゃったね。タァマちゃん私達も寝よっか。」


「んっしょんっしょ!はい!寝るです!」


洋平の隣のベッド寝る準備をしていたアリアがタァマが床に寝転がったのを訝しんで問いかけた。


「タァマちゃん、なんで床で丸くなってるの?そこだと汚れちゃうしちゃんとお布団に入らないと風邪ひいちゃうよ?」


「タァマは床で充分です!こうして部屋の中に入れてもらえただけでもありがたいのです。」


「っ!・・・ほらタァマちゃん。こっちにいらっしゃい。」


アリアは床に寝転がっているタァマを抱き上げて自分のベッドに入れてあげた。


「今日は一緒に寝ましょ?私はそう決めたの。タァマちゃんが一緒に寝てくれたら嬉しいなぁ。そうだ、夜は冷えるからギューって抱きしめていい?タァマちゃんは暖かいからきっとぐっすり眠れると思うの。」


「いいのですか?布団で寝てもいいのですか?」


「もちろんよ!ね?一緒に寝よう?」


「はい!お姉ちゃんと一緒に寝るです!・・・ふわぁ・・・お布団暖かいです!」


「おやすみ、タァマちゃん、ヨーヘー。」


「おやすみなさいです。お姉ちゃん、お兄ちゃん。」


ニコニコしているアリアとタァマ。タァマの目に薄っすらと涙が浮かんでいるのに気付いたアリアはぎゅっとタァマを抱きしめて、タァマも嬉しそうにアリアに抱き着き密着した状態で意識をゆるやかに手放していくのだった。




「ふゎぁああ・・・あれ?俺いつの間に寝たんだ?」


昨日アリアとタァマちゃんにマッサージしてもらったまでの記憶しかないな・・・

そうか、俺そのまま寝ちゃったのか?

アリアとタァマちゃんは・・・あはは、一緒にグッスリ寝てらぁ。

時間は・・・7時か。今日はブランダを離れてガラダに移動だからなー。そうだ、タァマちゃんの旅用の服作っておかないといけないな。さすがに昨日作ったワンピースじゃダメだろう。かといって元々着ていたボロは論外だしな。

小石を踏んでも大丈夫な靴と探検服みたいなやつと、ホットパンツでいいか。なんかヘルメット被ったらモロ探検隊みたいな格好になるな。

タァマちゃん用の服を作っていると物音に気付いたのかタァマちゃんが目を覚ましたようだ。


「ふにゃぁ・・・?」


「おはよう。タァマちゃん」


「にゃ、おはようごじゃいましゅ・・・お兄ちゃん」


まだボケーっとしている。もしかして朝弱いのか?まぁ多少朝に弱いくらいなら問題ない。なんてったって俺の旅のツレはそういうレベルじゃないからな。


「さっぱり起きるために顔洗いに行こうかー」


俺はボケーっとしてるタァマちゃんを抱きかかえて魔法の袋(家)に入り、洗面所に顔を洗いに行った。

濡れたタオルでタァマちゃんの顔を優しく拭いてあげると目が覚めたのかボーっとしていた目がしゃっきりとしていく様子が見て取れる。


「にゃ!お兄ちゃんおはようございます!」


「はい、おはようございます。タァマちゃんに任務を与えます。これは重要な任務です。さぁアリアを起こしてきてください。」


「はい!いってくるです!」


顔を拭いてさっぱりしたのか、完全に目を覚ましたタァマちゃんはアリアの元に駆けて行った。やっぱ子供は元気じゃなくちゃな。

俺がトイレで用を足して部屋に戻ってみると眠るアリアに苦戦しているタァマちゃんが目に入った。


「にゃー!にゃー!アリアお姉ちゃん!おーーきーーーてーーーー!!」


お?寝ぼすけアリア復活か?


「にゃぁ・・・お兄ちゃん・・・お姉ちゃん起きにゃいの・・・」


「みたいだねー。おーいアリアー朝だよーーー。」


ゆっさゆっさゆっさゆっさ


「う・・・朝ー?・・・にゅ~・・・おはヨーヘー、タァマちゃん。」


「にゃ!?起きたです!タァマがやっても全然起きなかったのに!お兄ちゃんは凄いです!!」

ホントにな。自分でもビックリだよ。俺の職業アリアの目覚ましとかになってないよな?それにしてもおはヨーヘーってなんだ。変な言葉を作らないで欲しい。


「アリア。朝ご飯食べたら出発するから顔洗っておいでよ。」


「うん・・・ふゎぁぁ・・・」


欠伸をしながらふらふらと魔法の袋(家)に入っていった。


「タァマちゃん、旅用の服を作ったらからこれに着替えてね。」


「新しいお洋服ですか!?いいのですか!?」


「いいんだよー。これはタァマちゃんの為に作ったんだから着てくれないとお兄ちゃん悲しいなぁ。着てくれる?」


「はいっ!もちろんですっ!」


元気よく手を上げて返事をしたタァマちゃんはワンピースを脱ぎ始めた。しまった、タァマちゃんの寝巻きを作るの忘れてた。今更気付くとは・・・今夜までにちゃんと作っておこう。

