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暴れる竜と
話をしようにも歯が立たない。物陰に隠れながら、魔女は杖を握りしめる。ぎゃおぎゃおと竜は歯を剥き出して暴れている。
よそ見をして歩いていた魔女が、昼寝中の竜の尻尾を踏んだのだ。人なんて大した重さではないが、牛数匹分の巨体を持つ竜は、涙目で抗議している。絶滅危惧種になりチヤホヤされ、甘ったれが多いのだ。
このまま逃げたいが、竜には顔を見られている。追われて慰謝料を請求されたら厄介だ。
ここは存分に、武力制圧しよう。
「えい!」
魔女は自身の背丈ほどの杖を振り回し、宙に飛び上がった。跳躍し、竜に着地して、忘却魔法を込めて竜を杖で殴る。
後には、タンコブを作って「?」となった竜が残された。
#Monthly300 @mon300nov
毎月300字小説企画第42回お題・歯
2026/06/06




