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蒼の槍

それから数日後、俺はゴールドランクに昇格し、ドラゴンの首を切り落とし、見事武器としての役目を達成した剣の代わりを手に入れるため、武器屋にやって来るが店の前で仕立てのよいスーツに姿勢の良い真面目が服を着ている様な老人に呼び止められ、領主の館に案内されるまま流されていた。

 館にやって来て急に緊張感が襲ってくる。緊張でパニックになりかけながら、領主であるカッシーニ男爵の前に到着していまった。

 カッシーニ男爵は威厳はあるが良い人そうで、席に座らせてくれ、お茶を飲むように促され幾分か緊張がほぐれた時に本題を話してくれた。

 できれば騎士団へと勧誘されたが身元を証明できない迷い人であるため、迷惑をかけることになると丁寧に断ると武器を先の戦いで失っている事は把握されており、宝物庫に案内される。

 そこで、どれでも好きな武器を一つ持っていって良いと言われたが、流石に怖くなって拒否したが半ば強引に槍を手渡され、笑顔の男爵に見送られ館を後にした。

 かなり良い槍だ、後日、宿屋にその槍の名前と謂れや性能を書いた手紙が届く、執事からだった。仕事のできる人ってのはこういう気配りができるのだろう。


 名は蒼の槍十六創 シーサーペントの牙から槍先を、ダークトレントの幹から作られた持ち手に防具にも使われることが多いシーサーペントの蛇鱗皮を適度に巻き付けられているため、槍で攻撃を受けることができるほど防御にも十分な強度を誇りつつ、滑らかな槍さばきを実現できる業物である。


 かなり良い、使い勝手も良いし、その見た目も白い穂先に青い持ち手が鱗の反射を受けて輝いているので抜群に良かった。激しい連戦で体だけではなく心までは疲弊していた反動でここ数日は無気力に過ごしていた鬱蒼とした気分が吹き飛んだ。

 バリーとメアリーは晴れてアイアンに昇格し、2人のお祝いを兼ねてオークキング討伐を記念して知り合った仲間を呼んで宴を開催した。

 もちろん俺の奢りだ、朝まで飲んでバカ騒ぎをして数日後、知り合い全員に手紙と幸福のメダルを渡し、新装備で領都を出発した。

 目指すは王都、確かな理由は無いが何となくデカい城を見てみたかっただけ、多くの友達が見送りにも来てくれ餞別ももらった。前回より寂しくはない、また戻って来れると何となく実力も付いてきて楽観的になっている自分がいた。

 王都へは数個の村や街を経由して物流の要であるモントベル貿易都市を経由して更に数日間の乗合馬車を乗るとたどり着く、正直馬車はキツイ、尻や腰は痛いしかなり揺れるので、あまり酔わない自分も多少は気持ちが悪くなった。

 貿易都市を拠点にすれば良かったのになぜ王都まで来たのには理由があった。

 それはドラゴンを倒した青年が戦いが終わるとすぐに王都へ招集されてしまった事が原因だ。何せ彼はこの世界では珍しい黒目黒髪の日本人風だったからだ。

 できれば一度、話してみたいが俺が王都にて着くのにかかった一月後と言う時間、彼はワイバーンで3日で王都にて着き先々週には勇者として認められ、大々的に式典があったらしい、だから王都はお祭りムードが2週間も続いているらしい。

 王国全土から人が集まり、勇者に会うことなどできる雰囲気では無かった。


 それから王国で依頼をこなしながら、確実に実績を上げていた時、スピアマスターのスキルが生まれた。新しい槍が気に入りすぎてスキルポイントを無視して使っていたら槍術より上位のスキルが生まれたようだ。

 これが何処まで成長するのか分からないが、槍を使い続けようと心に誓った。

 この頃には高額の依頼もこなせる様になり、補助アイテムなどを揃える事で更に強化していて、Aランクモンスターのクリスタルディアをソロで討伐しゴールドの上であるプラチナムになれるのではないかと囁かれるほどだ。冒険者を長く続けてもプラチナムに到達できる人はごく僅かだ、大抵は命を落としたり、ケガによる引退もしくは堅実に依頼をこなしゴールドランクでお金をため、30代には引退する人が多い。

 この世界に来た時には考えられない。もうすぐ、5年目に差し掛かろうとする時に王都にて悲報が流れた。

 ポルチート砦陥落、メッシアーナ領主が魔王軍率いる軍勢に攻め滅ぼされた。

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