タァマちゃんは美味く着替えが出来ないみたいだから手伝ってあげることにする。


「にゃぁ!着れました!!」


探検家ルックのタァマちゃんだ。タァマちゃんは自分の荷物をゴソゴソして短剣を腰につけた。

決まってる!決まってるよ!タァマちゃん!

俺はチーズを連発する。そういえばこの前の実験は成功だった。なんの実験かって?それは自動シャッターです。

俺の意思に関係なくターゲットに対して一定間隔でチーズが発動し、魔記録に写真が蓄積されていく仕組みのアレです。いやぁ、実にいい写真が撮れていた。これはアリアには見せられない。

あの後設定を切るのを忘れていたから今現在も自動シャッター機能は続いている。

お風呂に入ってる時の写真もバッチリ撮れているので俺のセクシーショットも何枚か存在している。これは後で消しておかないと飯が不味くなるな。

この自動シャッターは俺から10m以上離れた物がターゲットの場合は発動しないから基本的には俺がターゲットでこのまま機能継続でいいだろう。俺がターゲットなら間違いもあまり起きないはずだ。本当ならアリアかタァマちゃんをターゲットにしたいけど勝手に撮るのいくないからな!そっちは手動で記録していく事にしよう。


「お待たせー」


魔法の袋(家)から着替えを終えたアリアが出てきた。


「あら?タァマちゃんのそれ可愛いねー」


「えへへー♪お兄ちゃんがくれたです!」


「ヨーヘー、私の分はー?」


「すぐに作ります!」


まさかアリアの方から足を出すファッションを望んでくるとは!アリアミニスカート計画が1歩前進だ!!

目指せ膝上20cm!!

アリアからご注文頂いて探検服を30秒で作り上げてやった。やはりクリエイトは素晴らしい。サイズ?アリアン人形で日夜研究してる俺にはアリアのサイズなんて全てインプット済みだ!勿論この事はアリアには内緒だ。絶対に言ってはいけない。ついでに俺の名誉の為に言っておくが、アリアン人形に対して如何わしい事はしていない。本当に採寸してるだけだ!脱がせたり着せ替えさせたりはしてない!信じて欲しい。俺の良心に誓ってもいい。


「あ、ありがとう。」


「さぁ着替えてきて!朝ご飯冷めちゃうよ!」


「う、うん。行ってきます。」


あまりの仕事の速さに若干アリアは引きつつも着替えるためだろう、探検服を持って魔法の袋(家)に入っていった。

ふむ。アリアとタァマちゃんが探検ルックになるなら俺も探検ルックにするか。仲間外れは嫌だからな!

よし、思い立ったが吉日だ。自分用の探検服を作成してさっそく着替えようじゃないか。

俺が着替え終わる頃にアリアも着替え終わったようで魔法の袋(家)から出てきた。

ホットパンツなのでイタズラ好きの風さんによるハプニングは起こらないのが残念だが、その分チラる心配も減るので多少大胆に足を出しても抵抗は少ないはずだ。


「ヨーヘー。これ結構足出すんだね。ちょっと恥ずかしいよ・・・」


そうでもなかったらしい。しかしここは勢いで押すしかない。


「俺はアリアの綺麗な足が見れてとても嬉しいです!!」


「そ、そう?ってバカ!・・・でも、ありがとう。どう?変じゃない?」


「似合いすぎてて俺の視線はアリアに釘付けです!!」


「わぁい♪皆一緒です!」


「ふふ、そうだね。皆一緒だね。うん。皆一緒なら恥ずかしくない・・・恥ずかしくない」


「そうそう。今更足くらいで恥ずかしがることもないじゃないか。昨日なんてもっと恥ずかし「それは忘れなさい!!」」


スパコーンと頭を叩かれた。

誰が忘れるか!!例え記憶喪失になったとしてもあの記憶だけは覚えていてみせるわ!!言ったら怒られるから言わないけどな!それにしても俺も探検ルックに着替えておいてよかった。タァマちゃんだけだったらアリアは探検ルックをやめていたかもしれない。グッド判断だぞ俺!

