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鼠谷健一郎の並行世界な話  作者: しろ


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第四話 時間干渉

第四話 時間干渉


 黄兎は、繁みの中から、鼠谷達が連行される様を見て居た。そして、「ゲロッピーさん。僕じゃあ、何も出来ませんよ」と、日和った。飛び掛かったところで、返り討ちに()うのが、関の山だからだ。

「私も、物理的には、無理だな。精々、時間の干渉くらいだな」と、ゲロッピーも、淡々と言った。

 その瞬間、「ゲロッピーさん。時間を(いじ)れば、三人を助けられるかも知れませんよ」と、黄兎は、口にした。旨く行けば、三人を救出出来るかも知れないからだ。

「ほう。確かに、時間を弄れば、三人を自由に出来るかも知れんな」と、ゲロッピーも、興味を示した。

「取り敢えず、典然が、島を出た時間まで、進めて貰えませんか?」と、黄兎は、要請した。

「やってみよう」と、ゲロッピーが、承諾した。そして、これで良いだろうか?」と、口にした。

 次の瞬間、周囲が、暗くなった。

 黄兎は、天を仰ぎ見るなり、「これくらいの時間なら、大丈夫そうだね」と、満面の笑みを浮かべた。星空の見える時間帯ならば、典然も、街へ繰り出していると考えられるからだ。そして、繁みから出た。

 そこへ、足元の覚束ない日本兵が、現れた。

「ゲッ…! 典然の奴が、帰って来ちゃったよ…」と、黄兎は、顔を顰めた。そして、「ゲロッピーさん。時間を進め過ぎですよ!」と、小声で、指摘した。まさか、典然が帰って来る時間まで進んでいるとは、思って居なかったからだ。

「さあて、酔い冷ましに、あの豚野郎でも、殴っちゃおうかなぁ〜」と、典然が、上機嫌に、大声で言った。

「くっ! こいつより先に、三人の所へ行かなきゃならないな!」と、黄兎は、研究所へ向かって、駆け出した。このような酔った奴に殴られれば、無事(ただ)では済まないだろうからだ。

「おい! そんなに(あせ)るな。私も、慣れて居らんから、細かい事が苦手なもんでな。次は、旨くやるからさ」と、ゲロッピーが、言い訳をした。

「う〜ん…」と、黄兎は、難色を示した。次も、成功するとは限らないからだ。

「ふん。気の短い奴だな。まあ、“三次元の時間”に干渉するのは、少々、疲れるからな。ここは、お前に、一任するとしよう」と、ゲロッピーが、ぼやいた。

「そうなんだぁ〜」と、黄兎は、理解を示した。次元を“超越”しているのだから、体力を消耗して居ても、不思議ではないからだ。

「では、休ませて貰うぞ」と、ゲロッピーが、告げるなり、“ワケピュア“の主人公の”ピュア・フージェ“の待ち受け画面へ切り替わった。

「これは、”変身少女物“かなぁ〜?」と、黄兎が、眉根を寄せた。乙女チックな服装(コスチューム)から、そのような気がするからだ。そして、「典然は、何処だ?」と、見回した。程無くして、「あいつ、もうあんな所まで!」と、研究所の玄関の手前まで、移動しているのを視認した。その直後、駆け出した。扉が開かれるのと同時に、侵入しようと思い付いたからだ。間も無く、典然の数歩後まで、接近するのだった。

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