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ステータス

 結婚式は順調に進み、披露宴を兼ねて立食パーティを庭で行う。最初にソウマ大公に挨拶をしていると他の貴族も挨拶と祝いの言葉を述べてくれた。

 中には俺と同じく義勇軍上がりの貴族がいて、彼はここから1週間程の離れた場所にある村を賜ったそうで、何となく同期って気がして話してると気の良い人で仲良くなれそうだ。

 勇者がいるからか、変な貴族はおらず式はつつがなく最後まで進み、夜には勇者とその妻である公爵令嬢と俺とネイビーで執務室で秘密の会合をする。

 さっそくステータスの話になり、ステータスは間違いなく迷い人の特殊な能力である事を大賢者である公爵家のご先祖が残しており、それなりに調査もしているので間違いないが公表は控えているそうだ。

 そこから公爵令嬢のステータスについての解説が始まるとネイビーが考える、見える人と見えない人の違いの話になり、俺が見えた時に尻もちついた話までしてしまい笑いが起こる。

 俺は鑑定の儀からだったが勇者は最初から見れていたらしい。この違いについて、俺がこの時までステータスを認識していなく、鑑定の儀を受ける時にゲームやアニメで見た世界を強くイメージしたからなのか、それとも勇者が特別なのか、分からないが認識によるものであれば、ステータスを事細かに伝えればステータスを見ることができるかもしれないと、隠す必要も無いが他言無用として細部の見え方まで勇者と2人で伝え合うと同じ見え方だって言うことが分かった。

 公爵令嬢はステータスの話に固執していたので、具体的な中身についてスキルや取得方法についても勇者と認識の確認を行なった。基本的には変わらないが勇者はやはり最初からステータスが高かったのと様々なスキルを明らかに簡単に取得が出来たようだ。

 お酒も進みほどよいところでお開きとなる。魔法について勇者から聞いたことをすぐに試してみたかったが、寝ることにした。


 14回目の土の月


 唐突に戦争が始まった知らせを受ける。戦争が始まったのは唯一この国が他国と接している南の領地で発生しているらしい。この王国には5つの領地があり、1つ目が王都含む王家直轄領は各地に飛び地があり様々な理由から王家が管轄する。

 2つの公爵家が王都を中心に東西を管轄、西側には元魔王が侵攻してきた魔の森があり、今だにその影響が強く人の侵入を拒んでいる。北側を勇者が管轄するソウマ領、そして南側で唯一他国と隣接する王国最強の黄金の獅子を掲げる第二正規軍を有するジルクレド侯爵領があり、その侯爵領が侵攻された。

 光の大精霊アルミスを神と崇めるルド・アーミス聖王国が俺たちが暮らすガーデナント王国に戦争を仕掛けてきた。

 カナリア防衛都市の南端にあるピルニ砦を攻め落とした聖王国軍は勢いそのまま防衛都市に攻め込む。そもそも何故攻めてきたのかも分からないが聖王国は勇者を戦争に投入しているらしく、その強大な力がある勇者には同じ勇者をぶつけるしかなく、こちらもソウマ大公が出陣するため、俺も少数ではあるが兵を率いて随伴することになった。

 ちなみにこの世界には昔から世界の危機に現れる勇者が現れる。その数や発現性は不明で、複数人が発現した事もある為、王国などが認めた勇者をリーガルブレイブ、聖王国などの宗教国家が認めた勇者をホーリーブレイブと呼ぶ事がある。

 それにしても、この世界の事を今だに詳しくない俺だが聖王国には本当に良い印象を持てない。魔王軍を撃退したばかりのたった数年で他国に攻め込むとか、そもそも魔王軍との戦いには消極的で防衛しかしていないどころか魔王討伐の最終局面に勇者を派遣しなかった。

 恐らく今回の戦争の理由も彼らが亜人と呼ぶ人間族以外の人類種への迫害的な意味だろう。

 ガーデナント王国は土の精霊から生まれた山の民ドワーフが統治する国で、かつて小さな集落が無数に点在し各々暮らしていたドワーフたちが魔の森からやって来た黒竜の群れに蹂躙されていたところ、初代ドワーフ王となったローレンス・ホルダー・ガーデナントが生き残りのドワーフを纏め上げ聖剣を打ち、これを持って戦うが、黒竜は強く苦戦しているところに後の大賢者でありタチアナ公爵家を興すこととなったタチバナ・ムラサキが尽力して黒竜を撃退した。

 なぜ家名がタチアナになったのはタチバナの発音がしっかりと伝わらなかったわけでもこの王国語的に発音がしにくい訳ではなく、その方がカッコいいかららしい。ちなみにこの時に打たれた聖剣は37本あり、現存する5本は王都の博物館で拝見できた。

 この聖剣には特別な力は無く、ただその時の最新技術で作られた最高傑作だったが人々の祈りが届いたのか、使い手の意思が宿ったのか黒竜の血がアダマンタイトに変化を齎したのかは分からないが全ての聖剣が一律に身体能力向上系のバフがかかるらしい。

 初代の慣例から勇者が王様から賜った聖剣はいまの技術で作られた最高傑作で、代々受け継がれる聖剣はこの王国には無い。その時に最高の素材と最高の鍛冶師が作る最高傑作を勇者や英雄に贈る慣わしとなっている。

 ちなみに今代の勇者の聖剣は現在、氷のクリスタルから作られた王国の最新技術の結晶で氷結系魔法が付与された大剣で魔王討伐の際に雷撃系の魔法も合わせて発動する仕様に変化したそうだ。

 俺達はソウマ領が有する第三正規軍が集結するバリントン貿易都市に向かう事となった。

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