しかしアリアは恥ずかしがっているが、この世界は足を露出するファッションが無いわけじゃない。スーラではいなかったが、ブランダでは太ももを出している女性は結構目にする。

まぁその人達の事はまぁいいんだ。重要なのはアリアがミニスカートを履く事。ニーソックスと一緒にミニスカートを履く事!!アリアは出会った時から長めのスカートかズボンというファッションだったから、綺麗な足がなかなか拝めない。俺は綺麗な足を露出するミニスカート姿のアリアが見てみたいんだ!アリアのルックスから想像するとメチャクチャ似合うはずなんだ!あ、アリアンで試せばいいのか?でもそれをしたらバレた時が怖い。・・・どうするか。

よし洋平こう考えるんだ。アリア本人に着てもらうように努力する。その方が喜び100倍だと!


「ヨーヘー・・・そんな事考えてたの?」


「え?声に出てた!?」


「うん。アリアンで着せ替えしたらホントに怒るからね。」


「うぐっ・・」


アリアに怒られるのはとても怖い。でも、アリアがミニスカートを履いているところがどうしても見たい。でもアリアンを使ったら怒られる。でも見たい。しかし・・・


「・・・・今度ね。」


「え?」


「今度着てあげるって言ったの!私も女の子だもん。可愛い服とか興味あるんだよ?・・・だから!うんと可愛く作ってね。」


「!!!!!!!!マジでっっっ!!!!!!!?」


「でもヨーヘー以外の人に見られるのは恥ずかしいなぁ・・。」


「俺はいいの・・・?」


「ヨーヘーはほら、・・・友達だもん」


「うぉぉぉぉおお!!アリアさんっ!!!!」


勢い余って抱きついた。


「ちょっ!ヨーヘー!危ない、危ないよ!倒れるーー!」


それを見ていたタァマちゃんが真似して抱きついてきた。


「きゃあ!タァマちゃんまで!危ないから2人共離れてーーーっ!」





「あら、皆さんお揃いの服なんですね。ふふ、似合ってますよ。それにヨーヘーさん、凄くニコニコしていますね。何か良い事あったのかしら?」


俺達は出発の準備をして朝食を食べに来ていた。俺達を見つけたミランダさんは俺が妙に機嫌の良いことに気付いたみたいだ。


「あ、わかります?アリアが嬉しいこと言ってくれたんですよー。」


「あら?何かしら?」


「ヨーヘー!」


「あ、怒られちゃうから言えません。ごめんなさい。」


「あら、残念。それでその格好はなんのファッションなの?」


「これは探検服です。これで冒険をすればなんか雰囲気が出ます!」


「ということは今日ブランダから出て行くの?」


「はい、今までお世話になりました。ミランダさんには良くして頂きまして感謝しています。」


「そう。怪我や病気には気をつけてね。またブランダに来た時は顔を見せてくださいな。」


「はい!ありがとうございました!」


朝食だが、ひき肉と豆を混ぜて蒸したような物だった。ひき肉のムーカという料理らしい。これは塩味ではなくパショの実から作ったソースを使っているみたいだ。意外とおいしい。タァマちゃんは相変わらず俺の膝の上にいる。定位置になりつつあるな。隣にはアリアがいてタァマちゃんの面倒を見つつ食事している。

今後このポジションで行くのだろうか?

今日はタァマちゃんに食器の使い方を教えながらの朝食だ。アリアも練習の為か箸を使っている。地球料理は箸が使えて一人前と吹き込んだら頑張って練習してるみたいだ。手先が器用になりそうだと言っていたのでそっちの効果を狙っているのかもしれないが。

まぁそんなわけで、2人共ポロポロと零している。

時折隣から「あーもう!」とかいう声が聞こえてくる。まぁ頑張れ!

アリアはそうでもないが、タァマちゃんの食器周りはカオスな状態だ。

気になる俺のズボンだが今のところ無事である。服と床を汚さないように食事用エプロンを作ったからだ。

エプロンの端を皿の下に敷いているので、タァマちゃんの首と皿の間につり橋のような物が出来ている。

これで零してもテーブルの上に行くという仕組みだ。

俺以外は悪戦苦闘しながら朝食を片付けた。

食べ終えたアリアはやり切った顔で「頑張ってマスターするわ!」と意気込んでいた。無理にならない程度に頑張って欲しい。


「では、ミランダさん。お世話になりました。お体には気をつけてくださいね。」


「はい、またのお越しをお待ちしております。いってらっしゃいませ。」




約1週間滞在した宿を後にして街の外に向かう。


「さーて、ガラダに向かって出発ー!」


「「おー!」」

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