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いっちゃん(第二部)  作者: Thomas C. Knitter


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12/21

第二十九話「いっちゃん、そろばん3級の資格を獲る」

「表事務所は、顔が綺麗じゃないと……」

その言葉に、いっちゃんは下を向く代わりに、自らの指先に全ての想いを込めました。

誰にも文句を言わせない「実力」という名の鎧をまとうために。


工務事務所での仕事が始まった。

計算に追われる日々だったが、そろばんの技術が私を助けてくれた。

「表事務所は顔が綺麗じゃないと」

その言葉は、ずっと私の頭に残っていた。でも、

「実力なら、誰にも負けん」

私はその思いをより強くしていた。この工場でそろばん3級の資格を持つ社員は、たった一人しかいない。

ならば私が取ろう。

そう決めた。

もらった給料から工面して、誰に頼るでもなく、そろばん教室に通った。畑で働いた日々も、伯母の厳しい叱責も、すべて「負けん気」を鍛えてくれたのだと思う。

そしてついに、私はそろばん3級の資格を取った。


「いっちゃん、頑張るね」

同僚からそう声をかけられた時、胸がじんわりと熱くなった。誰かに認められることが、こんなにも嬉しいものだっただろうか。


――容姿ではかなわんでも、努力なら負けん。そうやって私は、少しずつ自分の居場所をつくっていった。


(つづく)

パチパチと弾けるそろばんの音。

手にした「3級」の資格。

それは、どんな美貌よりも輝く、彼女だけの勲章でした。

少しずつ、けれど確実に自分の居場所を広げてゆくいっちゃん。

次はどんな「新しい一秒」が待っているのでしょうか。


明日もお楽しみに。

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