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貿易都市

 今回の戦争にネイビーは連れてきていない。彼女は優秀で俺からステータスの話を聞いてからは独自にそれを検証したり効率的なステータス向上方法があるのでは無いかと色々と試行錯誤して以来かなり強くなっている気がする。

 しかし、いまの彼女は妊娠をしているからだ。本当は付いていきたいと言われたが子供の為に残って欲しいと一晩お願いし何とか納得してくれた。


 戦場に向かう中、平和そうに見える自然の景色を見ていると、ふと俺に同じ人間を殺せるのか、そんな感情が過るが恐らく大丈夫だろう魔王軍には人型の魔族もいたが問題なかった。戦いの中で躊躇はできない上、戦争の興奮状態で罪悪感は少なくともその時は感じ無いのだから。

 何とか戦場に到着しこれから人類同士の殺し合いが長く続くんだと覚悟していたが、あっさりと戦争は終わった。

 我らが勇者が率いいる第三正規軍が戦場に付くとホーリーブレイブが猛威を振るっていた。

 しかし正に我らがリーガルブレイブであるソウマ大公があっさりホーリーブレイブをお下し、成敗してくれたから余裕の勝利で終わった。やはり魔王を倒す為に戦い続けた男と聖王国で引きこもっていた男では圧倒的な差があった。

 勇者同士の戦いが終わり、戦の決着となるかと思っていたが相手は狂信者、勇者が敗れても一部の兵士は止まらなかった。

 それでもちょうど良くお隣の火の精霊から生まれた砂漠の民であり同盟国の鬼人族が統治する樫の国が救援をしてくれたので、聖王国軍は両軍に挟まれすぐさま瓦解した。

 戦争が終わり、ここからは国家間の政治的な話が始まるため、ピルニ砦を増強し混成軍は解散となりあっさり村へ帰る事になる。

 今回はこの村から出兵した兵士に重症者無しで終えられた為、快勝ではある。ただし派兵したのだが大きな手柄を立てる場面が無く貰える報奨金は最低ラインだろう。ただ、村の兵士に実戦を経験させられたのが大きかったと思えば悪くないだろう。

 それから1年、俺は村の発展に尽力した。なかでも勇者から教えてもらった三圃式農業って言う方法と石灰を土に混ぜる事、酸性の中和?ってのが良いらしく(多すぎない程度に混ぜるのがいいらしい)漁村から貝殻を輸送しそれを火にかけ砕き、畑の撒いた。

 いままでは痩せた土地に多少の肥料しか使っていなかったが、収穫量が2倍に増えた。勇者が農業の知識があったのはビックリしたし、そんなに詳しいならもっと早く教えてくれてもと思ったが知識は武器だ。

 少なくとも勇者が俺を信用できると思ったからだろうし、知識の独占と言う価値観がないのだろう。

 実は痩せた土地について、この世界の常識ではこれまでは、精霊力が枯渇したからもう畑にはできない土地として放置していたので、これからもっと放置された畑を再生させて畑を増やせるだろう。

 リンクが結婚する事になった。もちろん相手は村長の息子のガンガだ。

 そしてガンガは村長に就任する。これは前回の収穫祭で俺が宣言し、ガンガにスピーチさせ、ガンガはその勢いでリンクに結婚を申し込んだ。

 リンクにはフライしか家族はいないが俺が兄貴分であり後見人となる事から、親代わりでおかしくないと思っている。

 そんな俺はガンガの事を気に入っているのは彼の家は村長家であり、豪農でもある為、村では好き勝手できる立場でもおかしくないし、彼はガタイも良い、自警団として村の守りも勝手出ていた。

 そんな村の中心である中、彼は毎日、必ず畑に出て野良仕事を欠かさない。

 彼の人となりが知りたいから、たまに野良仕事を教わったり、収穫時には新兵を連れて作業を手伝ったりもした。

 ガンガはバカ真面目だった。父親の村長がもう少し柔軟性をもって欲しいと思うほどだ、でも俺は知っている。リンクの前では柔らかい笑顔になるのを、本当の親ではないが彼にならリンクを任せても全く問題ないと思う。

 フライにも彼女ができ、結婚するのかもしれない。ドラド夫妻にも3人目の子供が生まれ村は賑わい、かつて親無しの子供も大人になり村で働いていたり、村から巣立って行った子もいる。もう少しで5千人以上になる、そうなればもう村ではなく街と言っても過言では無いだろう。


 何やら聖王国との戦後処理が遅れている様で終戦から2年たってやっと調印できたそうだ。

 しかしそれから半年が過ぎても賠償金は支払われる事は無かった。

 その後の交渉の場にも現れないため、同じ大地に住む国として看過できない状況になった。

 最終的に人類代表である六種族の合意の元、ガーデナント王国と樫の国とで聖王国を攻め滅ぼし、土地は分割統治する事で話は進んだ。

 今回は勇者の派兵要請が無かったためなのか俺も呼ばれなかった。主力は第二正規軍と第四正規軍で行うらしい。俺のような田舎の下っ端貴族に戦場の詳細は流れてこない。

 新たな戦争が始まって一月後、聖王国の王都に籠城していた聖王国軍は突然、何の前触れもなく突撃を開始した。

 死兵による突撃が始まったのだとこの時の正規軍は思ったらしいが聖王国兵は切られても武器が無くなっても突き進み、正規軍に文字通り噛みつき始め、彼らが屍兵となっている事に気づいた時には多くの犠牲が出た後だった。

 屍兵に魔物までもが正規軍に襲いかかり、数日で多大な被害が出始めたため、ピルニ砦まで後退することとなった。

 ただ事では無い。王国は第一正規軍と第三正規軍と共に勇者を戦争に投入する。更に他国にも救援を要請し六カ国で聖王国の戦力を再び王都まで後退させる事ができた。

 ちなみに俺は参加していないので一次的に帰宅した勇者に話を聞いただけだ。何で戦争が終わってないのに勇者が帰ってきたのかと言うと、聖王国の王都に未解明の結界が張られており、突入できなかったそうだ。

 しかも今回の戦いで敵の首領は聖王国の法王では無く、ソフィア・ランページと名のる女だそうで、不思議な魔法を使うそうだ。

 それから女を魔女と呼称する事が決まり、結界の解析が完了次第、再び総力戦で聖王国を滅ぼす計画だ。


 あれから19回目の土の月が過ぎ、聖王国との決着をつけるべく、ガーデナント王国の7割近い軍隊を動員し聖王国へ進軍した。

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